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ダンジョンリフォーマー〜リフォームで魔王と仲良くなる異世界放浪記〜  作者: スイセイムシ
シュライク魔法学園―魔道習得編  サイドC
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35 神聖術は神々しい




 一級魔法。あれはかなり複雑だった。

 配合率の他に、使うマナをそれぞれ別に動かさなければならないのだ。

 授業で一級火魔法『メテオ』をやってみたが練習の途中で頭が痛くなってきた。

 マナを調整しながら、並行で土のマナで土を移動させたり、風のマナでその土を舞い上げたり、火のマナで宙に浮いた土を熱したりと……同時に4つのことをやらされたのだからしょうがない。

 ただでさえ2つでさえごちゃごちゃするのに、今回は4つだ。人間の許容量を優に超えている。

 上級クラスの奴らは慣れもあるのかもしれないが、平気の平左みたいな顔をしてやっているのが信じられない。

 終わって一時間ほどたつのに頭が痛い俺とは異なり、奴らはぴんぴんしているだろう。

 これからやる精霊魔法の講習を是非とも交代してもらいたい。


「リード、君は今、精霊魔法もしくは空魔法をどれだけ覚えているんだい?」


 全然乗り気になれない俺とは異なり、やる気満々の師匠が俺に質問してくる。

 どれだけ覚えていると言われてもなあ。三級空魔法しか使えない。

 というよりも、なんで師匠は魔法の中でも精霊魔法をこうも推してくるのか理解できない。

 この人、俺の記憶では魔法が大好きだった記憶はあるけど、精霊魔法に執心しているイメージはなかったんだけどな。


「三級空魔法くらいですね」

「そうか、じゃあ、精霊魔法を教えられる下地はあるようだね。早速精霊魔法のレクチャーに入っていこう。リード、演習もするから脇に挟んだ本を置いておいた方がいいぞ」


 そういえば、神聖術の本を携帯していたのを忘れていた。

 授業の隙間時間に読んでもさっぱりわからず興味が失せたのもあるし、一級魔法の演習で思考能力が下がっていたのもあって、脇に挟んでいたというのに存在が脳の片隅に押いやられていたようだ。

 師匠の忠告に従って土魔法で土台を生成し、そこにおく。


「なんだそれは。神聖術の本かね?」

「そうですけど……」


 神聖術がどうしたのだろうか。師匠は思案気な顔をして、首に手をやっているが。

 神聖術になにか問題でもあったのだろうか。

 使うと魔法が使えないみたいな。


「神聖術をやりたいのかい? 精霊魔法で神聖術は需要な位置を占めているし、どうせ教えるつもりだったから、精霊魔法の基本より先に神聖術をやってもいいけど?」

「本当ですか!? じゃあお願いします」


 俺の予想とは180°違ったが、嬉しい結果であることは変わりない。

 まさか師匠が神聖術も使えるとは思わなかったし、精霊魔法が神聖術も使うようなものだとも思わなかった。


「まあ、そういても教えることはたいしてないが。神聖術は祈りと聖言さえ覚えればいいだけだから。

適正が在れば、魔法や武技よりも簡単に覚えられるからね」

「簡単、本当ですか?本難しすぎてなにが書いてあるか。わからなかったんですけど」

「あれは威厳を保つためにわざと難しく、かつ回りくどく書いてるからね。神聖術を身に着けるのであれば、あれは向かないだろう。神父になる筆記試験を受けるのならば別だが」


 この人、魔法使いのくせに異様に神聖術について詳しいなあ。

 接すれば、接するほど捉えどころがなくなっていく。


「とりあえず、適正から見させてもらおう。適正次第で短期詰込みか、精霊魔法と平行か決めなければならない。今からやる私の動作を真似したまえ」


 師匠はそう言って膝を折って、両手を結んで天に掲げた。すると体の周りに光の粒子のようなものが踊り始めた。

 何が起こっているかいまいちわからなかったが、師匠の動作を真似した。

 両手を天に掲げたあたりで、身体に熱いものが注がれるような感覚に襲われると、周囲には光の粒子が舞い始めた。


「君の適正はまあ、上々くらいのようだ。神聖術を短期で叩き込むことにさせてもらうよ」


 師匠は俺の周りの粒子を見るとそういい、俺の神聖術の特訓が始まった。





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