74話
生きていたセーレ……
「ヒヒッ! ようやく魔王らしくなってきたじゃねえか! 嬢ちゃんよ!」
「おかげさまで成長しましたよ! あなたより強く!」
突然の敵の変貌に魔王フューチャーは驚いた! 変わったのは自信だけではない! 彼女の服装は白く輝く装束をまとっており、髪は伸び、瞳の色は黄金色に変化している!
「お前、いったい何があったんだ? 俺も長いこと魔王やってるがこんなん見たことねぇぞ!」
「私にもよくわからないです!」
「ハハハそうかよ! まあなんだっていいや!」
そして魔王セーレと魔王フューチャーは三度衝突した!
「いきますよ! 魔王結界!」
セーレを中心に光が溢れ、空間が変化する!
「結界を使えるようになったか!」
感心する魔王フューチャー! そして完成した結界は、変哲のない町並みだ!
「これは……私の故郷の町……」
「これがお前の魔王結界か! 特に感想はなし! いくぜ!」
魔王フューチャーはやはりバイクで距離を取り遠隔攻撃する戦法だ!
電撃と炎が同時に魔王セーレを襲う!
「負けません!」
魔王セーレはハルバードで電撃と火炎を切断した!
「ヒヒヒヒーッ! やはりその武器! そこまでのポテンシャルがあったか! それと戦いたかった!」
魔王フューチャーが恐ろしい速度で突進してきた! モーターサイクルが襲いかかる!
「突き刺します!」
魔王セーレはハルバードを魔王フューチャーに突き刺そうと構える!しかし次の瞬間魔王フューチャーの姿が消えた!
「なっ!?」
「ウオラーッ!」
そして突如背後からのモーターサイクル衝突! 魔法コマンドワープだ!それもダルスのものより完成度が高い!
「むぅっ!」
魔王セーレは吹き飛んだ!
「そして本当のトドメだ! カオスバーストストライク!」
魔王フューチャーのバイクからかつてないほどのエネルギー砲が放たれた! 空間が震える!
「グワァァァァァァァァァ!」叫び声が上がった!
しかしそれは魔王セーレのものではなかった! 魔王フューチャーの身体をハルバードが貫いていた!
「おいおいふざけるなよ……街一つ破壊する俺の必殺技……なのに」
無傷の魔王セーレが、攻撃後の反動をついて魔王フューチャーにハルバードを突き刺したのだ! 魔王フューチャーの身体にバチバチと火花が散る! エネルギーのオーバーフローだ!
「新しい……いえ、本当の力に目覚めたんですよ」
魔王セーレは言った
「物体をすり抜ける能力が進化して物体以外、熱や電気などのエネルギーもすべてすり抜けられるようになったみたいです」
「なんじゃそりゃ……ずるいだろうが……」
そして魔王フューチャーは爆発して死んだ!
「やっと……勝ちました……!」
空間が歪み、魔王結界が崩壊した! そしてセーレは意識を失った