012 冒険者が来た
追記 08:50 ストックが貯まったので本日の18:00に2回目の投稿をします。
よろしくお願いいたします。
「ゴブリンソードマン、復活おめでとう。そして、情報収集ありがとう」
あの死闘から、8日経った。
玉座の間で蘇生させてたゴブリンソードマンが、朝起きたら復活してた。
いやぁ、ありがとうね。
はい、新しい武器だよ、大切にね。
死闘から4日目の昼頃から、ダンジョン入り口前で冒険者が多分3組ほど集まった。
次の日の早朝からダンジョンに侵入。
あの人間達が攻略法でも伝えたのだろう。
パターンとして、ダンジョン入り口で一泊、早朝にダンジョン突入、って感じ。
毎朝、数組の冒険者がダンジョンに侵入してくる。
得るもの無いでしょうに。
あ、コアさん。
『却下。迂闊な行動は控えるよう進言します』
んー。
しかし、情報は大事だよ。
ちゃんと武装して出るから、ね。
『…条件付きで了承。短時間での遂行。入り口に隣接して交渉。殺られる前に殺る。…。…。…。…。…。…。…。以上が守れるなら許可します』
(半分以上聞いてなかったけど、)大丈夫。
ちょっと情報を集めるだけだから。
すぐ帰るって。
『…了解』
朝は冒険者は居ないから、おおよそ15時位だね。
風呂で体を清めて、聞くことでも考えとこ。
「最適化っと。じゃ、行ってくるね」
『…無事を願います』
コアさん、過保護かな?
人目がないことを確認して、入り口に移動。
配置での移動は便利だね。
この姿で、コアさん以外と話すのは始めてだな。
少し緊張する。
外に出ると、2組が早々と夜営の準備してのんびりしてる。
1組は珍しく女性のみのパーティだ。
僕も一応女だし、こっちに聞いてみるか。
ちょうど、パーティと少し離れて一人になってる女冒険者を発見!
上手く話せるかな?
「すみません。ちょっと良いですか?」
「…子供? ここは危ないよ。何でいるの?」
そう言えば見た目は13~15に見えるんだよね。
挫けず、多少でも情報を。
「これでも冒険者です。臨時のパーティに誘われて来たは良いけど、パーティリーダーがどうも信用ならなくて、抜けて帰ってきました」
どう?
「…そうなの? あまり強そうに見えないから、抜けて正解よ。ここにはお宝と凶暴なゴブリンが居るんだからね」
「…ゴブリンなら楽勝ですよ?」
「今までにない強さと強力な魔剣で、町の中堅冒険者パーティが半壊したのよ。知らないの?」
うん、全く知らない。
とりあえず頷いてみる。
「はぁ。貴女が参加してた臨時パーティは、かなり悪質ね。肉壁にでもするつもりだったのかしら?」
「一人ででも引き返して正解でした。それでお宝って何ですか?」
それがダンジョンに集まる要因なのだろうか?
「魔剣よ、ま・け・ん! ギルドが開示した情報だと上級者でも通用する程の品質なのよ! 作りはシンプルで癖がなく、魔力の通りがとても良いの! 長く使い込める逸品だって! 欲しいなぁ」
あぁ、あの両手剣。
ゴブリンは小柄だから両手剣だけど、人間だとちょうど良い片手剣になるな。
しかも、強化ゴブリン鉄2つ分だから、結構火力がある。
製作に携わった僕としては、誉められているようで嬉しいね。
「話が聞けて良かったです。あのままダンジョンの奥まで行ってたら、強敵と戦って、パーティリーダーに魔剣持ち逃げって可能性もあり得ました」
「信頼出来る人と来ることをお薦めするよ」
「ありがとうございました。今回は素直に帰ります」
「気を付けてね。私はパーティの皆のところに戻るよ」
「はい。では、またいつか」
「またね」
人目を避けて、野良ゴブリンの流れに乗って、ダンジョンへ侵入。
野良ゴブリンを瞬殺して、条件を整えたら、配置で玉座の間に移動。
「ただいま」
『了。お帰りなさいませ』
女冒険者の話を鵜呑みにするとこうなる。
強化ゴブリン鉄製両手剣、強力だから欲しい。
一般に情報開示しているから、手段を選ばず欲しい。
って所かなぁ。
強化ゴブリン鉄で人間サイズの武具を作ったら、お金持ちになれそうな予感。
『告。人の町に行く機会は皆無です。後、目立ちます』
しないよー。
今から来る冒険者が金蔓ですよ。
『了承。問題ありません。訂正。金銭を使う機会がありません』
いや、いつか、きっと、何処かで、あるはず?
配下となら簡単な意思疏通が出来るみたいだ。
何となく?
ニュアンスで理解してる。
うちの配下は死を恐れてないようです。
格上と解ってても、数の暴力だと解っていても、1匹での戦いを求めてます。
人生に逆転劇は少ないのですよ、負けるのは嫌。
双方の言い分が平行線のままなので、運に任せることにした。
ダイスロール。
立方体の木製のダイス。
掘られている数字は、1、1、1、2、2、3、とマスターの言い分が負けてるバランス。
「これ以上、文句言うなよ。そーれっ!」
『結果。1。配置数は1です。順番は呼称「配下ゴブリン」に任せます』
最速の冒険者が、4ヵ所目の広場で夜営中。
そのまま突撃してきたら、明日にはボス戦だ。
ってことで、一応ボス部屋に配置する数を決めたんだが、納得いかない。
寝よ。