ギルド長秘書
彩乃と久々にいろいろと話をしているうちに、目の前にある階段から足音が聞こえてきた。
その足音の正体は、さっき俺たちをこの牢屋に入れた張本人である、ここのギルド長であるケイナさんのものだった。
そのケイナさんの後ろには、俺たちをこのギルドまで連れてきた女性もいた。
女性の手には、紙と羽ペンある。
おそらく、これから警察で言うところの事情聴取のようなものが行われるのであろう。
この地下牢があるスペースの真ん中には、二つの椅子と机も設置されているし。
まあ、聞かれる内容によるができるだけ本当のことを答えるよう善処するつもりではいる。
「待たせてすまないな。早速だが、2人からは色々と聞きたいことがあるのでな。いくつか質問をさせてもらう。と、その前に彼女の名前をまだ教えていなかったな。この質問が終わってからは、状況によるが彼女とともに行動してもらう予定だしな。名前を知らないと不便だろう」
ケイナさんは質問する前に、その女性を部屋の隅にある机から俺たちの牢屋の前まで連れてきて自己紹介させた。
「申し遅れました、私の名はチュアリといいます。ここのギルド長であるケイナさんの秘書を勤めております。智也さん、彩乃さん、これからよろしくお願いいたします」
彼女、チュアリさんはそう言って一礼する。
俺たちも「よろしくお願いします」と言いながら礼を返す。
この一連の流れが終わると、ケイナさんは早速質問を始めた。
「それでは、質問を始める。まず始めに、2人はどこから来た?嘘をついても構わないが、あとあとのことを考えると本当のことを言っておくのが身のためだぞ」
ケイナさんは、俺たちに嘘をつかせないように圧力をかけてくる。
その雰囲気は、最初に会ったときとはまるで違う人のようだ。
でも、俺たちはこの質問は来ると予想していたのであらかじめどのように答えるかは決まっていた。
「『日本』と言う国から来ました。彩乃も同じです」
二人で決めていた答え方というのは、『正直に答える』という簡単なものだ。
この世界は、中世ヨーロッパのような世界観なので俺たちとは考え方が違う。
下手に嘘をついてばれたときに、どのような扱いを受けるのかも分からない。
なら、極力正直に答えるのがいいと思ったのだ。
ケイナさんは俺たちの答えを聞くと、思っていた通りの返答をしてきた。
「『日本』とはなんだ?」
その予想していた答えに、俺と彩乃の心の中にこの一言が生まれた。
(ですよねー)と。
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