019 冒険者になる
本日2回目の投稿です。
漸くすべての配下が復活して、ダミーコア(ランク5)が完成した。
『報告。貯蔵魔力が10,000以下です。想定より、転生の魔力消費が上昇、配下の蘇生の魔力消費が上昇しています。予想される転生及び蘇生の最大魔力消費量は25,000程度です。魔力の貯蓄を進言します』
了解。
まぁ、ゆっくり貯めよう。
樹があるし、地上部には人が沢山居るからね。
『推定。予定魔力量の貯蔵に最短18日、最長40日と思われます。地上部との距離、地上部の環境の変化、ダンジョン入り口の環境による魔力の侵入の低下が要因です』
そういえば、今回はダンジョンが深いんだよね。
地下下水とかに触れないように、深い位置にダンジョン地下1階が存在する状況になった。
加えて建物の地下に入り口があるから、風が流れない。
大気中の魔力は壁を浸透するらしいけど、流入量が減ったってコアさんが言ってた。
環境的に襲われる心配が今はない。
のんびりで良いんじゃね?
行くぞ、大都市!
『了解』
2cmサイズに縮小したコアさんは、ペンダントを作って、それに填めて僕の首にぶら下がってるよ。
「身分証明が要るよな。冒険者になっておくか」
と、独り言を言いながら進む。
造りはしっかりしているボロ屋敷からは、早朝に静かにバレないように出てきた。
不法入居で捕まりたくはないから、まだ人の出歩かない時間に出たんだよ。
ダンジョンの地上部に冒険者ギルドがあるのは調べてた。
先ずは登録しようと思う。
まだ薄暗い道を歩く。
冒険者ギルドは複数ある。
正確にはこの街が広いから、本部(仮)が中央寄りで、支所(仮)が門の側にあると思われる。
ダンジョン地上部には門が2つと中央部の3割位と中央を取り巻く庶民の地域が範囲に入ってる。
その地上部から色々見て、ダンジョン地上部は8割が街、残り2割が外壁の外と解った。
暇だった数日間は情報収集に充てたんだよ。
目指すは本部(仮)のある場所。
支所は解体や換金が主と思われる。
行かなきゃ解らないんだよね、覗くだけで音が拾えないのがダンジョン視点の欠点だと思う。
ギルドの周りには飲食店や宿が多く見られた。
冒険者達の拠点も多そうだった。
飲食店や宿の裏口では残飯漁りをよく見たよ。
スラムの人かな?
早朝からギルドが開いてるのも確認済みだから迷わず入る。
早速、受け付けに突入!
たのもー! (心の声)
「お嬢さん、お使い?」
「いえ、冒険者登録に来ました!」
眠た気な受付お姉さんの顔が困り顔になる。
何故?
「…はぁ。いくら装備で飾っても優しい仕事じゃないわよ」
「この双剣は飾りじゃないですよ。ゴブリンも楽勝です!」
どやぁ。
と、心で自慢気にしたのが顔に出たのか、受付お姉さんが睨む。
「その若さで死に急ぐような事を…。年は?」
「15です。やっと登録できる年齢になりました」
って、設定。
実年齢は知らないからね。
今日が15歳の誕生日にした。
「まぁ、登録するだけって人もいるし、良いわよ。じゃ、先ずはこれに手を乗せて」
総合戦闘力を測る魔道具で、透明な20cmの水晶玉だ。
光の強弱で大まかな強さが解る。
ランク1モンスター程度が最低ライン。
予定では野良ゴブリン1割増のステータスにする予定。
コアさん、干渉できる?
『問題ありません』
「解りました。どうぞ」
と、手を乗せる。
一瞬、強い光を発したがふよふよとした光に落ち着いた。
「あれ? おかしいな? 壊れて…でも、正常に作動してる。ま、まぁ、ごめんなさい。でも、その年でランク2並は凄いわね。嘘つきみたいに言っちゃって悪かったわ。基準クリアよ」
「ありがとうございます。すぐ登録できますか?」
良かった。
干渉してもらわなかったらどうなってたかな?
結構強い光だったよね。
『マスターは強いですよ』
ありがと。
手続きをしとこうね。
「はい。強さは問題無いので見習いを飛ばして、下級からになります。こちらに書ける所を記入してください」
名前?…適当に偽名
戦闘スタイル?…近接型の二刀流
…。
…。
…。
「はい。これで良いですか?」
「えっと…はい、良いですよ。カードを発行するので少々お待ちください」
依頼掲示板を見る冒険者を眺めながら暫し待つ。
男が多いよね。
早朝だから因縁つけるような酔っぱらいは居ないでしょう。
「お待たせしました。このカードは討伐の記録をする魔道具なので依頼に行くときは持ち歩いてください。アイテム袋やマジックポーチにいれていても記録されるので大丈夫です」
「ありがとうございます。では、今日はこれで失礼します」
さて、用事は済んだ。
次はどこ行こうかな?
そういえば、あのボロ屋敷は買えないだろうか?
「お姉さん、すみません。家って売ってますか?」
ひねりを思い付かず直球で聞いてしまった。
「登録したばかりで家を買うの? まぁ、目標にしている冒険者も居るし、クランを設立すると必要になるから知ってて損はないわね。商人ギルドに行けば良いわよ。ふふっ、頑張ってね」
「あ、ありがとうございました」
ちょっと恥ずかしい。
背伸びした女の子に見られた気がする。
心は男なんだけどなぁ、多分。
再度戻って道を聞いた。
とっても恥ずかしかった。
うぅ。
日もすっかり昇って混み時間になったが、商人ギルドに迷わず入る。
早速、受け付けに突入!
たのもー! (心の声)
「気に入った空き家を見つけました。売ってください」
今日、2度目の困り顔に遭遇。
ちゃんと話し合いになるかなぁ?
あのボロ屋敷は手に入れとかないと、後々困るからね。
交渉、頑張ろう。
次の投稿は明日の06:00です。