053 金髪と(世間的に)合流する
本日1回目の投稿です。
2回目の投稿は12:00予定です。
3回目の投稿は18:00予定です。
よろしくお願いいたします。
「こんにちは。ご苦労様です。何かありますか?」
「おう、こんにちは。いや無いぞ。たまに武具作成の再開を聞きに来ていたが、静養中だと伝えておいた。まずかったか?」
おぉ、門番だ。
僕も偉くなったな。
冗談です。
「いえ、大丈夫です。すみません、なんか門番を頼んでるみたいですね。丁寧な対応、ありがとうございます」
「いや、任務だ。こちらこそ罪人でもないのに見張って悪いと思っている。奴隷も元気になったんだな。良かった。今日はどうした?」
「いえ、流石に食料が尽きて…長期の任務用と思って貯めていた保存食も無くなりました。奴隷も普通に生活するに支障は無くなりましたので買い出しです。あと…」
「ん? どうした?」
「あと…別行動の奴隷もこっちに向かっていると思うのでギルドに伝言をしようと思いまして」
まぁ、別行動だよね?
留守番と言う別行動だ。
「奴隷が別行動…か。珍しいな。町から出るなら一声かけてくれると嬉しいが、まぁ、俺達は鬱陶しいだろうな。気が向いたらでいい。頼む」
「大丈夫ですよ。では、行ってきます」
「こんにちは」
先にギルドに顔出した。
面倒は先に済ますが気分的に楽だ。
「あぁ、いらっしゃい。今日はどうしたんですか?」
「この町に向かってる連れがここを訪れると思うので、伝言をお願いしようと思いまして…出来ます?」
「良いですよ。どのような特徴ですか?」
「んー、奇抜。黒を基調としたドレスに錫杖、成人してますが未成年に見える容姿の金髪の女の子。ですね」
僕の趣味じゃないけど…言い訳が出来ない。
落ち着いた装備を作る…配下がまた犠牲に…。
金髪に八つ当たりしようか、真犯人の猫ちゃんに…
「そんな娘さんが来たらすぐ分かりそうですね。来たらお店を教えたら良いのですか?」
「…あっ、はい。それでお願いします」
思考に落ちていた。
これで仕込みは良いかな?
猫ちゃん、買い物して帰ろうか。
「流石に買いすぎだと思います。穀物は商売単位ですし、他も食べれるの? って何度聞かれたか…」
いいじゃん。
隔離空間なら腐らない。
保存食も買ったからマジックポーチでも怪しまれない
町が証人だよ?
「おかえりなさい。明後日はどうしたら良いの?」
待つのも面倒だな。
明日にするか。
なに、簡単だ、町に入る、ギルド行く、この武具屋に来る。
「外、始めてです。うまく辿り着けるかな?」
始めてのお使いか?
面倒だが、猫ちゃん迎えに行く?
僕は動けない? …と思うよ、兵士さんに言い訳が面倒。
「はい。良いですよ。町の外に出る理由は?」
武具屋の素材集めで偶然合流で。
そのあと、武具屋に来て合流して、ギルドに顔をだそう。
あ、金髪は奴隷セットを外して歩け。
これ、マジックポーチに入れとけばいい。
使い方は片手でポーチに触れ、もう片方で入れたいものに触れて念じれば入る。
…コアさん、勝手に黒基調に改造してるし…最後の1つなのになぁ。
奴隷が首輪してない言い訳は、僕が兵士の前でする。
「わ、分かりました。お手間かけてすみません」
じゃ、今日は飯食って、風呂入って、寝るぞ!
「めし?」
…。
「ふおぉー。食事ってこんなに幸せなのね! お姉さまの料理は天国です!」
はじめて食わせたな。
最近、バタバタして食事忘れてたよ。
早く日常に帰りたい。
普通に風呂入って、普通に寝…金髪どうしよう?
「ご主人様。一緒に寝ましょう。もう怒ってないのでしょ? なら私と同様の扱いが嬉しいです」
同様か…がしゃり、がしゃり。
「あれ? これが普通? お姉さま、鎖で繋がれるのは普通ですか?」
「はい、普通です。ご主人様はさみしがり屋です」
「格差は感じる…ますね。お姉さまはご主人様に、私はベッドにですから」
寝るよ。
強制的に寝たい?
「お、おやすみなさい。ご主人様」
「ご主人様。おやすみなさい。金髪ちゃんもおやすみ」
おやすみ。
案外、挟まれて寝るのも落ち着…く…ぐぅ。
「では、行ってきます」
猫ちゃん、よろしく。
近場狩り場のダミーダンジョンに来たら、金髪と合流で。
ちゃんと出掛けて、ちゃんと門を潜って、ちゃんと門から帰ってくる、面倒だが仕方がない。
「はい、了解しました」
僕は、猫ちゃんの目的地であるダミーダンジョンに配置で移動。
金髪も一緒だ。
周囲に人影無し、金髪は狩りの練習しとけ。
「ランク1ですよ。厳しい…のではないでしょうか? 狩りなんてしたことない…ありません」
だから、練習。
魔力は首輪のダミーコアで回復するから存分に魔法を打て。
ここのはランク1しか湧かないから大丈夫だ。
「うぅ。はい、頑張ります」
地上もダンジョンだ。
死んでも生き返るから存分に殺られても良いぞ!
ランク1モンスターだから一思いには死ねないだろうけどな。
「き、気合い入れて頑張ります!」
3時間、金髪はよくやった。
魔力が回復しても気力が持たなかった。
それでもダンジョンを目指し寄ってきたモンスターに挑む。
結果はモンスターを仕留めきれず、攻撃される。
それを見た他のモンスターも金髪に群がる。
装備のお陰で死んではいないが、ボコボコだ。
声が聞けないのがダンジョン視点の欠点だ。
良い悲鳴だろうに。
あ、運がいいな。
猫ちゃん参戦で瞬殺されるモンスター。
泣きつく金髪。
慰められながら町へ向かって歩き出した。
僕ものんびりと武具屋で待っていよう。
配置で移動っと。
しばし待つ。
行きに3時間かかってるから、3~4時間位かなぁ?
トラブルに巻き込まれなきゃ良いが…
「ご主人様。只今戻りました」