056 戦わない日々(武具屋の営業)
本日1回目の投稿です。
2回目の投稿は12:00予定です。
3回目の投稿は18:00予定です。
よろしくお願いいたします。
ビックリするほど僕の周りは平和だ。
7日に1回乗り越えれば…
人間生活の拠点である武具屋。
人間の欲望と要求は色々と多くて、早々に設定を改訂した。
もっと強いの作れ、複数欲しいって…少数なら突っぱねたが街の方からも流れてきてるので数が多くなった。
のんびりの生活環境の維持はしたいので妥協案で同意した。
関節の部分を作るのは面倒。
なので、全身鎧とか防具でも関節可動なのは持ち込みをそのまま摸倣。
僕の防具を見て、柔らか素材に出来ることもバレて、これも持ち込みを摸倣。
粘土ゴブリン鉄で作る型の手直しは3回まで。
翌日までかかりそうな客もいたので、
「迷惑だ、製作に支障を来す」
等の苦情を他の客の前で言ったら解決。
数は敵であり見方でもある。
品質と数は、コース設定しで解決させた。
星1装備コース。
星1下級ゴブリン鉄(強化ゴブリン鉄1:普通のゴブリン鉄3)を使用。
1人4品まで、金額は据え置きの量り売り。
金銭に余裕がない層がここ。
定番が、片手武器、片手盾、服(鎧下扱い)。
4つ目が、胸当てなどの部分的な防具や予備武器なんかが多いし、金額的に最大数を買わない客もいる。
星2装備コース。
星2下級ゴブリン鉄(強化ゴブリン鉄1:普通のゴブリン鉄2)を使用、比率が上がり性能が上がってる。
1人2品まで、値段は星1の3倍。
このコースから全身鎧を受け付けたが武器と何かが多い。
冒険者で全身鎧を装備してるのは、規格外の超級に居たかな? くらいだ。
全身鎧を買うとか、結構な額になるしね。
星3装備コース。
星3下級ゴブリン鉄(強化ゴブリン鉄1:普通のゴブリン鉄1)を使用、比率がかなり上がり性能が上昇。
1人1品まで、金額も星1の6倍か8倍だ。
金額が2段階なのは付与の有無を選択できること。
客…兵士が煩いから付けた。
あいつら、ギルドに圧迫かけて7人の枠を初回から5つも押さえやがった。
原因は俺…うちのリッチが強くて討伐できないようだ。
光属性の防御魔法を組み込んで欲しいって言われて…
軽めの光の防御魔法を組み込んだ盾を試作して見せたらこうなってしまった。
全身鎧を5つも作らないといけない。
材料が減って困る! …減ってる? …ちょっと減った。
野良ゴブリンってどんだけ生まれるんだろう?
先の性能向上と購入品数上昇は、兵士が発端で冒険者が便乗した結果だ。
最初の受注が次の日に揃ったと思ったらこの調子なので、その2日後に調整した設定はあんな結果になった。
ダンジョン討伐が終わったら、兵士の依頼は受けない。
冒険者に装備が回らないからね。
星3装備の全身鎧の代金は、国から出ているそうだ。
何故に僕には金が回ってこない?
ライトニングカイザーって、リッチの何十倍も強いよ。
まぁ、金持ちだよ。
ゴブリン草原の冒険者から奪った、主に超級な奴等のお財布を減らして生活していた。
ここに来て、元の金額まで回復、今まで使ったお金は確保できたんじゃないかな?
国って金持ちだな。
ダンジョンはとても驚異で投資が必要なのかな?
なら、僕に金払え!
4巡、20セット揃ったところで兵士が突入。
合計50人の大部隊、半壊していたが討伐できたようだ。
星3ゴブリン鉄の全身鎧は、3人しか倒してない。
他の通常装備の兵士を多く殺った。
兵士が焦っていたのには理由がある。
日に1匹、配下の武器なしナイトメアゴーストをリッチの側に置いていったからだ。
20匹を越えたら、越えた数だけ外を徘徊して良いことにした。
ランク3の上限ステータス、純粋な物理はほぼ無効。
結構な闇魔法を操り、透明化による奇襲性もある。
リッチの側にナイトメアゴースト20、おまけにリッチが召喚したゴースト60、計81匹だ。
玉座の間は、ボス部屋の扉はない。
数で押せるが、それだけだ。
魔法の飽和攻撃、怖いよー。
倒されたけどね。
宝部屋は、開けられてる。
基本は空、当たりはランク1魔石で作った使い捨て魔力爆弾だ。
念じて起動、ぶつければ爆発。
一応持ったら使い方が分かるように細工した。
リッチ戦で多少は使われていた。
だって、兵士が独占したからね。
冒険者にと思っていたのに、残念。
4~9階は、ランク1~2のモンスターと、配下の情報から生まれたランク3~6のゴブリン種とゴースト種だけだ。
召喚で生んだゴブリンはランク関係なく装備は普通のゴブリン鉄だった、良かった。
しかし、種類欲しいなと思って我が家を改装。
地下2階に草原エリアを差し込んだ、大聖堂が地下3階、玉座の間が地下4階になった。
素材として、野良モンスターのランク2を1種ずつ召喚して配下に置き育成中。
進化して情報を得たら、金髪のダンジョンに配下を解いた素材を捨て、召喚で数も呼ぶ予定。
金髪のダンジョンのコアは統制はしないが、ダンジョンには縛る技能もあったので活用してる。
次の復活では、雑多なダンジョンの出来上がりだろう。
只今、金髪のダンジョンはゴースト期間中。
5巡目の受け渡しでギルドに行く。
兵士か…もう良いじゃん、リッチ倒せたんでしょ?
「追加だ。作れ」
誰これ? こんな兵士は知らないな。
「お断り」
商品を渡すために、冒険者の元へ…
「武具屋無勢が…調子に乗るな!」
僕を知らないのかな?
周りは…うん、猫ちゃんと金髪以外は見方なし。
受付の痩せたおじさんは…中立かなぁ。
「じゃ、ライトニングカイザーの討伐の報奨を持ってこい。報奨がないから金策してるんだ。鎧を買う前にちゃんと誠意を見せろ!」
「はっ! お前が倒した? 冗談にしても笑えんな」
殺すか。
「来い。証拠を見せてやるよ。怖いのか? 勝ったら作ってやるよ。負けたら国からの一切の命令、お願い、懇願ですら聞かん」
言って、ギルド裏の修練所を指す。
これでバカじゃなきゃ意味は通じるだろう。
「このお前が作った鎧は俺の魔力を使えば、お前の想像を越える強度だ! かすり傷1つつかん。止めとけ」
「交渉すら出来ないのか? バカも極めたら言葉も通じんか」
「よかろう。殺しはしないが3日は動けないと思え」
んー、武器も鎧も身に纏う全てを細切れ、剃れる毛は全部剃ってあげた。
「まだする? 止めれば僕は国の言うこと聞かなくて良いことになるよ。武器が欲しかったら僕以外に依頼してね。敵に塩を送る気はないよ」
「…何故、武具屋をしている? それほど強ければ…」
「国って、僕には報償金くれないじゃん。冒険者じゃ食っていけないよ? まぁ、ダンジョンは低階層しか解放してないから儲けも少ないし。武具売った方が儲かるよ」
さて、兵の武具はもう作らない。
責任はこのハゲだ、僕は知らん。
「ま、待ってく…「ばきっ!」ぐはぁ」
うん、飛び付いてきた…ように感じる。
手を伸ばしてるし、攻撃だよね。
「攻撃の意思を感じた。止めです。峰打ちだから良いでしょう」
ハゲは沈黙した。
武具の受け渡しをしよう。
「受付さん、全ての兵の受注はしないので冒険者を回してください。文句はあのハゲと僕に言え、と言ったら良いですよ」
「わ、分かりました」
のんびり生活の武具屋は8巡目だ。
再開してから52日が経過していた。