69 契約破棄
すいません。短いです。
空を飛び、街に降り、聞き出す。
これを何度か繰り返し、蘇生についてのわずかな情報と現在の世界の様子が分かった。
蘇生についての情報は何度も蘇ったという英雄コールドの逸話のみだが、奴が蘇るところを目撃したという情報がいくつもあがり、確度は高い。
おおよその当面の目的は、蘇生の情報を探りながら奴の行方を捜すことにする。
だが聞き出した世界の情勢からそれも考えるとなかなかに捜索も難しそうだ。
街の人間たちの言によると、世界は現在、ラルフが契約を破り、また戦争の時代に突入してしまったのだという。
戦争が再開されたことで、また魔王が猛威を振るい、戦争と虐殺の渦が広がり始めた。
そこで国王たちは再び、英雄コールドに魔王ラルフの討伐を依頼しようとしたらしい。
だが当の本人の消息が分からないようで、かなり困った事態になっているようだ。
各国が捜索隊を出しても、行方知れず。
つまり、今現在、世界中で英雄の捜索が始まっているのに見つかっていないのだ。
世界で指名手配しても見つからない人間を探すのだ。一筋縄でいかないことは容易にわかる。
人工衛星とか使えたら、一発だと思うが、この世界の文明レベルでは捜索の方法は人づてに辿っていくしかない。
ひどく地道に作業になりそうだ。
そんな事を考えながら、次の街に移動するために空を駆けていく。
すると飛んでいる途中で、キャラバンとテントが眼に止まった。
向かい風を起こしてブレーキを掛ける。
おそらく、彼らは広い範囲を移動する商人であるし情報に長けているだろう。
一つ、尋ねてみるか。
キャラバンに向けて降りていく。




