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転生して転移するダンジョン 僕の行き先はどこだろう?  作者: 山葵田萬十郎
首都 出会いとダンジョン外活動編
21/94

021 奴隷少女に告白した

本日2回目の投稿です。

「あの…助けて…くれて…ありがとう…ございます? これから…私は…何をされるのですか?」


まだ、少女を事故物件な今日から我が家の屋敷に連れ込んだだけだ。

家具も何もない。

小さめのホールにただ2人で立ってるだけ。


「分からない! 僕は貴女が欲しくて手に入れた! それだけだ! 一緒に居て欲しいと思ったんだ! 手段が選べなかったから奴隷になってるけど、望めば直ぐにでも解除してもいい! 僕と一緒に居てください!」


自分で言っといてなんだけど、告白?

人生で初めての告白(?)が、少女(男?)少女(奴隷)にだなんて、人生って解らないね。

さて、行く末は如何に!?


「…はい。…あの額の…借金を返せるほどの…力はありません。…多分…一生をかけて返すと思います。…なので…側に置いてください。…生きられる程度の…ご飯で良いので…恵んでください」


…あ…れ?

フラれた気分…だ。

否! この娘は側に居るって言うんだから引き分けだ!


『告。呼称「奴隷の少女」の体調に違和感を感じます』


えっ? どんな違和感?


『直接触れて確認しないと断言できません。マスターコアへの接触を進言します』


早速実行。

ペンダントになってるし、装備してもらおう。


「その話はまた後で。ご飯は心配しないで。ちょっと体調を確認するから、この魔道具のペンダントをかけて」


「…はい。…解りました」


着けてもらったら、コアさんが光る?

何か暗い光だけど大丈夫なの?

僕、彼女が心配ですよ。


『闇魔法の応用です。マスターでも出来ます。状態異常をかける要領で相手の異常を確認するのです。状態確認を完了しました』


コアさんって、魔法使えたんだね。

じゃ、もういいね。


「ペンダント『訂正。もう少しかかります』…はもう少ししてて。負担なかった?」


「…大丈夫です。…元々最近では体が動き辛いので…何も心配ありません。…ちゃんと…働けます」


いやいや、心配でしょう!

今度はコアさん結構強い光を発してるけど…


「…ん。…あっ。…はぁ。…んんぅ」


あぁ、悶えてる姿もいい!

じゃなかった…コアさん、何してるのっ!?


『終了。外しても大丈夫です』


僕、マスターだよー。

コアさん、質問に答えようねー。

で、先ずはあの娘の体調は?


『簡潔に。余命1年未満です。病気の発症からかなり経過。栄養失調状態から推測、環境が悪く病状が加速したと思われます』


えっ!? えぇー!

死んじゃうじゃん、早く治療を…


『マスターの魔法では治癒不可能。病状の進行が深すぎます』


ねぇ、何か無い?

コアさん、何か無いの?


「…あの。…焦られてますが…私の体調なら…気にしないでください。…ご飯が頂けて…暮らしていけるなら…それ以上は望みません」


健気で、生きるのに必死なのね。

あぁ、生きていて欲しい。

コアさん、さっきの強い光で何かしてたんでしょ?


『適正を調べていました。ダンジョンの機能で問題は解決します。マスターの望みに沿っているかは解りません』


生きてることに価値があると思うんだ。


今の僕がそうだ。

人間だった頃の価値観とは、ダンジョンマスターになってズレてるのは知ってる。

でも、生きているって実感は何物にも変え難い喜びなんだ。


コアさん、詳しく教えて。

そこからは、僕がちゃんと決断する。


『ダンジョンの機能にはモンスター合成があります。マスターも理解されていると思いますが、ランクは加算ではなく平均値になり、素材にしたモンスターは消失します。呼称「配下ゴブリン」に行わなかったのは、個性と可能性が多少変動するより、訓練と装備による戦力上昇を優先されたからです』


そうだ。

ランクが1+1=2ではない事、

2匹使って1匹は完全消滅する事、

ステータス上昇の上限解放の可能性はあるが確実性がない事、

個性が乱立して統率がとれなくなる事、

問題しかない機能だと思った。


『ダンジョンランクは現在5、平均5までになるモンスター合成が出来ます。呼称「奴隷の少女」は解析の結果、モンスターランク1程度の素質があります。隔離空間にランク8の素材が残っています。合成によりモンスターとなれば、今のマスターの体の病魔を治癒したようにダンジョン内で処置が可能だと推測します』


あのライトニングカイザーの未成体を使うのか!?

成功率は?


『時間と魔力をかければ100%。約170時間、病魔の治癒と共にモンスター化が終了します。魔力は処置次第で変動するため算出出来ません』


了解した。

後は僕の番だ。


あぁ、長いことコアさんと話していたんだな。

少女が心配してる。


「…あの。…とても難しい顔をされています。…私の体は…やっぱり病気なのですね」


自覚はあったようだ。


「とても悪化してるね。素直に言うと後1年の命だ」


あぁ、寂しそうな顔しないで。


「…それまで…精一杯尽くします。…どうか…生きている間…でも…働かせてください」


この娘は生きたいんだと思うんだ。

残り少ないんだから、枷は必要ない。


ガシャ。


少女の奴隷の首輪に触れて、解除する。

床に首輪が落ちる。


「聞いて。僕は君に生きて欲しい。だから、選択して欲しい。不自由しないよう、住まいとお金をあげる。自由に暮らしていいよ。これは僕の我が儘だ」


「…えっ?」


「一目で惚れたんだ! 惚れた理由なんて僕が知りたいくらいだ! だからあなたの幸せを願いたい」


「…いえ…でも」


「どんな人生を送ったのか知らないけど、残りの余生を自由に生きていいんだよ」


あぁ、馬鹿だなぁ。

でも、モンスターに無理矢理はしたくない。

…人として人生を終えるのも、一つの幸せだろう。


「…よく解りません。…ですが…お受けできません。…あなた様の側が…最後の場所だと…何故か感じています。…こんな私を…置いて下さい」


っ!

歯止めがきかない。


「もし…もしも…僕の側に居ると言うなら、命と魂を僕にくれないか? 言葉通り、命と魂は僕の物だ。心までは奪わない」


「…意味が…解りません。…殺されるのですか?」


「殺しはしない。が、死ぬより辛いかもしれない。言えるのはここまでだけど、貴女の幸せを願っている気持ちに偽りはない」


「…この身…あなた様に…捧げます。…あなた様が…苦しまれるほど心配してくれてる。…あなた様の側に…居たいと…思います。」


あぁ、最後だよ。


「貴女の命と魂を頂きます。最後です。貴女をください!」


「…はい…この命と魂をあなた様に捧げます」

次の投稿は明日の06:00です。

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