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幕間④ バディウォーリアー(1)




「アニャン、お前ふざけるなよ!作戦無視して、自分だけ突っ込んでいってんじゃねえ」


 名前も覚えていないパーティリーダーが怒鳴る。

 こいつはなにを言ってんだか……。


「何切れてんの。別に倒せたんだからいいじゃん」

「倒せただからいいだと!? お前が突っ込んで行かなきゃ、けが人も出さずにもっと楽に倒せたんだよ! 見ろ、うちの剣士を! お前をかばったせいで負傷した!」


 リーダーは大声で喚き散らし、負傷した剣士を指さす。

 さすがのあたしも、イラついた。


「そんなのそいつが勝手にかばっただけでしょうが。あたしが知るわけないじゃない」


 リーダーはなぜか知らないが、至極真っ当なあたしの言葉を聞くと顔を真っ赤にした。


「クソガキが! てめえ何ぞ、うちのパーティにはいらねえ! 失せろ」


 あたしは冒険者になって何度目かわからないが、パーティ解雇通知を受けた。





「ああ、イライラする。年嵩があるだけでデカい顔しやがって」


 近くにあった柱を八つ当たり気味に蹴る。

 足が地味に痛む。

 これも全部あのリーダーのせいだ。


 周りを見て、新たにパーティを組めそうな奴らを探す。

 けれどテーブルを囲んで、酒を飲んでいる飲んだくれしかいない。

 見込みがないと思うとさらにイライラがたまる。

 そして飲んだくれ掲げているビールを見て、魔が差した。


「お姉さん。あたしにビール頂戴よ。金なら持ってるから」


 そう言って、ビール一杯分の金をカウンターに置く。

 お姉さんはそれを見ると、ビールが入っているだろう木製のジョッキを持ってきた。


「はい、ビール」


 持ってきたビールを奪い取るようにして、口の中に流し込む。


 ――甘い……。


「ビールじゃなくて、ミルクじゃねえか! ふざけんな! 」


 自分をだました性悪な女に吠える。


「だって、しょうがないじゃない。お子様にはビールは売れないだもの」


 そう言って、女はウィンクをしてきた。

 ジョッキを地面にたたきつけたかったがミルクがもったいないのでできない。

 歯をぎりぎりさせながら、女を睨む。

 女はオホホホホと笑いながら、カウンターの奥に引っ込んでいた。

 女の態度にさらにイラつき、一気にミルクを飲みほして、乱暴にカウンターにたたきつける。


「くそ、こどもだからてあたしにどいつもこいつも指図しやがって、あたしが偉くなったら、成人を12にかえってやる。チクショウ」



 そうして大人への私怨を燃やしていると、肩を叩かれた。

 振り返ると、リザードマンがこちらを見下ろしていた。


 ――で、でけえ……!


 リザードマンは、あまり大きくならないのが常識なのに、そいつは人族の大男くらいは身長があった。

 内心少しビビったのが恥ずかしく、そいつを睨みつけると奴は口を開いた。


「ごめん。俺とパーティ組んでくれない。今から初めての魔物狩りのクエストに行くんだけど、一人だと心配で」


 パーティを組める奴を探していたので渡りに船だ。だが、顔にはださない。

 喜んでいると思われるの何だか腹が立つからだ。


「ふーん。まああたしも暇だから、行ってやらんでもないけど。あんたの名前は?」


 リザードマンに名を尋ねる。

 奴はそれでこちらがOKサインを出したのだと思っただろう。

 顔をほころばせて、


「俺の名前は、リード」


 と名を名乗った。







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