11 冒険者ギルド
冒険者ギルドの受付嬢はやっぱり巨乳美少女だと思うのです。
昨日はライサー夫妻に色々状況を話し、相談にのってもらった。
結論として、冒険者ギルドに相談に行くのがいいだろうとのことだった。
職業もひとまず冒険者として簡単な依頼を受け、金を稼ぐのが一番ではないかとのことだった。
出自も怪しく、コレと言って目立った特技もないのであれば普通に働くのは難しいとこことでもあった。
よく考えてみれば、住所不定・特技なし・文字の読み書きができない、仮に履歴書があってこんなこと書いたんじゃ誰も雇わないよな。
話もひと段落したので、その日は居間で寝かせて貰うことにした。
~~翌朝~~
体の上に重さを感じる。
瞼を擦って目を開けると、ブランとアイルがいた。
どうやら、俺を起こしに来たみたいだ。
「セーヤ、おはよぅ。」
「今日は冒険者ギルドに行くんでしょ?アイルが案内してあげるねー。」
「おはよう2人共。」
子供は朝から元気だ。
まだ寝たりない気もするが、もうみんな起きているようなので早く起きなくては。
2人に連れられて庭に行き顔を洗う。
ブランは昨日の水浴びの後からアリスの服を借りたようで、ボロ布ではなく普通の服を着ている。
俺だけ変わった格好になってしまっているが、まぁ良いだろう。
既に朝食は作られているようだ。
この世界でも1日3食が習慣のようだ。
パンはとスープは嫌いではないが、欲を言えば朝は白米と納豆と味噌汁が食べたい。
やはり俺は日本人なのだろうとそう実感した。
「ここが冒険者ギルドだよ~。」
アリスとアイルに連れられて冒険者ギルドの入り口までやって来た。
「2人ともありがとう。また、後でね。」
別れを告げて扉を開け、冒険者ギルドに入る。
目の前に受付のようなカウンターが見える。
左側にはでかい掲示板があり、大小さまざまな張り紙に絵や文字が書いてある。
右側には店のようなものが幾つかある。
武器や防具が置いてある店や小物が置いてある店、酒場のような場所もある。
「そちらのお二方どうされましたか?」
入り口に黙って立っている俺を見た受付嬢がこちらまで歩いて近寄ってきた。
受付嬢は可愛らしい顔立ちで笑顔を向けてくる。
営業スマイルかもしれないが、そんなことはどうでもいい。
可愛い女性に笑顔を向けられて嫌な気持ちになる男性なんていないだろう。
おまけに受付嬢は胸がでかい。
視線が胸に行きそうなるのを必死でこらえ用件を伝える。
「えっとー、持ち物の売却と相談があります。後は売却した金額でギルドカードを発行してもらいたいです。」
「それでは、こちらの小部屋でお話をお伺いいたします。私に付いてきてもらえますでしょか。」
「分かりました。行くよブラン。」
「うん。」
ブランと手をつないで受付嬢について行き小部屋の前にたどり着く。
「この中でおかけになってお待ちください。」
そう言って可愛く巨乳の受付嬢は奥の部屋に消えていった。
少し残念である。
部屋に入ってみるとテーブルを挟むようにソファーが置いてある。
俺たちは入り口側のソファーに腰掛け、ギルドの職員が来るのを静かに待つことにした。
数分後俺たちが入ってきた扉からさっきの受付嬢とガタイのいい40歳くらいの男性が現れた。
「待たせたな!相談があると言っていたようだが、どんな内容だ!」
俺はブランのことを話した。
ブランには事前に冒険者ギルドで相談する事を伝えていたのだが、不安なのだろうかギルドの職員が入ってきてから俺にぴったりくっついている。
「そっか。事情は分かった。その娘がお前の奴隷になっているのは、『隷属の首輪』をはめた者が死んだせいだろうな。死後についての契約をしていない状態で『隷属の首輪』をしたまま奴隷の主人が死ぬと、その後に拾った者が主人となるのだ。大方、連れて帰った後に奴隷商にでも売り飛ばすつもりだったんだろうな。」
「それで、この首輪は外せるんでしょうか?」
「奴隷商の職業が持つ『隷属契約』のスキルがないと契約の破棄はできない。この街には正式な奴隷商はいないので無理だ。」
「正式なのはいないってことは、正式じゃないのはいるんですね。」
「痛いところを突くな、どこにでも裏商売はあるもんでね。高い金を払っても奴隷を購入する貴族共いるからな。いるにはいるが、口止め料もかかるし、あまりお勧めはしない。確証はないが扱っている奴隷はそこの嬢ちゃんみたいに攫った娘もいるみたいだしな。」
「そうですか。『隷属契約』のスキルを手に入れる方法はないのでしょうか。」
「奴隷商になるしかないな。『隷属契約』は何年も修行をしなければスキルを覚えることはできないし、その方法は奴隷商の奴しかしらない。だが正式な奴隷商になるには国に申請をして認可をもらわなければならない。その上、申請が通っても適性がないとスキルは覚えられない。」
「それって不便じゃないんですか。書物に残すとか勉強方法はあると思うのですが。」
「そうか?日常生活では使わないスキルだし問題ないと思うが。誰かを奴隷にすることができる奴がその辺にポンポンいる方が困るだろう。国が管理した方がいいに決まってる。正式じゃない奴隷商がいるが、そいつらも一度は正式な手順で奴隷商になり『隷属契約』のスキルを手に入れた者達だしな。」
「そうですか。ゴメンなブラン。暫くそのままになりそうだけど我慢してな。絶対に俺が何とかしてやるからな!!」
「うん。全然平気だよ。」
「じゃあ次は商売の話だな。売りたいものはなんだ。」
「はい。こちらです。」
俺はキャリーバックから服を数点、旅行のお土産のお菓子を数箱、ハンカチやタオル等の日用品を数点、最初に訪れた村から持ち出した本と地図を取り出した。
「早速、『鑑定』のスキルを使って調べるぞ。」
「はい、分かりました。」
どうやら巨乳受付嬢は『鑑定』のスキルを持っているようだ。
待っている間暇なので、『鑑定』と『隷属契約』がどのようなスキルなのか詳細を聞いてみた。
『鑑定』
万物の正しい情報が分かるようになる。
対象は物に限らず、人物まで有効。
スキルレベルが低いうちは名前程度しか分からないが、レベルが高くなるとより詳細な情報も分かるようになる。
金銭で取引されるものについては正しい価値が分かるようにもなる。
店で見た商品がぼった食ってるかどうかも一瞬で分かるとか便利すぎる。
人物についてはそのステータスも見ることができる。
だが、隠蔽スキル等ででステータスを隠している場合は、スキルレベルが高くならないと詳細は分からない。
『隷属契約』
本来は魔物を使役するために用いらたが、スキルレベルが高くないと中々成功しなかった。
強い魔物になればなるほど成功率は下がりスキルレベルが1~5程度ではほとんど使いものにならなかったという。
生物であれば何でも使役できることが判明してからは、奴隷に対して使用することが一般的になってきた。
魔物と違い人はスキルレベルが1でも使用することができるのは言葉が通じるからではないかとされているみたいだ。
また、魔物や人にどちらでも、首輪等に契約の呪文を刻み魔道具としそれを契約時に用いた方がより確実で簡単という事が発見されてからは、事前に長い時間をかけて準備した『隷属の首輪』で仮に奴隷契約をした後に『隷属契約』のスキルを使用することが一般的になったようだ。
人に使うことに興味はないが、魔物を使役して戦うとか今年11作目になる新作が発売されたばかりのモンスターズの方のシリーズによく似ていて凄くほしくなった。
俺自身のステータスが低いこともあるので護衛にできるかもしれないし。
詳細を聞けば聞くほどこの2つのスキルが欲しくなった。
せっかく異世界に来たのだから色んなスキルを使いたいものだ。
そんなことを考えていた時。
声が聞こえた。
(我が主よ、より強い力を欲するか。ならばもっと強く欲するのだ。『強欲』の名に相応しく貪欲に欲するのだ。さすれば我が罪科を糧に欲する力を与えよう。)
「なんだ?なにか声が聞こえなかったか?」
「ん?声ならさっきからギルドのおじちゃんがスキルの説明をしてくれてるけど?」
冒険者ギルドの職員は饒舌に説明してる。
どうやら、スキルについて調べるのが好きで誰かに話したいようだ。
隣で鑑定している巨乳受付嬢は「またいつものが始まった」と呆れている。
(我が主よ、力は要らぬのか。欲さない力は不要。不要である力はもう二度と手に入らん。)
(いや、欲しいよ。あんたが誰か知らないけど不要な能力なんてないってば。はいはい、欲しますよ。欲しいって思うだけでスキルが手に入るならいくらでも欲しいですよ。)
(『不要な能力はない』か。流石は我が主、それでこそ『強欲』の名に相応しい。ならば以後、主の欲するままに力を与えよう。)
(あー、はいはい。どうせなら最初から滅茶苦茶高レベルにしてね。すぐ実践で使えるくらいにさ。ってかお前誰だよ。どこからしゃべってるのさ。)
(我が名は『強欲』。主と共に欲望に生きる者也。)
その言葉を最後に声は聞こえなくなり、激しい頭痛が俺を襲った。
『強欲』の美味い設定が思いつかなかったので
頭の中で話しかけてくることにしました。
変だったでしょうか?
頻繁に会話することはないので大目に見てください。