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082 魂喰いダンジョンの討伐

「8階でランク4が出てきましたね。普通の冒険者ってランク3までしか狩れないのかな?」


野良のモンスターは自然発生から成長してもランク3までが多いからね。

それ以上を狩る必要が無いとも言える。

それにしても、やっぱりダンジョンマスターを失ったダンジョンは統率がないな。


「そうですね。新たに湧くことも無いようですしダンジョンマスターはダンジョン機能を中継する重要な役目があるのですね」


傀儡だった金髪はあのコアには大切だったんだね。


「意地悪! もうあの生活には戻りません! 今は天使ちゃんを()()()愛でるこの生活が好きです」


その天使をけしかけた僕は嫌い?


「それも意地悪です」


「ご主人様、金髪ちゃんをからかうのは後ですよ。9階からはもっと強くなりますよ。気を付けないと」


はーい。

今のところ、魂喰いを持つモンスターは魂ごと消滅させてる。

金髪が雑魚を、猫ちゃんがちょっと強いのを、僕が消滅を、役割はこんなもんだ。


ランク3~4は金髪でも雑魚扱いできるけど、念のために猫ちゃんに狩ってもらってる。

ランク6まで出てきたら無双ではなく、確実に仕留めていく予定。

にしても、キメラはランク上がると気持ち悪いな。


「スライムが混ざっていたのは嫌ですね。飛び散るから気を使わないと行けません」


「あれには芸術性の欠片もないです。可愛くない」


さぁ、引き締めて殲滅しよう。

無駄口叩けないくらいに気持ち悪いのが出そうだからね。

あれには触りたくない。


「ご主人様の役割はズルいですね。触れずに黒い雷撃で消滅させてます」


「お姉さまは近接ですからね。御愁傷様です」


嫌がる猫ちゃんも可愛いのだよ。

ちゃんと後方支援の補助魔法かけてるし許してね。


「ご主人様のその笑顔をマッサージで解してあげたいです」


「お付き合いします、お姉さま」


気を引き締めような、僕も。




殲滅速度は落ちたが、魂喰いはしっかり防いでいる。

ここのモンスターはランクが上がると魂喰いの頻度が上がるようだ。

コアさんの保護と侵食したダンジョンがなければ、徐々に弱っていったかも知れない。


「シルバーエイプ戦の後ですと物足りないですね。気持ち悪いですが」


「ランク6程度ってこんなものなのね。気持ち悪いけど」


足が4~8本、奇形で這うように突っ込んでくる、嫌悪感が凄い。

ランク6まで育っても体は耐えられないモンスターもいて、勝手に崩壊しかけてる。

鈍足のキメラ、さすがに猫ちゃんも触りたくないようで、不向きな雷撃を飛ばす攻撃で殺してる。


崩壊も自分が壊れるまで進むようで、動けない個体もいた。

これって戦力になるのか?

崩壊で自然と数は調整されていたのか、ランク5~6は少数だ。


「残るは玉座の間ですね。1匹何か居ます」


「ランク6かな? でも、安定してる? 魔力の揺らぎが少ない」


『告。侵食はこれ以上無理です。報告。マスターコアを起点になら侵食可能』


簡単だね。

進んで潰す。

行くよ。


「「はい」」




お、原型を辛うじて保ったキメラだ。

頭4つ、足6本、尾3本、使えそうにない羽10本、ベースは獣系のランク3かな?

魂喰いの攻撃も重い。


しかし、シルバーエイプには格段に劣る。


僕の周りから動くと保護出来ないので動き回れない。

中距離攻撃が主だが、キメラも抵抗するので突進してくる。

多彩な魔法も使ってくる。


全部、僕の防御魔法を突き抜けられないけどね。


小突いていると倒れたので消滅。

後はこっちのダンジョンのマスターコアだけ。

機能はいらないし、消滅させるか。


『告。憑依が気になります。マスターの体を蘇生した場合に使えると予想します。機能のみ取り込むことを進言します』


あー、忘れてた。

自分の元の体ってどうなってるの?


『余剰魔力で再生を試みています。当時、魂のみダンジョンに繋ぎ止め、体はダンジョンに繋がっていませんでした。機能がうまく作用しません。謝罪します』


忘れてたくらいだし良いよ。

出来るようになったら教えて。


『了解。ダンジョンランクが上がる兆候を感じます。詳細。呼称「屑の王様の城」での大量殺戮、ダンジョンマスターの消滅、呼称「妖精の通り道」の作成、これらで兆しを感じました』


我が家のダミーコアはランク9だし、上がっても問題ないね。

さて、ここのダミーコアを殺すか。

コアさん、機能だけで良いよ、性格や情報は絶対に取り込むな。


『了解。制圧開始。行動理念…破壊。思考…破壊。ダンジョン機能以外の排除…完了。制圧…完了。ダミーダンジョン化を終了します』


ここのダンジョン要るかな?


「冒険者が来ていたそうですし、一応使われていたのでは?」


「冒険者の食い扶持じゃないの? うちみたいにモンスターを放っておけば?」


そうだなぁ、使ってみるか。

コアさん、機能は何を獲得した?


『報告。魂喰いの付与、憑依、モンスター指示、が新規に獲得できました。魂喰いは魂ごとの摂取による特性や技能の効率の良い獲得の技能。憑依は魂を別の器に移す機能でマスター限定。モンスター指示は配下ではなくとも下位のモンスターに指示できるダンジョン内限定の機能。後はモンスター召喚です。情報を排除したため召喚できるモンスターは増えません。統合。モンスター召喚の効率上昇。距離が離れていてもモンスターが召喚できるようになりました』


長い。


モンスター指示がダンジョン運営に活きる。

モンスター召喚が召喚部屋を作らなくても良くなった。

今はこれで良いや。


魂喰いは封印。

憑依は使うべき場面が今はない。

あ、ダンジョンって階層減らせる?


『可能』


10階層に減らしておこう。

各階に6個、9階までで54個のランク1の維持管理用ダミーダンジョンを設置。

破壊可能だが壁に偽装して埋めておく。


妖精の通り道から設置した侵食用のランク2ダミーコアを1つ残して回収。

侵食用のダミーコアでダンジョンを再構築し、元魂喰いのダンジョンの側まで妖精の通り道と同じ作りでわき道を伸ばす。

結構近いな。


面積に余裕がある分だけ魂喰いのダンジョン前に広場を作る。

元魂喰いのダンジョンの地下1階へ繋がる門を設置。

門に光の破邪呪文を付与、モンスターは指示で越えないけど見た目重視。


元魂喰いのダンジョンにダミーコア置かなきゃ。

ランク6のダミーコア作っておいて。

材料足りる?


『肯定。作成開始します』


よろしく。


一応、屑の王様に報告しとくか。

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