89話
「魔王ウィザードの軍勢にはどうしようもなく逃げてきた俺たち!」
ダルス達はセーレの飛行馬車に乗り逃避行
「あっ山のふもとに村があるぜ降りよう」
「小さい村だねー」
霧に包まれ、木造の家がポツポツと点在する村を空から見下ろす
「それでは降ります」
ペガサスがゆっくりと着陸した
「ここは魔王世界ですがまだ魔王ウィザードの侵略被害を受けてないようですね……」
セーレが冷静に観察……しかし!
「クセモノーッ!」
「うわあ突如現れた青年が槍を投擲してきたぜ! ならば魔法だぜ! 石ハンド! 石で出来た腕が地面から現れ槍を掴み俺達は無事ということだぜ!」
「待ってダルスせつめいしている場合じゃないわ! 気が付くと囲まれているわよ!」
ダルス達の周りには民族衣装のような格好で武器を持った人々に囲まれていたのだ
「魔王世界ってことは、これみんな魔王なの!?」
「ヤバイぜ! やあみなさん、俺達は敵じゃないぜ!」
「デアエー!デアエー!」
リーダーらしき老人の掛け声で、魔王たちが襲いかかってきた!
「戦うことしかたなくだぜ! 魔法コマンドダークウェーブ!」
闇エネルギー粘体の津波が暴走村民を飲み込む!
「ギャーッ!」「ウワーッ!」「ヒェーッ!」
闇エネルギー粘体は絡み突き逃れることは出来ず体力を奪われるのだ!
「ぬぅぅなんて卑劣な技! やはり神の城を荒らす邪悪な存在!」
黒い粘体から老人が叫ぶ!
「待ってくれ! 俺達は悪くないし、正義だぜ!」
「誰が信じるか! 我ら鎮守の一族が葬り去ってやる!」
しぶとく抵抗されたので頑張っておとなしくした
「俺達は敵ではないので、話して」
戦いの末やっと教えられた
「グハッ……我々は鎮守の一族……神の城を代々守り続けたのだ……」
「あの神殿のことね、もっと教えなさい」
そして聞き出すと、鎮守の一族はいにしえから神殿に近づく者を追い払ってきたのだというなぜなら鎮守の一族は神殿の神の伝説を守るからだ
「伝説とは?」
「これだけは言うわけにいかん! 殺されても言わんぞ!」
言わない老人……
「お願いします、あの神殿にはこの魔王世界を侵略している悪い魔王の陰謀が……」
「馬鹿を言うな! 魔王が魔王世界を侵略するものか!」
どうしても口を割ってくれないおじいさん
「うーんすごいひみつがありそうなんだけどなぁ……」
「私達は正義だし、ここはおとなしく家に隠してあるものとか探しましょうか」
算段をつけるネクロ達……その時だ!
「見つけたぞ! 死ね!」
空から2体の魔王が不意打ちを仕掛けてきたのだ!
「俺は魔王オーニソプター! 魔王ウィザード様に派遣されし魔王よ!」
「私は魔王ロータークラフト!以下同文!」
威圧的な自己紹介!
「空をとぶ魔王だぜ! 神殿から追ってきたな!」
魔王は二人共機械で作られた飛行ユニットを装備して空中から攻撃してくるが
「喰らえ、ボルテックスボルト!」
「ギャー!」「負けた!」
電撃に弱いのであまり強くなかった……もしダルスが居なかったら苦戦必至だったろう
「まさかお前たちの言ってることが本当だったとは……伝説を教えよう……ハイ・スカイ・フィールドの伝説を……!」
「ラッキーだぜ!」
説得力……