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ダンジョンリフォーマー〜リフォームで魔王と仲良くなる異世界放浪記〜  作者: スイセイムシ
シュライク魔法学園―魔道習得編  サイドA
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65 夕暮れ時は不気味




 ガリと少しだけと思っていたのに、結構話し込んでしまった。

 話に行くときは昼過ぎだったのに、今はもうすっかり夕暮れ時だ。


「こんな時間に人に会いに行くってのは、いやな予感しかしないな……」


 沈みかけの太陽に照らされた紫色の不気味な夜空を見ながらぼやく。

 見る人によっては綺麗な空だというが、おれにはどうしてもそうは思えない。

 子供の時、友達の家に行った帰りはこいつにいつも家に帰れと急き立てられていたせいだろうか。

 楽しい時間の終わりにはいつもこいつが出ってきた。


 こいつが沈むまでにはエラーのところに行ければまだ会ってくれる可能性はありそうだが、完全に夜になったら絶望的だ。

 夜になると完全にリラックスモードだから、それを訪問して邪魔すれば相手を不機嫌にさせた挙句、追い出されるのは想像に難くない。


 急いでいかねばならない。学校から女子寮まで、風魔法で飛んでいくことにしよう。

 調整が難しいのであまり使いたくなかったが背に腹は代えられない。

 それが一番早い方法なのだから。


 地面に風魔法を飛ばして、身体を空中に浮きあがらせる。それから特一級魔法『エアパレス』を発動させる。

 自分を中心にした周囲の風を自由に動かせるようになり、浮くことができるようになった。

 後は風を動かして空中で体を動かすだけだけだが、ここが一番の難関だ。

 風の量の調節が難しい。少し動かしたと思うと空の向こうまで行ってしまうのだ。


 微調整が大事だ。

 ざっぱにやると見るもおぞましい結果しか待っていない。

 女子寮までは距離的にそこまで遠くないのでイメージ的にはそよ風くらいでいいだろう。

 風を動かす。視界が何度も周り、風に弄ばれたと思うと止まった。

 

 見下ろすと、女子寮の手前くらいだ。ジャストとはいかなかったがそこそこいい感じだろう。

 後は走っていくことにする。


 上空から降りていくと女子寮の庭から煙が上がり始めた。誰かが薪をし始めたようだ。

 煙のせいで息苦しい。煙にむせながらも降りていく。

 女子寮の生徒が空飛ぶトカゲに危機感を抱いて、攻撃でもしているのだろうか。


 女子寮に駆けていくと、薪をしていた張本人の姿が見えた。


 アルテマイヤだ。


 だがいつもとことなり、髪が黒色になっている。

 おそらく、二重人格のマイヤが出ているのだろう。

 それならば、女子寮のまえで薪を始める奇怪な行動にも説明がつく。悪さをする前にこいつを止めねば。

 止める間に日が落ちそうだし、エラーと会うのは明日にした方がいいかもしれない。


 奴にばれないように息を殺して、土魔法で土を奴の顎に向けて隆起させる。

 これで終わりだと確信したというのに、マイヤは当たる寸前で避けた。


「リード、ひどいことをしますね。感傷に浸っている人間に攻撃をしかけるなんて」


 嫌に冷静な声が聞こえて、ひどい違和感に襲われる。

 どうして奴は、怒鳴り声をでなく、冷静にしゃべっているんだ。

 まるで、|人格が変わっていいないようだ《・・・・・・・・・・・・・》。


「お前、どうして……」


 アルテマイヤだろうそいつを、食いいるように見つめてしまう。


「ああ、二重人格の事を気にしているんですね。あれは嘘ですから、気にしなくていいですよ」


 何でこんなことを言っているんだこいつは?

 奴が暴露した意図と俺を騙す必要性が理解できない。

 しかも、こいつはこのタイミングで、俺になんでこんなことを言ったんだ?

 こちらの困惑とは別に、アルテマイヤは髪の色を元の赤色に戻した。

 まるで、嘘である証拠を提示していくように。


 今更になって、師匠の忠告が思い出された。


“彼女は怪しい人物だ”


“共に行動をするな”


 体と心が警鐘を鳴らした。こいつから早く離れないといけない。

 足は勝手に後ずさっていく。

 それから振り返ろうとすると、背中が何かにぶつかった。


「おお、リード久しぶりだな! ガハハハハ!」


 振り向くと事務所にいるはずのラルフがいた。


 その快活な声を聴いて安堵ではなく、緊張が走る。


 退路をふさがれた……。





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