064 王との謁見
城に招かれる? 呼び出される? まぁ、城に行く日だ。
5日も待たされたのでちょくちょく城下町にご飯は食べに行っていた。
ちょっと町を散策、ご飯、ちょっと町を散策。
と、昼の前後に買い物と情報収集を行ったのだ。
街の中で分かった事。
ダンジョンは討伐された…らしい。
国の兵士が総力を挙げて討伐した…らしい。
証拠としてライトニングカイザーの毛皮(下半身)が貴族や有力者にパーティーでお披露目された…らしい。
と、僕の存在は全く出てこなかった。
目立ちたい訳じゃないが、兵士が助長して迷惑と露店の店主が言ってた。
確かに威張ってた。
調子に乗ってて、兵士3人組が僕等をナンパ…初ナンパされた。
着いていったよ。
もちろん細工した。
金髪の爪で、ぷすっ、ぷすっ、ぷすっ、っと呪いをかけた。
呪いは魅了、永続的な精神支配ではなく、一定時間の傀儡だ。
金髪が、
「バンパイアみたいにかっこ良く人を操ってみたかったわ」
何て言うから、
この兵士をあげるから、ダンジョンの配下は要らないな。
って言ってからかったら、
「ふぇっ!? 嫌っ! こんなの要らない! ごめんなさい、天使に逢わせてください。調子に乗りました。ふわぁぁぁん!」
うん。
金髪には過ぎた力だよ。
一時的な魅了の呪いで十分だよ。
で、
ナンパされて、
個室のある食事処で奢らせて、
情報は貰った。
ダンジョンを討伐したのはうちの国の兵士だと。
うちの国の兵力は凄いと対外的に見せるため威張っていたと。
戦争が友好国で起きており士気高揚の為…らしい。
兵士は食事処に置いて帰った。
腹が破裂するほど食べていたことだろう。
お腹いっぱい食べてねって、金髪に言わせて帰ったからね。
まぁ、外部情報はこの程度だ。
録なものじゃなかった、僕等にとっては。
国のためなら効果的なのだろう。
で、城に入ったと思ったら着替えろとメイド数名と男の兵士が見張った部屋にいる。
「恥ずかしいので、出てってください」
「武器の持ち込みは禁じられている。確認の為だ。任務だ」
と、頑固なので、ぷすっ、ぷすっ…っと部屋の人全てに刺してもらった。
「これ便利ね。ご主人様に効くかな…」
やってみるか?
ずさっ!
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
うん、見事な土下座だ。
ちょっとのお仕置きで許してやろう。
配下と目があったら、配下があっかんべーする1日をくれてやろう。
「ぜぇーーーーったいにしないので、勘弁してください! 心が折れる…ます。許して…」
泣きそうなので許してやった。
で、着替える予定のドレスを見る。
うん、衰弱が付与されてる、嫌らしいな。
兵士にこれからを金髪に言ってもらい聞く。
「地下の特別な謁見の間で王との謁見です。特殊な結界に覆われた部屋で指定した者のステータスが一時的に下がります」
そんな部屋で何するの?
「公開処刑を楽しまれるか、隷属するまで痛めつけると思われます」
隷属すると思う?
「魔道具を作らせるかもしれません。ダンジョンが復活するのは伝わっており装備で被害が軽減できたことも知っております」
友好的にならないの?
「友好国の戦争が飛び火した場合、ダンジョン騒動は弱味です。見られたくないと思われます」
よく知ってるね。あなた、何者? このドレスは何?
「暗部の1人です。情報の収集は任務なので知っております。貴女の強さは装備依存だと友好国での情報で調べました。対策です」
もういっか。
金髪、ありがとう。
メイドさん、着るドレスを見せて。
ふむふむ。
最適化っと。
今の装備をドレスに似せたよ。
「「ありがとうございます」」
奴隷セットをどうしよう。
暗部さん、着けていって大丈夫?
「奴隷は待機です。ドレスを着せて別室で見張ります」
なら、猫ちゃん、金髪、ごにょごにょ…っと。
よろしく。
「「はい」」
金髪、暗部さんは僕の言うことを聞くかな?
「ご主人様の言うことを聞きなさい」
「はい」
なら良し。
着替えたし、行きますか。
「案内します」
うん、地下の特別な謁見の間って地下闘技場じゃん。
王様、降りてくる気がないよね。
ここまでの階段が無いから降りられないもんね。
「よく来た。褒美を取らす。受け取れ」
と、強そうな兵士が出てきたが下卑た笑いが顔にこびりついてるよ。
「褒美ですか? 処刑される様に感じますが?」
「理解が早くて良い。死ななかったら、飼うまでだ。片足失ったくらいなら魔道具も作れよう」
うん、僕を舐めすぎだな。
コロリと地面にダミーコアを落として発動。
ランク4だよ、地下1階は最大まで広がるよ、ちょっと時間がかかるけど…5秒くらい。
「じゃ、褒美はここを出て勝手に宝物庫から貰いますね」
と、足元にダミーダンジョンの入り口の穴が開く。
「出来るものなら…」
「僕を舐めるな!」
と、ドレスに偽装した装備を元に戻す。
「っ! わしの言葉を遮るとは、殺せ」
下卑た笑いの兵士が穴を避けつつ近づき…首が落ちる。
「国挙げての驚異を返り討ちにした僕をどう料理するの? これじゃ無理じゃない?」
と、落ちた首を蹴って王に放つ。
バリッ!
王の前の結界で焼け落ち、焦げた肉の香りが漂う。
周りの貴族? が動揺してる。
王は…
「ふん。その穴を掘る魔道具で何をしたが知らんが、数で殺せば良い。ダンジョンなんて数で潰せたのだからな」
王が合図する…が、何も起きない。
うん。仕事が早くて良いよ、猫ちゃん、金髪。