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043 他所様のダンジョンに狩りに行く

本日2回目の投稿です。


3回目の投稿は18:00予定です。


よろしくお願いいたします。

我が家(ダンジョン)に7日も籠ってしまった。

半分は、猫ちゃんへの説得(物理)の時間。

半分は、猫ちゃんに逆に諭され、猫ちゃんに癒してっもらってた。


僕は変わった。

人ではなく、ダンジョンマスターという存在に。

心まで変わっていくとは思わなかった。


最初の違和感は、僕の手足とも言えるダンジョンで人間を殺しても動じない事。

人間を殺めて罪悪感を感じるどころか、魔力が増えて嬉しいなどと思っていた事。

むしろ、誘い込むには…なんて考えている時もあった。


人間の欲求が薄いのは魔力供給のせいだと思っていたが、これも心と体の変化のせいなのだろう。


最近とてもショックを受けたのは、元の体の存在を忘れていた事。

本来の体を心配できる余裕ができたのに全く思い出せなかった。

この体も、元の体も、ダンジョンに比べれば些細なことのように思えるのだ。


欲求が薄いと思っていたが、ダンジョンに関する事には意欲が湧く。

支配欲求も強くなってる。

1番の被害者は猫ちゃんだ。


物理的に説得して遠ざけようとしたけど、


「ご主人様が壊れるまで…いえ、壊れても傍に居ますよ。優しい愛しのご主人様」


と、逆に受け入れて、僕が壊れていってるのを理解して傍に居るって諭された。


猫ちゃんを壊したくないけど、いつか僕の手で壊しそう。

怖いけど、猫ちゃんは壊される事を容認してる。

歯止めが聞かなくなるから、止めてほしいのに…一緒に壊れそうだ。


いつか引き際は考えないといけないな。




「ご主人様、他所様のダンジョンに行きますか?」


最近、猫ちゃんが僕を呼ぶのにご主人様で定着した。

マスターと呼ぶ通常時と、ご主人様と呼ぶ奴隷スタイルの時、使い分けようとして色々ぶれてた。

今は、()()()()()()()()()()()()に仕える様に振る舞う事にしたようだ。


他所様のダンジョンかぁ。

行かないといけないな。

あれも獲物だと認識してるからね。


「大丈夫です。私が守ります」


ありがとう。

でも、死なないようにしてね。


「努力はします」


お願いね。


「大丈夫。心配しないで。ご主人様は、いつまでも優しいご主人様ですよ」


努力はします。


「ふふ。ではご主人様、行きましょう」


だね。

他所様のダンジョンを潰すために先ずは様子見だ。

ついでにランク3モンスターを倒して、中級冒険者を目指しますか。




侵食攻撃してるダミーダンジョンに配置で移動、徒歩で正面から入る。

広い草原の地下3階までは、入口から続く螺旋階段を降りれば良いだけ。

先ずは地下4階を目指そう。


地下3階の草原に草を踏みしめただけの小道がある。

まっすぐ行けば地下4階への階段だ。

狩りをしている冒険者を邪魔しないよう、時々襲ってくる低ランクモンスターを倒しつつ暫し進むと階段があった。


「地下4階は初めてですね。このダンジョンに来るのも2回目ですけどね」


猫ちゃんの笑顔に癒されて階段を降りる。




地下4階の広さは上の階と比べるとかなり狭くなった。

その狭くなったフロアに冒険者は結構いる。

ランク3が出ると言っても少ないのだろう、我先にと冒険者が湧いた端から襲いかかってるようだ。


「中級冒険者への道程は遠いですね」


ランク3を安定して討伐できれば条件クリアだ。

基準は曖昧、何匹とかは聞いても教えてはもらえなかった。

中級冒険者の数でも調整してるのかな?


冒険者が多くて移動の少ない固定狩り状態だ。

一組のパーティがランク3を倒したが、消耗したのか帰るようだ。

空いた空間に僕と猫ちゃんが陣取った。




陣取って2時間位たった。

ランク2のモンスターが多く、稀にランク3が出る、それがこの地下4階の特徴。

稀なのでランク3との交戦はまだ無い。


長閑(のどか)? ですね」


モンスターが出る場所で長閑はないな。

しかし、今更ランク2では相手にならない。

緊張が解けてしまうのも無理無いかもしれない。


ここのモンスターは外と違う。

倒せば消える、残るのは魔石のみ。

解体の時間すら必要ないのだ。


慣れた冒険者達のパーティは交代で昼を食べてる。

僕等も飯にするか。

出来合いの物があったので猫ちゃんと食べる。


「んぐっ。美味しいですね。そういえば、ここのモンスターって外に出れるのですか?」


と、焼肉を挟んだパンを食べつつ猫ちゃんが聞いてくる。

確かに。生物というより魔力が形を持ってるって感じだ。

戦ったことがあるモンスターでも、ちょっと弱いし柔らかい。


『ここのモンスターの生態は、魔力で生まれ、一定期間の成長を経て肉体を得ると考えられます。成長してない個体はダンジョン外で一定時間しか存在できないと推測します』


あれ? そのやり方で我が(ダンジョン)もモンスター増やせる?

なら、モンスター蔓延るダンジョンになるんだけど…


『否定。その機能がありません』


そうだよねー。

出来るならコアさん黙ってないよね。


「モンスターの氾濫って、モンスターが成長しないと規模小さいんだね。討伐は理にかなってるのか」


んー。

表面だけ見ればね。

下層で狩りしてる冒険者がどのくらい居るやら?


『警告。侵食攻撃に抵抗を感じます。地下4階の一部まで押し返されました』


他所様のダンジョンも抵抗してる…か。

このタイミングは狙ってたかな?

狙うだろうね。


「レイス? いや、リッチが10匹、現れました!」


さて、何処まで抵抗をするかな?

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