表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/94

077 ごっこ遊びをしながら妖精の通り道に植樹

「おはよう。道中に変化ないけど大丈夫?」


3日半、ずっと変化が無いからね。

気が狂ってない?


「あぁ。それは仕方がないな。暇ではあるが安全なのだ。これに勝るものは無いだろう」


そっか、安全か。

確かに何も居ないからね。


「まぁ、頑張って帰ってね」


「では、進む」




朝の視察、昼の温泉、楽しく完了。




「これからどうしますか?」


面倒だけど、妖精の通り道に樹を植えとく。

屑の王様の夜営場所は植えてたけど、休憩所は終わらせておきたい。

道には魔石節約して1kmずつ植えとこうかな。


「妖精の通り道を一旦完成させるのね。コアさんと壁画を検討しているのだけど、凝り過ぎると完成の目処がたたないから難しいわ。手は抜きたくないし愛を感じる作品にしたいの」


金髪、不自然な敬語よりそっちの方がいいな。

猫ちゃんも砕けた口調でも良いよ。


「口調が砕ける時は、怒っているか酔っている時ですね。普段はこのままが良いですよ」


個人の自由でいいかな。

さて、孤独に作業するか、お供で遊びながら作業するか。

どっちがいいかな?


「お供します」


「お姉さま。私達で遊ぶのよ。何されるのか分からないまま即答は危険よ」


危険はないよ。

動けなくなったら、移動しながらの植樹作業に支障がでるよ。

せっかくの空間だし、ちょっと開放的な事をしようかなって。


「んー。行こうかな。壁画作りも場所の下見がいるからね」


じゃ、行こうか。




来たのは屑の王様の次の夜営地。

さて、ごっこ遊びをしよう。


「「ごっこ遊び?」」


ジャラジャラ、ゴトリ、パサッ。

じゃん、犯罪奴隷セット!

首輪に付ける鎖に、足枷に付ける鉄球、服は麻袋を裂いたもの。


「はい。着替えますね」


「お、お姉さま? そんなに堂々と着替えるものではないです。犯罪奴隷って物以下の畜生の扱いですよ」


うん、猫ちゃんの脱ぎっぷりと堂に入った姿に…犯罪奴隷っぽくないな。


「お姉さま! 麻袋が服の意味を為してません。これ、袋してないですよね! 麻の布の真ん中に首を通す穴だけ。お姉さま、横から色々見えます」


ちゃんとした犯罪奴隷用だよ。

屑の王様の時に手に入れた物を最適化で綺麗にしただけだよ。

ごっこ遊びでも形から入らないとね!


金髪、帰る?


「うー。着替えるわよ! 付き合うって言ったし…お風呂や寝室で着替えるより…恥ずかしい。囲うものって大切ね。…えっ? …はい、全裸で麻袋ですね。…すーすーするよぅ。うぅ」


犯罪奴隷って危険物を所持できないように裸…じゃちょっと見え過ぎるから麻袋で隠すんだよね。

うん、僕が犯罪者っぽいな。


「金髪ちゃん。お互いに畜生以下ですね」


「お姉さま…。嬉しそうですね」


猫ちゃん、素敵な笑顔だよ。


「ご主人様の所有物…いい響きです。遊びと言っていましたので酷いことされないのが残念です」


「その境地、天使ちゃんに置き換えたらイケます! ですが、天使ちゃんは汚せないので、この姿では前に出れないよ。ご主人様限定です」


2人とも案外と楽しそうだな。

ごっこ遊びだから、からかって遊ぶだけだよ。

じゃ、ゴブリン魔石を植えていこう。


「はい。植えたら良いのですね」


そう。

ちゃんと屈んで足を地面につけて丁寧に植えるんだよ。


「うぅ。この服じゃ動くと見えちゃうよ。ダンジョンだけど広い草原にこの格好は恥ずかしいよぅ」


魔石を植える、ダンジョン機能で樹を召喚、繰り返す…

んー、もう少し大きく出来ないかな?


「天井が高いですよね。3m位で成長が止まる樹ですからちょっと物足りないですね」


魔石だけじゃ駄目なのかな?

死体も入れて召喚…魔力を供給…7m位になったね。

いい感じに横にも広がった、どうかな?


「良いと思いますよ。後は夜に光れば問題は無いですね」


後付けできるかな?

先に植えた魔石のみの樹にゴブリンの魔石無しの死体を置いて…合成でいっか。

お、ちゃんと出来た。


金髪、闇魔法で暗くしてみて。

光るかも。


「了解。はぁーっとと…濃すぎた。ちょっと薄めて…あ、光ってますよ」


やっぱり、周囲が暗くなれば光るんだね。

死体と一緒に召喚したのも、死体を後から合成したのも光ってる。

両方とも襲ってこないし、大丈夫だな。


さて、先ずは1km毎に大樹を育てていこう。

歩くよー、倍速で。

で、首に繋がった鎖で僕を引っ張るんだ!


「はい。馬畜生のように引っ張ります」


「後ろから着いてくるの? うぅ、早いと服がめくれるよぅ。意地悪だ!」


うん、ふりふりと可愛い尻だ。

小道具登場!

こっちは本物じゃないよ、音だけ大きいの、痛くないよ。


そら歩けー。ぱちん! ぱちん!


「きゃ!」


「痛っ! …くない? ビックリしたけど」


音だけ大きい鞭、命中補正とダメージ軽減が付与されてる。

当たるとこんな感じの反応です。

ちょっと楽しい。


にょきにょき、ぱちんぱちん、にょきにょき、ぱちんぱちん…


「うふふ。良いですね、この遊びは。酷いのに優しいです。辱しめなのに他人の目がない、鞭撃ちでも痛くない、ご主人様らしい遊びですね」


「いや、普通に恥ずかしいよ。犯罪奴隷ってこんな扱いだっけ? いや、確かに畜生みたいな扱いっぽい気がするけど、配慮のせいで意味が分からないよ」


僕が楽しい。

それで良いのだ。

さぁ行け! ぱちん! ぱちん!


「はい、行きます! あぁ、歩くのが早すぎると首を絞めてくれます…「ぱちん!」あぁいいですよ。もっと」


「時々、お姉さまを遠くに感じるわ…「ぱちん!」痛っ…はいはいちゃんと歩きますよー。うぅ、すーすーするよぅ」


うん、これなら最後まで楽しく植樹できそうだ。


「えっ? この早さじゃ今日中に終わらないわよ。…いいわよ、ちゃんと付き合いますよ」


「あぁあ、幸せです」


にょきにょき、ぱちんぱちん、にょきにょき、ぱちんぱちん…




屑の王様が終点に着くまで昼の日課にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ