086 人間が暮らしやすいように
貴族率いる人間の集団が来て数日。
人間の半分以上は近隣の調査をしている様子。
なんでも既存の街道との優位性? 差別化? とにかく妖精の通り道の価値を図っているようだ。
中には夜通しで調査に出て、休憩所の上に植えた光る大樹を探して、妖精の通り道が何処を通っているかも調査している。
こっち側、鉱山付近以外は他国なので調査だけ。
交渉の材料に使うのかな?
貴族は数名と共に情報整理。
書類を抱えて四苦八苦している。
今あるミスリルと鉄を預けたら、何やら計算している様子。
ミスリルは返却で、鉄は持って帰ってねと伝えている。
貴族は視察もしたが、我が家は休業状態。
ダンジョン討伐で妖精が弱っているためと言い訳した。
まぁ切っ掛けはダンジョン討伐だから嘘じゃないと思う。
建造物創造での家作りは要望を聞いて隣に作っている。
隣のはちょくちょく改装して良い感じになっているようだ。
変則的な今の家から引っ越す予定。
作ったのは三角屋根の2階建ての屋敷、天井が低くても屋根が欲しかったそうだ。
雨降らないのに…まぁ天井が4mもなくてもいいよね。
30m×13mの横長な屋敷で敷地の中央よりのやや奥に設置、玄関は中央。
水回りと主人用の部屋は1階、ホールとか書斎とか従業員の部屋が2階らしい。
周りを低い石の塀で囲ってある。
入り口を入ってからが広い、屋敷が敷地の半分も使ってないからだ。
商人が来て商売するなら、手前に商店用の建物を希望するだろうとの事。
集団で生活するなら、敷地に屋敷を2つ作れば良いのではとなった。
あと、主人の部屋に屋敷維持管理用の魔道具設置。
水回りや排泄の処理、建物の維持に魔力を消費するので魔道具に魔石を入れるのだ。
20cm球の水晶が台座に乗った形で魔石を押し込めば入る。
光の強弱で残量がわかる仕組み。
屋敷を全く使わないと魔石1つで結構もつが、生活すると結構減る様子。
試してもらったが、ランク1~2のモンスター魔石なら1日で何個もいる。
「この生活空間を維持するには破格だが、結構消費するな」
との貴族談。
試験用なので魔石はこっちで提供した。
埃や塵は還元する掃除が要らない屋敷だよ、人間を使うより安いんじゃないかな?
更に数日。
貴族達は屋敷を新しい方に越して快適になった様子。
我が家も漸く通常運転になった。
僕の覚醒により配下の存在が削られていたが回復。
今はステータス上昇の魔力供給があるので外壁作りは2時間で終了。
ちょっと外壁作りの配置を変更。
エンシェントとドミニオンは監督。
ウォーリアは採掘。
ここまで一緒で、ここからちょっと変更。
ハイエルフの応援に土属性が扱えるようになったウィザードとプリーストが参戦。
土壁作りが加速する。
アークとメリーはレンガ造りと土壁をレンガ造りにする貼り付け作業。
アークはレンガ造りが好きみたいでレンガ作成に没頭。
メリーは自分でレンガを作ってそのまま土壁に行く感じだ。
土壁先行の作業になり良い感じだ。
作業時間が短いので進捗は悪いが、流れは良い。
時間かけてする作業だからね。
一応、人間にここが壁になると僕が軽く土を盛っておいた。
6km四方の外壁と、我が家を含めた9つのエリアになるように仕切る内壁を作る予定。
鉱山の逆、西側の3エリア6km×2kmは人間の自由にして良い事にして貴族に伝えておいた。
「農民が来たら畑が作れるな。荒野になっているから作物が育つかは微妙なところだがな」
その辺は任せる。
ダンジョン地下1階もちょっと改装して仕切った。
鉱山側ランク8ダミーコアの場所は配下専用。
我が家を飛ばして反対側の西側、妖精の通り道が繋がっているエリアは人間の居住区。
残りの6エリアをモンスター牧場にする。
モンスターはちゃんと肉体を持てば食用として扱われるのもいる。
なので、植物系3種類、獣系3種類、これらを育成する。
人間の食料にする予定だ。
ついでに魔力消費用。
植物系3種類。
プラントゴーレム、通称は七草。
足から腰までは白い根、胴体は緑の茎に草、手は草、頭は花の植物が共存するゴーレム。
根は野菜、手と胴体の草は葉野菜、頭は薬草、と何かと使える部位が多いが、胴体の茎は廃棄。
冒険者の薬草採取とはこれを指すこともある、ランク1のモンスター。
フラッフチェスナット、通称は浮き栗。
ランク1は、20cmサイズのふよふよ浮いた毬栗。
ランク2は、成長して1mサイズになり攻撃的になる、中身が人間の食用に向いている。
ランク3は、ランク2が根付いて木になり、ランク1の毬栗を生むし、ランク1の毬栗を飛ばして攻撃する。
パンプマン、通称は偽ランタン。
ゴースト系のジャックオランタンに似ているが別物。
追い詰められると頭部が破裂し自爆をする、しかしその頭部が食用に向いている。
定期的に自爆で破裂して種を飛ばし仲間を増やす、ランク2。
獣系3種類。
グラトニーピッグ、子豚、と、グラトニービッグ、豚。
ピッグはランク1の茶色い豚で70cmくらい。
ビッグは子豚が育ったランク2の茶色い豚、2mのそこそこな巨体。
プラントゴーレムを好んで食べるので一緒に湧かせて成長を促す。
ホッピングラビット、兎。
ランク1の白い兎で、後ろ足が強靭なほど育っている。
80cmくらいだが、足が目立ち案外と大きく見える。
フラッフチェスナッツのランク1を好んで食べる。
ので、ランク3を生やしてランク1の毬栗を飛ばすようにすれば良いかなと思ってる。
シードチッチ、地鶏
ランク1、1mもある大きな鶏で3~5羽の群れで行動する。
パンプマンの種を好み、パンプマンに集団で襲いわざと破裂させて食べるほど好みなので、パンプマン餌として放つ予定。
動物系は植物系を食うが、肉体を持っていなくても食べる。
餌用は湧かせば良いだけなので楽だ。
今は魔力を壁に使うので控えめに召喚設定っと、これでよし。
貴族にでっち上げの屁理屈を伝えるか。