041 他所様のダンジョンに遊びに行く前に
本日2回目の投稿です。
「これが注文さてた両手剣と片手剣、それにカイトシールドです」
「「「おぉ」」」
「聞いていたが、値段以上だ。武具に耐えれる魔道具になると高級品だからな。上を見ればきりがないが耐久性と性能、両方とも十分な出来だ。武器なんて消耗品だが、これなら長く使えるな」
「専用の修繕魔道具です。研ぐように使うと武具の修繕が出来ます。修理魔道具は欠けていきますのでご了承を」
四角い塊を9個。
1人3個まで、専用なので購入者のみ、別途支払いで配るようにした。
型を記憶し、埋めるように癒着する、修繕前よりは劣化する欠点あり、そんな砥石型魔道具。
最初の若い冒険者が、欠けてしまったと泣きついたので作った。
常駐しない、商売ではない、自分で手入れ出来るように、無くなったら寿命だ、と言って売った。
僕が身動き出来なくなるのは嫌だ。
「あぁ、追加で頼んで正解だったな。これは長く使いたい。ありがとう」
「修繕魔道具がなくなる頃は、武具も寿命ですのでご注意を。こちらこそ、ありがとうございました」
これで、10回目が完了。
一旦、冒険者だから冒険すると言って逆依頼は下げた。
あっちの街で噂になった頃で、こっちの冒険者ギルドに問い合わせがあったようだが、知らない。
さっと戻って、我が家へ。
大量素材事件から徐々に復帰しつつある配下達。
予備戦力として、配下ゴブリン12匹、リッチ1匹だけ装備は更新してる。
不満があるとすれば、リッチが足りない事。
「あのダンジョンを攻略する前に探しに行きますか?」
いや、リッチや進化前のレイスは、自然発生するタイプじゃ無いと思うよ。
『肯定。強者の、特に人間の強い怨念が溜まって発生すると推測します。戦場跡地でよく発生しています』
僕の移動範囲には、そんな都合の良い場所はもうない。
古戦場跡は、ほぼ自然発生のゴーストしかいなくなった。
それに、求めてるのは、ただ単に装備にしたいから。
「あぁ、ロードさんと同じランクなら6匹分は装備できるのですよね」
試行錯誤した結果は、ランク=装備の材料数だ。
それ以下は、勿体ない。
それ以上は、負荷が強くて逆に弱くなる。
リッチには首都のボロ屋敷にゴーストを放つ仕事があるんだよ。
リッチになって、ゴースト召喚数が倍の60匹になった。
1匹無事なら、ゴースト屋敷と言えると思う程は召喚できる。
地道に回数をこなすか。
あぁ、リッチは60匹を従える事が出来るんだった。
配下ゴーストを増やすの忘れてたよ。
猫ちゃん、ちょっと付き合って。
「ゴーストを瀕死にしたら良いのですよね。手加減できるかな?」
猫ちゃん、ランク6の上限ステータスだもんね。
力の強弱の練習に良いかもね。
早速、集めにいこう。
「分かりました」
結果は追加150匹集まった。
猫ちゃん、手加減が上手くなったが仕留めたのも多くて時間食った。
仕留めた数だけ、耐久訓練する?
「はい! お仕置きですね!」
喜ばないで!
「いつから他所様のダンジョンにお邪魔するのですか?」
ゴーストを追加した次の日、気になるのか猫ちゃんが聞いてくる。
新調した装備も馴染んできたし、地下4階まで侵食は進んだ。
地下4階なら良いかなぁ?
「私も装備は馴染んできたので、実戦で試したいですね」
猫ちゃんも好戦的だよね。
話ではランク3が少しらしいから、ランク6で上限ステータスの猫ちゃんの敵は居るかなぁ?
「ダンジョンに意思があるなら、油断は禁物です。マスターなら維持悪いことするでしょ?」
するね。
「私が守ります! 何があっても!」
奥にはライトニングカイザーが居るだろう。
侵食で有利な状況下でないと、正面からじゃ危ない。
あれは強い、未成体とは言え自爆で殺せたのも奇跡に近いだろう。
超級の冒険者のパーティでも、死者必須とかどうなの?
あの規格外冒険者に個別になら勝てるようにはなった気がする。
装備もステータスも良くなったので、その程度には近づいたと思う。
でも、何か猫ちゃんに違和感を感じる。
どしたの?
「いえ、奴隷として、配下として、マスターの前で戦う覚悟を決めたのです」
んー、躾したい。
猫ちゃんが死ぬと、僕の心の安定が壊れそう。
猫ちゃんは僕以上に死んではいけないのだよ、僕の為に。
「命令ですか?」
命令なら聞く?
「マスターの為に動きます。マスターの意に反しても。私の心は自由なのですよね?」
うん。ちょっとは心を縛ろう。
僕より先に死にませんって言わせよう。
じゃ、我が家行こうか。
「え? あれ? 何をされるのですか? 格好いい感じの躾のなった奴隷ですよー。ご主人様の為に死にますって。駄目なの?」
上目使いで可愛く迫っても、駄目。
帰るよ。
「今日はそんな気分じゃないなー。ゆ、許して」
次の投稿は明日です。