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036 国境を越える

本日1回目の投稿です。


2回目の投稿は18:00予定です。


よろしくお願いいたします。

徒歩7日の距離に12日かかった。

国境らしい。

今、入国審査(?)の列に並んでるところ。


「長いですね。1時間で半分くらいじゃないですか?」


そうなんだよね。

暇なんだけど、いつもの暇潰しが出来ない。

猫ちゃん、弄るとダンジョン帰った時の反応が予想できないのだ。


耐久訓練を迫られるか、料理にワインを仕込むか、もしくは新しい何かを試みるか。

旅をしないで、ダンジョンで色々目覚めた猫ちゃんの相手をさせられた日もある。

ちょっと最近の猫ちゃんが分からない。


まぁ、僕も分からない心境と行動をとることがあるけどね。

猫ちゃん椅子、ちょっと自重しないといけないな。

アレはヤバイものに目覚めた僕なんだろうな。

勢い怖い。


ちょっと控えめに猫ちゃんと戯れながら待つこと2時間弱。

ようやく順番が回ってきた。


「身分証を見せろ」


「「どうぞ」」


「奴隷も含めて冒険者か。何用だ?」


兵士は問い質しながら、冒険者カードを何やら魔道具にかざしている。


「活動拠点を移そうと思い、下見と観光です」


本当の拠点は死なないと移動しないけどね。


「ん? あぁ、お前に冒険者ギルドから出頭の願いが届いてるぞ。街に入ったら行け。通って良いぞ」


「「ありがとうございます」」


行かないけどね。

面倒な。




この街は2つの国の流通拠点でもあるようだ。

露店に置いてあった海の魚、加工してあるとは言え初めて見た。

他にも色々あるんだろうな。


僕も猫ちゃんも魚は料理したことないから、魚の看板の定食屋に入った。

うん、はじめての味だ。

ここまで届くのは加工した魚だけなんだろう、塩が濃い。


調理は想像つかなかったので諦めた。

先の町や村で覚えることが出来たら買おう。

じゃないと、隔離空間で肥やしになってしまう。


思った以上に入るのに時間を食ったから、宿をろうと相談すると、


「宿でマッサージして良いですか?」


と、小悪魔的な笑みで返してきた。

猫ちゃんはどこに向かっているのだろうか?

あれは声が出るから、聞かれたくないな…あぁそれを狙ってるのか。


「直ぐに街を出よう。走ればダミーダンジョン候補地は見付かるんじゃないかな」


「…はい」


待たずに出れた。

昼を回って出ると野宿確定だから少ないんだろう。

入国審査を通ってるから、出る時は確認は甘いんだね。


夕方には良い場所見つけられた。

ダミーダンジョンを作って帰宅。


お風呂で獣人化の耐久訓練とマッサージ魔道具の耐水実験を行った。

施行回数が多い方が良いだろうと、3個追加しておいた。

1時間で逆上せて伸びた猫ちゃんが出来上がったので耐久訓練は終了した。

耐水性に問題無しっと。


お布団で伸びた猫ちゃんを抱き枕にして寝る。

ちょっとビクンって動く猫ちゃんだけど気にしない。

おやすみなさい。




おはようございます。

朝には出発。


昼飯食べただけの国境の街だったが、気にせずに進む。

猫ちゃんが気配察知の猫耳を生やす度に、ビクンってするけど気にせずに進む。

初めてオークも見たけど、ちょっと愛せないので仲間入りはさせなかった。

ダミーダンジョン追加っと。


少しはあの国とは違う雰囲気になったけど、こっちの国の特徴ってまだ分からない。

モンスターの生息分布や植物の変化は緩やかに感じていたけど、それだけだ。

旅ってもっとときめくかと思ったのにな。

毎日、我が家に帰るからかな?


そういえば、こっちの国ですることがあったんだ。

次の街でちゃんとやっておこう。




次の日の昼前に町に到着。

印象は特にない、普通の町。

ここでも冒険者ギルドはある。


「こんにちは」


と、静かに入ってみる。

あっちじゃないから大人しくするよ。

さて、こっち用のギルドカード作っておこう。


「拠点変更ですね。手続きします。少々お待ちください」


受付の痩せたおじさんに丁寧に接客される。

おぉ、あっちの受付のお姉さんはポンコツだったからちょっと嬉しい対応。


「…ランク2…ランク3、討伐されてますね。規定で数が分からないですが、ランク3を安定して狩れるなら中級を目指せますよ」


お国の事情は国境を無闇に超えない。

ギルドの討伐記録は国を跨ぐと読めないらしい。

だから、細かい事情は伝わらないのだ。

ランクの高いモンスターに国は襲われてますよ、って伝えたくないよね。


「まぁ、中級になるには信頼もいるので、依頼をこなして実績を積まないといけません」


ほう、実績を積めば中級になれるのか。

まずは戦力を示さないとな。

ランク3なんてゴロゴロ居ないだろうに、面倒かな?


「この町と隣の街の間にダンジョンがあります。隣の街の方がダンジョンに近いので冒険者は拠点をあちらに置いてる方々が多いですね。モンスターには困らないんですよ。氾濫の恐れがあるので討伐を推奨しています」


面倒じゃない!?

しかし、よくしゃべる受付だな。

もしかして、中級になってね、こっちの町でって感じかな?


「あちらの街を拠点にしている冒険者が多いので、こちらのギルドは成績が芳しくなくて…よければこちらを拠点に活動をと、簡単に言えば勧誘ですね」


推測が当たってしまった。

他所様のダンジョンって初めてだな。

興味あり、猫ちゃんは…反応よし。


「分かりました。あちらとこちら、空き家取得に楽なのはどっちですか? 実績も積みたいので、武具の作成の逆依頼で貢献しようかと思ってます」


「あぁ、それならあちらに越した武具屋の空き店舗がありますよ。あちらの事情は分かりませんが、交易の交差点なので実績が伴わないと貸してはくれないかもしれません」


「良いですね。賃貸や購入の相談は商業ギルドですか?」


「少量の物件は冒険者ギルドでも委託を受けており、その一つの物件が今の武具屋です。狭い街なのでギルド同士助け合っています」


「先にダンジョンを覗いて、良い狩り場なら検討します」


先ずは他所様のダンジョンを拝見しなきゃね。

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