026 初めて冒険者に絡まれた
本日1回目の投稿です。
2回目の投稿は18:00予定です。
よろしくお願いいたします。
初めての依頼を終えた翌日の朝。
「猫ちゃん、餌に群がるゴブリンを狩りに行くよー」
「餌? あぁダミーダンジョンもモンスターに狙われるんですか?」
『マスターやマスターコア程は狙われません。ダミーコアはマスターコアの分体のため、寄り付きやすくはなります』
って事で、ダミーダンジョンに配置で移動。
朝の運動を猫ちゃんにしてもらう。
僕? 野良ゴブリンはお腹一杯です。
予想よりは少ないけど20匹は居た。
ダミーコアを量産するための日課として、朝昼夕と3回来る予定だ。
出来上がったら、ダミーダンジョンを増やしていく。
分散貯蓄したいからね。
朝の日課後は、ボロ屋敷に手を入れることにした。
一気に綺麗にしたいけど、ダンジョンの外なので最適化の範囲が狭い。
家具も何もないから取り敢えず内装を綺麗にしていく。
急いでないのでのんびり。
外装は、最適化が人に見られる可能性があるので放置。
基礎がしっかりしてるから見た目に目を瞑れば問題ない。
昼の日課後もボロ屋敷の修理。
案外面倒だ。
3時くらいから猫ちゃんと外出。
今日は昨日のと混ぜて約50のゴブリン耳を用意した。
昨日の残りは狩りしない時用に隔離空間に入れておいた。
本部の方が近いので寄ってみたら、ここでも処理してくれるとの事。
本部の方が近いので、処理が出来るのはありがたい。
ここで依頼受注と終了処理を同時に行ってもらう。
「猫さん、ゴブリン討伐数が凄いことになってます! お嬢さんはリーダーを倒せるんですね! 戦闘力測定での強さじゃここまでの数は…その装備に秘密があるんですか?」
あぁ、昨日突っ込まれなかったから油断してた。
冒険者カードって討伐数が記録されるんだった。
あー、どうしよう。
「いい装備だって? そりゃ興味あるな。見せてくれ!」
あ、絡まれた。
受付のお姉さんを睨むと「ゴメンね」って…
嫌がらせに隔離空間にあったゴブリンの右耳を全部カウンターに山積みにしといた。
「えっ、ちょっと、数が…」
お姉さんは無視。
このゴツい冒険者をどうするか…
「これは見せれません。予備ならいいですよ」
と、強化ゴブリン鉄(白銀色)を1つだけ混ぜた、猫ちゃんの武器適正を確認するためだけに作った人間用の両手剣。
材料にゴブリン鉄が一杯あるため作ったが、ただのゴブリン鉄じゃ強度が無かった。
そして出来た各種武器の一つ。
武器適正を見るためだったから、威力より使いやすさと耐久力を上げただけの単純設計。
強化ゴブリン鉄1に普通のゴブリン鉄3だから、微妙な品だけ…ど?
「おぉ、こりゃいいな。ただの両手剣じゃない。魔力の通りが良い。魔道具になってる代物だ。売ってくれ!」
えー。
更に面倒になった。
猫ちゃーん。
「マスターが作ったものですし、好きにすれば良いと思いますよ」
猫ちゃんまで爆弾投下…だ…と!?
「何!? 作れるのか? 俺は片手剣が主体なんだ。片手剣を打ってくれ!」
「なんだと!? じゃ、俺も!」
俺も、俺も、俺も…
収拾がつかん!
「お姉さんが原因です! 解決策を提示してください!」
今は猫ちゃんが何とか防波堤になってくれている。
決壊する前に何か案を!
必死に耳を数える受付のお姉さんに振ってみる。
「作ったらいいじゃないですか!」
「じゃ、受付はこのお姉さんで。先着順。1人1つまで。7日で5人処理します。家はゴーストで有名なボロ屋敷です。ギルドに逆依頼を出すので受けてください。じゃないと作らん! 明日の9時に顔を出す! 受付を受理した人はギルドに来るように! 来なきゃ作らん!」
「えっ?」
猫ちゃんを引っ張って受付から離脱。
殺到するムサイ男ども。
ゴブリンの右耳と男どもに埋もれるお姉さん。
「ちょっ! アーッ! 助け…」
「カードとお金は明日貰いますね。じゃ」
「待って! まってー!」
猫ちゃんとギルドを離脱。
相場が分からないので、武具屋に移動。
武具屋が近くに何件かあるのは知ってる。
その一件に例の剣が飾ってある。
ソードマン(蘇生済)の遺品の両手剣が。
「すみません。この緑の剣をください」
「それは非売品じゃ。もう手に入らんからの」
「んー。じゃ、売ってた時の金額は?」
「あの時はこのくらいじゃったが、今は3倍でも売らん。使い手を選ばない良いバランスじゃから、ワシが参考にしとるんじゃ」
「仕方がないですね。諦めます。失礼します」
値段の基準は分かった。
あとは、下準備かな?
個人に合わす武器かぁ。
猫ちゃんに使ったあれを使おう。
で、飯食って、帰って、猫ちゃんと戯れながら風呂を済まし、猫ちゃんと一緒に寝る。
「マスターコアさんにお願いして個室用意できないかなぁ?」
無理だよー。
『検討します。マスターは節度が欠けてきました』
何…だ…と!?
翌朝です、おはよう。
昨日の今日では猫ちゃんは僕のベッドで寝るしかないので一緒。
猫ちゃんの寝床は僕の隣だ!
「!? 急な寒気が!? あ、マスターおはようございます」
じゃ、昨日の夕方は狩れなかったから、朝はちゃんと狩ろう。
日課のゴブリンを狩って、ダミーコアの育成。
カードを預けたままだから、討伐数は増えてない。
死体はそのまま隔離空間に収納。
「大分慣れて楽になりました」
猫ちゃん、ランク3に近づいてるからね。
そのうち、鼻唄混じりでゴブリン狩れるようになるよ。
昨日と合わせて80位か、後4日はかかるかな?
我がダンジョンに戻ってちょっと休憩。
「…飽きないですか?」
猫ちゃん抱き心地良いよー。
全く飽きません!
さて、面倒臭いけど冒険者ギルドへ行くか。