005 モンスターが止まらない
本日3話投稿予定の3話目です。色々と素人で申し訳ございません。
あれから更に5日過ぎた。
夜だけじゃなく昼にもラットが来るようになった。
闇属性だけじゃなく、火、水、風、土、光と6属性コンプだよ。
『貯蔵魔力量によって、より本能を刺激されているのだと推測します』
ライトニングカイザーの親子も大忙しだ。
ラットみたいな小物は無視してるようで、昼でもダンジョンに侵入をしてくる。
ちなみにラットの平均魔力は15程度の収入になる。
『貯蔵魔力量が1,500を越えました』
維持費を考えても良い収入ってか、ラット100匹は殺してるのか。
そりゃ対処に慣れるってもんだ。
最近は小さな迷宮側でも戦ってみた。
入り口は小さくても、中は広くて3m位は幅がある。
迷宮じゃないな、迷路でもない、入り組んでいる道だ。
魔力は1,500を越えた分だけ迷宮(笑)をちゃんとした迷宮にするため拡張中。
ダンジョンのランクを上げたいのもあるが、侵入者を妨害する意図も多少はある。
拡げた分だけ、死後の転移先の環境把握が早くなると言う意図もある。
ついでに行ったのが階層追加。
ただ単純に玉座の間を地下2階に下ろしただけ。
この時、遂に入り口の拡張が始まった。
『入り口の拡張はダンジョンのランクが上がるまで止まりません。言い換えればダンジョンランク2で漸くダンジョンと言える存在になります』
ここからが本番かな?
ダンジョンランクが上がらなくても、ダンジョンの成長と共に僕のステータスも上昇中。
ライトニングカイザーが見逃したと思われるランク2のモンスターが侵入し始めている。
代表的なのはゴブリン。
ランク2の代表格だ。
「案外苦戦するな。ステータス上昇が追い付いていない」
初めてのゴブリンとの戦闘では力負けしてかなりの長期戦を強いられた。
魔力による体力の回復がなかったら、ゴブリンで自爆もあったかもしれない。
現在はやや優勢。
集団戦闘になると数による劣勢が予想されるため、迷宮で戦闘。
挟まれなければ、多くても3匹程度に押さえられるためこの狭さを活用してる。
しっかし、休み無いな。
『小休止を除けば連続50時間は休まれていません』
お陰様でこの身体にも慣れてきた。
腕や足のリーチが短いのが厄介で、何度空振ったやら。
利点もある、小回りと柔軟性がある。
素直に嬉しい。
ダンジョンである利点にも慣れてきた。
戦闘時の視点を、僕の目とダンジョンからの俯瞰視点を同時に感じることもできるようになった。
死角無し、ちょっと格好いい。
ランク2の敵と言えば、獣がモンスター化したような兎や狼やうり坊に猿と…エトセトラ?
案外とバリエーションがある。
ライトニングカイザーみたいなのが跋扈してるとばかり思ってたよ。
数日してもダンジョンの成長が止まらない。
貯蔵魔力の上限を2,000、2,500、3,000と上げて余裕を持たせても直ぐ貯まる。
モンスターパレードだ、嬉しい悲鳴?
『ダンジョンランクが2に上がりました。入り口の大きさが直径150cmで停止。これより高ランクのモンスターも寄り付くと予想されます』
いや、もう無理って。
ステータス上昇がダンジョンの成長に追い付いていない。
ランク3以上が怒濤を組んできた時点で詰む。
あぁ、これは最初に予想していた詰み方だったね。
『ライトニングカイザーがダンジョンに侵入しました』
とうとう我慢の限界を越えたライトニングカイザーが侵入した。
子連れで。
教育なのかな?
未成体が3匹、親の前を歩いて食い散らかしながら進んでくる。
現在のダンジョンの状況はランク2のモンスターが結構いる。
各々のペースで玉座の間を目指しているのだ。
モンスター同士で小競り合いもあるよ。
漁夫の利は美味しいけど、それ以上に僕が相手するモンスターが多い。
現状ではライトニングカイザーが来た時点で詰み。
それまでにいくら稼いで転生するかで転移先での自由度が決まる。
貯蔵魔力も4,000を越えた。
結局、還元していない残飯は、未だに隔離空間で肥やしになってる。
計算してないけど隔離空間を除く総資産10,000魔力くらいでダンジョンランク2になったかな?
『シルバーエイプがダンジョンに侵入しました』
おや?
現実逃避していると変化あり。
この猿、親のライトニングカイザーと同ランク程度。
しかも、爆走中でライトニングカイザーに追い付きそう。
好機!?
いや、未成体3匹で詰んでるから。
理想は大物共倒れしてからの転生だね。
足止めする戦力も無いから、運を天に任せて流れに沿う。
玉座の間でランク2のモンスターを相手しながら待つ。
楽そうに言ったけど、ランク2モンスターを複数相手していっぱいいっぱいです。
…やっぱり死に瀕すると怖いね。
目の前に未成体カイザー3匹、親は猿と階段前で喧嘩中。
僕に出来ることは只一つ。
未成体カイザー3匹が同時に僕に飛びかかる。
運が良いと思いつつ、しっかり引き付けて、両手を突き出す。
手に握るはコアさん、行くよ。
「『自爆』」
ちゅどーん!
仕留めたのは1匹かなぁ、と他人事のように俯瞰的に見ている。
爆発し爆散する僕とコアさん。
薄れた意識にコアさんの声がする。
『生体を排出…完了。転移後転生します』
あぁ、生きてるのは着いてこないのね。
考えてなかったよ。
良かっ…た。
執筆は空いた時間に行っているため不定期ですが、毎日06:00に予約投稿することを目標にします。明日分は出来てます。