104 始神の墓
ボルフレディが王としてここに残ることが決まった後、会議は官僚の選定方法、思想、国の名をどうするかというところまで及んだ。
会議を始めた時は昼間だったというのに、終わった時には深夜だ。
連戦と長時間の会議で疲れ、終わってからすぐ床に就いた。
そして今は朝。
兵士たちと共に城の床で雑魚寝したためか。疲れがとれておらず、どうも床から起き上れない。
「始神の墓を探しに行くのに、おまえの協力がいる。手伝ってくれ」
天井を見てまどろんでいるとそんな声が聞えた。
頼みごとか……。断ってもしつこく迫って来るのが常だからな。
「ああ、別にいいが。かわりに後五分――」
言い切る前に俺は浮力に襲われ、腹に衝撃が走る。
視界が下手人の腰を捉えていることから察すると、肩に担がれたようだ。
「このまま城の見晴らし台から空中に飛び出す。風魔法で浮けるよう準備してくれ」
走りだした足が床を踏みしめる衝撃が腹に伝播し、次の瞬間、浮遊感に襲われた。
そこまでいて俺の目は完全に覚めた。
―|―|―
「ここにも何もなさそうだな」
今日何度目かわからないホットのその言葉が耳を打つ。
朝から始神の墓を捜索して、今は昼。
空中から俯瞰することで捜索しているので、風魔法を発動し続けている。そのせいか少し気疲れしてきた。
そろそろ一休み入れたい。
「そろそろ休憩をいれよう。疲れてきた」
「そうだな。一度下に降りて、休憩するか」
ホットからも確認を取ったので、地面に向けてゆっくり降下していく。
降下していくと妙なものを発見した。
こちらから見て右斜め下。水のマナと火のマナが妙に集中しているところが見える。
水のマナと火のマナをどけると、日本の古墳に似た大きな遺跡が出現した。
これが始神の墓か?
魔法で隠蔽していたし、確定のような気がするが一応確認を取るか。
「あれが始神の墓か?」
ホットに尋ねると奴は目を見開いた。
「見たことがないからハッキリしたことは言えんが、あれしかないだろう……。やっぱり休憩はなしだ。あそこにおろしてくれ」
休憩なしという言葉にげんなりしつつ、始神の墓に向けて降りていく。




