025 ダミーダンジョンを作ろう
本日2回目の投稿です。
「ゴブリンも、もう沢山狩ったし、一仕事してから帰ろうか」
「ゴブリン狩りが仕事じゃないんですか?」
それはついでだよ。
本来の目的は…
『ダミーコアの設置に問題はありません』
よし、ダミーダンジョンを作ろう。
ダミーコアを地面に植えて、魔力供給すれば…
「穴…ですか? 人が入れるとは思えない大きさですけど…」
「元々、我がダンジョンも入り口小さかったんだよ。育ったからあんなに大きくなったんだけどね。このダミーダンジョンは育てないよ。試験的運用?」
程よく町に近くて、程よく人が寄り付かない場所、不人気のゴブリンの生息地は最初の候補地には良いと思うんだ。
我がダンジョンは、転生した後に何処に行くか分からない。
だから、利便性の良い場所にダミーダンジョンを用意しておこうと思ったんだ。
後ろ向きな考えだけど、何が起こるか分からないからね。
利点その1…我がダンジョンを本体とするなら、ダミーダンジョンは分身。
配置で移動可能なのだ。
利点その2…魔力を分割して貯蔵出来る。
我がダンジョンが魔力枯渇の状況に陥った場合、早期の補給が可能になる。
利点その3…我がダンジョンの貯蔵魔力が多すぎると狙われやすいから、分割貯蔵する。
ここのダミーダンジョンが最初であって、他にも必要なだけ作る予定だ。
総貯蔵魔力量は多いが、一点集中していない、そんな状況を作りたい。
以上が、ダミーダンジョンを作る理由だよ。
「へー。マスターってちゃんと考えて生きているんですね。私が居ると、最近いっつもポンコツになってるので、綺麗なダンジョンマスターな姿が珍しいです」
「…泣いて良い? 猫ちゃんが居てくれて最近幸せなんだよ。いいじゃん、幸せを謳歌してもさ。だから、傷付いた心を慰めてー」
「はぁ、はいはい。よしよし。マスターハスゴイデスネー」
「えへへ。投げやりだけど猫ちゃんが慰めてくれるー。幸せー」
じゃ、ダミーダンジョンに入ろうか。
意図的に入り口を大きくして、入ったら最小にした。
出来立てダミーダンジョンは小さな迷宮とダミーコアがある部屋だけ。
玉座は無い。
さて、ちょっと改装しとこう。
入り口階段を降りたら、即、ボス部屋への扉。
入ったらドーナツ型のボス部屋の真ん中に出る。
入り口階段は、ドーナツの穴の位置だ。
ボス部屋は直径30mの円形だ。
我がダンジョンのボス部屋3つ分くらいかな。
ボス部屋なので出口もある、ダミーコアがある部屋に直結だ。
このくらいの広さで、貯蔵魔力の上限を2,000にしとけばダンジョンランク1を維持できる。
ボスは日替わりの持ち回りで配下ゴブリン1。
一応ジェネラルを呼んで、貯蔵魔力を2,000にしたけど、入り口は広がらなかった。
ダミーコアの貯蔵魔力を200だけ残して、コアさんに戻した。
問題無いね。
地上部に移動。
さっき殺ったゴブリン魔石を使って、樹を召喚しておく。
50本あれば良いかな?
今回は開けた場所だったので、魔石埋めて、樹を召喚して、育てて、配下を解く、を繰り返して植えといた。
思い付きで、元々生えてる樹に魔石を埋めて召喚したら、ちゃんと変質して、モンスター成分のある樹になった。
今度からは森の中にダミーダンジョンを作ろう。
樹を配置するのが少しだけ楽になる。
ダミーダンジョンに貯蔵魔力が2,000まで貯めるように設定して終わり。
街からは門を潜って出たから、一応、歩いて帰る。
日が落ちる前には帰れる時間だしね。
「換金お願いします」
「はいどうぞ。先ずはカードを預かります。ゴブリンの討伐依頼ですね。討伐部位はここに出してください」
門の近くの冒険者ギルド(支所?)に依頼報告で寄った。
右耳だけを入れたアイテム袋から、無造作に取り出す。
様子見で100位だしてみた。
「…多いですね。不人気で生息数が多いことは予測できますが、狩るのが大変だったでしょう」
「僕達はゴブリン狩りは得意なんです。今回は群れをよく見かけたので、効率良く狩ることが出来ました」
「数えますので、少々時間をいただきます」
全部出さなくて良かった。
今度から50位にしよう。
これからも狩るからね。
「お待たせしました。全部で126ですね。今回の報酬になります。魔石は売られないのですか?」
「ちょっと使う予定があるので、今回は売りません」
「何時でも買い取りますので、その時はよろしくお願いします」
まぁ、使い道が多いから売る気はないな。
「質問なのですが、常時依頼なら事後処理出来ますか?」
「大丈夫です。本部ではなくこちらででも処理出来ますので、直接来てもらっていいですよ」
よし、面倒事が減った。
夕方にここに来れば良いだけだ。
時間は有効に使わないとね。
「分かりました。ありがとうございました。猫ちゃん、行こ」
「はい。失礼します」
さて、昼飯食いそびれたから、夕飯食って帰ろう。
「いーやーだー! 一緒にお風呂はいるー! 僕、ご主人ですよ!」
「こんな時だけご主人なんて言うのは、卑怯です! 今日は酷い目にあったんですから反省してください!」
「愛の鞭なのにー。そんなこと言うと、ものすっっごく大切に扱うよ」
「…うぅ。それはそれで人前に出れない事になりそうです。じゃ、一緒には入りますから、お風呂での抱きつきは禁止です! これで妥協してください!」
一緒にお風呂に入って、なんだかんだで猫ちゃん甘い。
お風呂で許してくれた。
僕、とっても幸せ。
明日も頑張れる。
頑張ろ。
次の投稿は明日の06:00です。