表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョンリフォーマー〜リフォームで魔王と仲良くなる異世界放浪記〜  作者: スイセイムシ
シュライク魔法学園―魔道習得編  サイドC
34/155

28 オーパーツは不気味



 杯の上に、怪しい朱色の光を放つ正方形が鎮座していた。

 杯の上に置かれているせいか、異様な存在感を放っている。


 これが、ダンジョンコア。

 無限のモンスターを吐き出し、この深淵を迷宮たらしめるものか。

 迷宮の最奥にこんなオーパーツ的なものが安置されてるとは……。


「これがダンジョンコア。この迷宮の心臓ですね。こいつを壊すと迷宮が崩壊するので、いたずらで攻撃したりしないでください」


 そんな事をすれば、ダンジョンコアを砕く前にこちらがあんたにやられることが眼に見える。

 するわけがない。

 それにしてもこんなよくわからん物体を本当に真似できるのか。

 メタリックなボディを発光させているし。どう考えても、この中世の世界で再現できる物体ではないような気がするが。

 それよりも、再現する以前にまず問題もある。


「魔王が自分の深淵のダンジョンコアを差し出すとは思えないし、もし差し出したとしてもこれを再現するのは技術的に難しい気がするのですが。本当に真似できるんですか」


 魔王が、まず自分の深淵を形成しているというそんな大事なものを差し出したり、解体するのを受け入れるかということだ。

 大概の魔王が許さないだろうことは想像に難くない。


「魔王がダンジョンコアは差し出す必要もなければ、ダンジョンコアを再現する必要もないので、真似できますよ」

「……?」


 どういうことだ。ダンジョンコアは再現しないのに深淵の真似をする?

 ダンジョンコアがなければ――ダンジョンコアさえあれば迷宮が作れるというのに、それがないのに真似をすることができる。

 トンチか何かか。


「ダンジョンコアはそこにある台座を再現すれば、勝手に発生するんです。だから、再現する必要がないんです」

「これを再現すれば?」

「そうです」


 俺がダンジョンコアを載せている杯―台座を指さして、聞き返すとシェイムは鷹揚に頷き返して答えた。

 たしかにこの台座をまねるのならできるだろう。土魔法で形成すればすぐにできる。

 というかこれて、迷宮構築師の企業秘密じゃないだろうか。

 俺たちにばらして大丈夫なのだろうか。


「でもここは台座を用意したからダンジョンコアがあるわけではありません。深淵はそのまま魔王になると同時に勝手に出現するものです。それゆえ、ここには迷宮ができると同時にダンジョンコアは存在しました」

「じゃあ、なんであなたは最初からダンジョンコアがあったというのに、それを下ろす方法をしっているのですか? 知る必要性がないような気がしますが」


 アルテマイヤが疑念をシェイムに投げかける。

 確かに最初から迷宮を持っているシェイムが迷宮を作る方法を知っているのは、確かに不思議なことだ。

 ラルフはどうか知らないが、俺が出会った深淵持ちであるショットは少なくとも知らなかった。


「昔、深淵を強化する必要に迫られたので、その副産物として知っているんです」


 どこか苦々しそうな顔をして、シェイムは応えた。 

 シェーン情報の深淵はおぞましいものだというのに、それを強化しなくちゃならん事態てどういうことだ。

 全く見当がつかん。


「その一件について詳しく聞きたいですが、時間切れのようです」


 見るとアルテマイヤの髪が下の方から徐々に黒くなっていている。


「リーさん!」

「この部屋で暴れられたらまずい!」


 トリシュがアルテマイヤを担いで魔王の間に向けて走っていく。

 その後を俺が追う。

 部屋を出るときにレッドハウンド姉妹が不思議がっていたが、気にかける暇はない。


 深淵の外までこのままいけるかと思ったが、魔王の間の中ほどで


「なんだてめえら!」


 マイヤが眼を覚ましてしまった。

 担いだ姿勢からトリシュが地面に向けて投げつけるが、マイヤは地面にたたきつけられることなく立ち上がった。

 こいつ抑え込むたびに強くなっている気がするが気のせいだろうか。


「何事ですか?リードさん」


 こんな時だというのに落ち着いた声でシェイムが尋ねてくる。


「いえ、うちのアルテマイヤは二重人格でして、夜になると狂暴化するので抑え込む必要があるんです」

「そうですか」


 簡単に事情を説明するとシェイムは頷いて、手を虚空に伸ばした。

 すると天井が隆起し、マイヤの頭を打ち据えた。

 マイヤはそのまま、地面に伏す。


「これで大丈夫でしょう」


 そうこともなげに言うシェイムを見つめた。

 土魔法か何かだろうが、発動速度がおかしい。タイムラグゼロだろう。

 あれではレジストどころか反応さえできない。

 そんな事を平然と行うシェイムに俺は戦慄した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ