048 只今、静養中
本日2回目の投稿です。
次の投稿は明日です。
「ありがとう。ここでいいよ」
「お大事に。必要であれば兵を置いていくので声を掛けてください。失礼します」
兵か…見張りだね。
代表っぽいのは仕事がちゃんと出来るようだ。
勢いで押しきったけど、不審でしかないよね、僕。
さて、我が家で猫ちゃん治そう。
「申し訳ありませんでした。重かったですよね? さすがに動けませんでした。良い案配の瀕死でした」
猫ちゃーん。
「怒ってないんですか? ベッドで抱き付くだけなんて甘いご主人様に戻ったのですか?」
猫ちゃん、猫ちゃん。
「私が生き返ってからでも攻略出来たんじゃないですか? 盾は必要です…ひょ!? いひゃい、いひゃい」
意地悪言う口は、こうしてやる!
みょーん、みょーん。
起きて早々に瀕死にさせた僕に言うことは?
「ご馳走さまです? 愛が痛かったですが、必要だったので良いです。それより、あの娘は何ですか?」
猫ちゃん、強いよね。
それよりって、嫉妬?
一応、蘇生中だけど、あれはあのダンジョンの元マスターで今は成り行きで配下。
「配下ですか? 扱いが全然違いますね。必要以外無視してた気がします。早速殺してましたし、無意味に」
マスターを辞めさせる為だけに配下にしたの。
猫ちゃんを殺した猫を育ててたんだよ!
猫ちゃんが殺せるようにと思って残してたの。
「蘇生が終わったら話をして良いですか? あの娘なら、ご主人様も躊躇わずに盾や使い捨て出来るんじゃないですか?」
猫ちゃんの傍には何も要らない。
猫ちゃん、猫ちゃん、猫ちゃん。
「はい。傍に居ますよ。今のご主人様は甘えん坊ですね。甘え終わったらどうなるだろう?」
分からない。
死んだのは怒ってる…うん、許せてない。
猫ちゃん、抱きついといて言うのも変だけど、逃げた方が良いかもよ?
「んーっと。ご主人様の抱きつきから逃げられませんね。大人しくご主人様の愛を受け入れましょう」
今日はまだ大丈夫。
猫ちゃんが足りない。
もうちょっと、この抱き心地を…味わ…う、寝ちゃ…すぅ。
「お疲れでしたね。おやすみなさい、ご主人様」
猫ちゃんの治療と言う体裁の休息期間。
諸々の用事をこなしていく。
落ち着かないと外出できないからね。
戦争は変わらず継続中。
4日周期で、両軍の代表が何かを確認、準備、数時間の戦闘、戦利品の回収と片付け、を繰り返してる。
戦利品の回収と片付けは、我が家が手伝ってるけどね。
ちゃんと流れを理解してからは、戦闘の翌日の昼以降に回収してるよ。
死体は魔力に還元、魂はダミーコア作成、武具やその他のごみは隔離空間の肥やしか魔力に還元。
戦争を続けてくれた方が僕には得だからね。
配下を放ちたい衝動はあるけど、無闇に敵を作るのは下策だと思うんだ。
金髪のダンジョン攻略の後始末も終わってないからね。
猫ちゃんの回復もまだだ、蘇生を早めたからステータスが回復していない。
金髪のダンジョンはゴースト期間。
リッチ4匹がゴーストの召喚を、維持管理用のダミーダンジョンからしてる。
1匹ずつゆっくり召喚してもらってる。
のんびり召喚しても4匹いるからそこそこの数になる。
ゴーストは透明と闇魔法の気配遮断で所定の階層に移動。
階層の中央付近に着いたら透明を解除で任意に攻撃させる。
急に現れるゴーストに兵が落ち着いて応戦してる。
残りの1匹のレイスは首都のボロ屋敷のダミーダンジョンからゴーストを召喚してる。
猫ちゃんと寝て起きたら気になったので、夜に首都に向かい、城壁を乗り越えて侵入。
こそっと帰ってボロ屋敷の地下にダミーダンジョンを作っておいた。
ボロ屋敷には侵入者なし。
まぁ好んで盗みにはいるような場所ではないな。
でも、ゴースト屋敷は維持。
ダンジョン機能の吸魂が出来るようになったので首都のダミーダンジョンを改装。
ダミーコアのランク4と奮発したのを付けて、地下1階を拡張。
首都の中心、屋敷から北東にある城の方向に10単位×5単位(40m×20m)の横長のボス部屋と樹を植えた広場を交互に繋いで幅40mの太い直線を伸ばす。
ダンジョンの中心が城の上になるほど伸ばして終了。
吸魂はダンジョンの中心に魂を集めるので、首都の中央の城がダンジョンの中心になるようにした。
これで首都で死んだ魂は回収できる、どのくらい集まるか知らないが人間が多いのだ多少は回収できるだろう。
リッチが不足していると感じていたが追加する手段ができた。
金髪のダンジョンの機能、モンスター召喚だ。
モンスター情報で召喚できるものが決まるようで、金髪のコアを破壊したから、召喚できるのはうちの配下と同種の下位だけだ。
検証した結果、リッチを召喚するよりレイスから育てた方が魔力の消費が少ない。
今は、我が家でレイスを25匹ほど育成中だ。
肉体を得て、それからステータス上昇なので先は少し長い。
モンスター召喚の種類が少ない。
金髪のダンジョンが復活したら召喚するモンスターの種類が欲しい。
増えたダミーダンジョンに襲いに来るモンスターは結構種類が多い。
地上部ダンジョン化があるので、ダミーダンジョンに入れなくても直ぐにモンスターと遭遇できる。
軽くボコって配下に、情報をもらう、配下解除で野に返す。
種類は確保できたぜ!
ざっくりこんな状況の7日間を過ごしてる。
「ご主人様? 基本的に首都に行ったのとダミーダンジョン巡り以外はベッドで過ごしてますよね? 玉座にすら座ってないですよね? 私はいつまでこうしてたら良いですか?」
猫ちゃん、居なくなる、怖い。
まだ、無理、もうちょっと、繋いでおく。
僕、ここにいれば、猫ちゃん、独り占め。
「何度も謝ってますが、謝るのも飽きました。せめて服着せてください、ね。お願いご主人様」
人肌、暖かい、生きてる、感じる。
服、邪魔。
ちょっと、寝る、猫ちゃんの、声、聞いたまま、寝る。
「ま、またですか? はい、尻尾。うぅ、いくらたっても尻尾は弱いままです。手加減してくださいね」
スライム魔道具(振動と放電)、装着、おやすみ、猫ちゃん。
「あっ! おやっ、すみぃ、なさぁ、いぃ! んっ、あっ!…」
猫ちゃん、声、いいなぁ…