085 妖精の住み家を人間用に宅地にする
妖精の通り道を抜けてきた人間の集団。
馬車が6台、40人くらいかな?
まだダンジョン内にいる。
一応、挨拶しとくか。
「いらっしゃい。長旅ご苦労様?」
お、身形の良いのが来た。
「…ぐっ! いや、こちらこそ、快適な旅の出来る良い道だった。早速、商談といきたいが食料の確保も必要だ。近くの町に行きたいのだが出口の使い方は同じか?」
ん? 苦い顔してるけど…
「出入りは同じ。近くの町は知らないけど大丈夫? あと、何処かで会った?」
「…覚えてないか。お前の言う…屑の取り巻きだ。お前の驚異を知っているのが代表にと選ばれたのだ。この辺りの地理は調べてある。馬車で2時間の所に町はあるぞ。行ってないのか?」
へぇ、知らないや。
特に用事ないけど、食料を屑の王様に分けたから補充しても良いな。
「そうだ。宿をどうしたら良いのだ? 見たところ建物もないが、近隣の町で宿を取った方だ良いか?」
宿かぁ。
建造物創造で作るか。
取り敢えずは昇降床の周りでいいが、草原のままだな。
「買い物は全員で行くの?」
「いや、食料だけだ。馬車2台で行く」
「人が居ると改装できない。一回、全員で上にいって。直ぐ済む」
「分かった。おい! 一度出るぞ!」
追い出し…人間が多いと準備も動くのも遅いな。
しばし待つ。
人間の集団が地上に出たのを見計らって、基盤整備。
ダンジョン改装は人が居るとできないけど、建造物創造は出来るので建物は後から。
さて綺麗で広々とした町っぽくするか。
昇降床の周りを石畳で200m四方で囲む。
そのまま妖精の通り道の方向に200m幅の道として石畳を敷く。
1ブロック100m、5mの石畳の道、40mの草原の敷地、10mの石畳の道、40mの草原の敷地、5mの石畳の道、で縦横と切ると、道が十字に走る40m四方の敷地が4つ出来る。
このブロックを敷き詰めていくと、繋ぎ目も10mの石畳の道になるので綺麗だ。
昇降床を中心に1km四方を埋め尽くす。
昇降床の周りと妖精の通り道に続く道を除くと、88ブロック352の敷地を確保できた。
これだけあれば十分だろう。
後は明かり、1ブロック4つの敷地の内1つに1本大樹を植えよう。
んー、猫ちゃん、金髪、権限あげるから手伝って。
僕は残った敷地の中央に小さな泉を作っていくから。
「どう植えましょうか?」
「ゴブリン本体入りね。あっ! 犯罪奴隷ごっこ?」
植えるのは中央よりの敷地の真ん中。
手分けしての時間短縮だから遊ばない。
金髪、そんなにして欲しいならあとでしようね。
「分かりました。あ、私も混ぜてくださいね」
「私のバカ! 了解。早くやりましょう」
金髪が楽しみにしてるし、さっさと終わらそう。
「はい! 私も楽しみです」
「ちがーう! もういいわよ。働く」
ちゃちゃっと手分けして終わらせた。
明かりも水も十分だろう。
後は建造物創造で住居を作ろう…希望を聞くか。
「お待たせ。降りてきて。宿っぽいの作る」
「…おぉ。分かった。しかし、本当に急に現れるんだな。聞いていても驚くな」
30人くらい残ってるな。
まぁ良いや、器を作るだけだからね、昇降床を起動。
今日は建造物創造の試運転だ。
「町の原型ができている…だと!? しかし建物がないな。どのみち野宿か?」
「直ぐ作れるから一応希望を聞く。こんな感じで作れる」
と、昇降床に面した敷地の一つに建造物創造を使う。
4m立方体を一部屋として10個繋げた石造りの平たい屋根の長屋、部屋の入り口を内側に両端にそれぞれ作る。
中には木製ベッドを2つのみ。
「見て。足りないものが多いと思うから言って」
「…あぁ。凄いことが出来るな。よし、皆のもの、確認と要望をまとめるぞ!」
「「「はい」」」
散っていく人間。
代表の貴族? が、要望を聞いていく。
トイレ…台所…浴室…集まる場所…馬車置き場?
温泉は…贅沢だって?
泉が中央は邪魔…うーんそこまで考えてなかった、撤去。
長屋の中央2部屋を両方ともそれぞれトイレと温泉の出る浴室に。
左右で男女分けたら良いね。
トイレや排水は非生物が流れると魔力に還元するようにした。
長屋に挟まれた中央奥に20m四方で高さ8mの2階建ての建物…ダンジョンの天井に当たるが気にしない。
1階は台所と食堂、2階は大きなホール。
台所の角に井戸風の囲いをした泉を設置。
お偉いさん用の部屋?
1階の食堂を2階のホールと兼用に。
代表の貴族に聞いて適当に作ったが、個人用の風呂は却下した。
調子に乗るな!
馬車は中央手前の空き地。
馬が脱走しないように壁で囲った。
正面に門を設置、馬車も通れるよ。
「ふぅ。これで生活できる?」
「一風変わった屋敷だな。十分すぎる対応だ。感謝する」
「使って便利なら増やす。手本にするから何かあったら言って。僕にそっちの身分は関係ない。平等。皆が使う家を考えて」
「分かった。皆に聞いておこう」
「今日はお仕舞い。明日の朝来る。じゃ」
「あぁ、明日、話し合おう」
夕方だけど、もう疲れた。
やっと寝室でゆっくり出来る。
じゃ、金髪が楽しみにしていた犯罪奴隷ごっこをしよう。
「楽しみじゃな…お姉さま?」
「金髪ちゃんも着替えなきゃ! ご主人様を待たせるの?」
今日の設定は失敗をして怒られて鞭打ちの刑ってことにしようか。
ちゃんと鞭も改造するよ。
怪我しないけど、痛覚強化を付与しよう。
「金髪ちゃん、えい! ほら、早く!」
「うーん、例の犯罪奴隷服ですね。強制的に着替えさせるって…あぁ、まだ権限を譲ってもらってたまんまでしたね」
ちょっと犯罪奴隷服に付与。
耐久力を低下させたよ。
その服はすぐに破けるからね。
「変態!」
じゃらり、っと、はい、両手吊り上げ。
猫ちゃんは四つん這いになって僕の椅子ね。
後から交代させるから。
「はい! どうぞ!」
じゃ、始めるね。
それ! ぺちん!
てい! ぺちん!
「痛っ! だめっ! ほんとにすぐ破ける! 変態!」
「あぁ、金髪ちゃんいいなぁ」
猫ちゃんは動いちゃダメでしょ。
可愛い尻が叩きやすいよ。
それ! ぺちん!
「あん! ごめんなさい、ご主人様」
罰として尻尾を出して背中に這わせなさい。
座布団にするから。
「えっと…はい。はぅぅ! ご主人様、動かないで!」
動かないと鞭振るえないよ。
それ! ぺちん! ぺちん!
猫ちゃん、動かない! ぺちん! ぺちん!
「痛っ! ぼろぼろっ! じゃなっ! いっ! ほんと! 痛いだけ! ね!」
「いやっ! あん! 止めて! 止めないで! んー!」
金髪の反応が面白くない。
強制的に獣人化、金髪の分身を掌握、見つめろ!
「いやー! こんな姿を見ないでー! 見つめちゃいやー!!!」
これで金髪の反応が面白くなった。
それ! ぺちん! ぺちん!
猫ちゃんも! ぺちん! ぺちん!
「いや! 見ないで! 天使が! 汚れちゃう!」
「ご主人様! 尻尾が! ああん! 潰れちゃう!」
分身体って案外楽しいな。
分身をそれぞれに1匹、猫ちゃんと金髪の目を見つめながら、よしよし。
「止めて! そんな目で見ないで!」
「駄目ですよ! こんな姿を見たら駄目! お姉ちゃん失格になっちゃう!」
楽しく夜は更けていったよ。
「自分の分身なのに汚されちゃったよぅ。ごめんね」
服を着替えて分身に抱きつき謝る金髪。
「お姉ちゃん失格です。あん。もう配下ちゃんの前に出れないかも。んっ。癖になっちゃいけない。ふぅ、耐えて、私」
自問自答で悶えながら欲求と戦う猫ちゃん。
着替えたら?
良い声聞けたし、よく寝れそうだ。
寝よ。
おやすみ。