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248話(第2部5話『デスパレート・バトルズ』4)

「ぐぼげばや!!!」プーカは肉体をスクリュー状に变化させ一目散に逃げた!


「……」少女は水中を蹴り爆発的な速度で接近!「ひぎいい!」プーカの高速回転スクリュー部位に素手を突っ込む!ゴギャゴヤゴギャゴギャ!回転が止まり、プーカの肉がそのままちぎり取られる!「あああ! ああああああ!」再度変身! その体積は哀れなほど小さくなり、小魚じみたプーカは海面へ!


「あ!ぎ!あ!ぎ!ご!」プーカは黒い飛沫をたて飛び出した!「が!?」プーカの背後で水が爆発!「手こずらせる……!!魔王アドミラルが着水!「割に合わん」


「……ッ!」海面が爆発! 水を蹴り少女が突撃する!「覇ッ」突進する少女の攻撃を右ストレートで相殺!「チィッ……!」アドミラルの腕があらぬ方向に曲がり、血が弾けた!「塵に帰れ!」BLAM!BLAM!BLAM!アドミラルは1000口径巨大海戦ピストルを連射!


「……!」少女は空中に吹き飛ばれ、さらに撃たれる! だが、出血はすれど肉も骨も原型を留めている!「殺せぬか、これは」巨大弾丸を喰らい空中を舞う少女には一切の感情が浮かんでいない……ただの無機質なカメラのようにアドミラルを見ていた


「プーカ!」「う、がる!?」アドミラルは水中で縮こまっていたプーカに命令を行う「策を言う、言う通りにしろ」「がぎががごご……」「ダメージなど私も同じだ、貴様も魔王ならば死ぬ気で働け 死にたくなければな」アドミラルは冷淡に言い放った「がぐ……」プーカはその姿を変形させていく……


「………」少女の姿をしたそれは、空中で巨大弾丸を掴み、アドミラルに投げ返す!「覇!」水面で側転回避!更に海面を蹴り少女に接近する!「……」落下しつつ少女は敵を見据え、構えた!「撃滅せよ」アドミラルの全身を青黒いオーラが炎のようにゆらぐ!「主砲! 撃ち方始め!」見よ! アドミラルに集中する凄まじいエネルギーが生み出す局所的大嵐を!


「イィィィィィィィアァァァァァァァァァ!!!!」アドミラルは物理法則を無視した対空SAMキックを繰り出した! アドミラル自身が水のミサイルと化したのだ!「……」少女は掛け声一つせず、拳を握りその細腕をアドミラルに突き出す!


「グ!アアアアアアア!」SPLAAAAAAAAAAAASH!!! 水が弾ける!アドミラルの足が砕け散った!「馬鹿なーーーーっ!!」魔王アドミラルは海面に叩きつけられ爆発した!!!


「……ヅッ!……」少女は糸が切れたように全身の力が抜け、黒い海に落下する……「わたし……」意思が、記憶が、心が混線する……少女は漆黒の海面に浮かんだ


シュゥゥゥゥゥゥ……極めて高熱の体温により魔王の海が蒸発する中、少女は空がひび割れていくのをぼんやりと見た……


空が割れ、海が裂け、戦艦が崩壊していく……世界の破片は霧散し、不協和音が壊れた箱庭を満たしす……何もかもが、消えていく……


そして少女の意識は途絶えた




「う……あが……」瓦礫の中から電車マンが這い出た「生きてたか……電車の体で助かったか? いや、それより!」電車マンはあたりを見渡した……破壊され尽くした建物と死体が転がる無惨な光景だ「謎の少女! ドラゴン!」


「電車マン! 生きていたか!」満身創痍のドラゴンが電車マンを見て叫んだ「ドラゴン! あいつは……!」「ぬうう……」ドラゴンは苦虫を噛み潰したよう表情でうめいた「すまない、あの魔王に……」ドラゴンが口を開いた、その時!


ズズズズズ!空間に歪みが生じ、蛍光色の世界の裂け目からなにかが落下した「何奴!」ドラゴンは構えたが、現れたそれを見て目を見開いた「謎の少女!」


「謎の少女ー!」電車マンが地を這い少女に近づいた「どうして、何が……!」そして気づく「おい、こいつは……!」電車マンが気づいたそれは、一体の魔王の亡骸だ「アドミラル……?」


「まさか、魔王結界に謎の少女が取り込まれ」「魔王アドミラルを倒したことで」「脱出できたというのか!」二人は四肢が崩壊したアドミラルの亡骸を見た「完全に死んでいる……倒したのか、あの魔王を! この子が!」電車マンは驚愕した


「そうとしか思えんな……だが、とにかく! ひどく疲弊しているようだ、早く回復をさせなければ!」「ああ! 医者でも宿でも教会でもなんでもいい! 回復を急ぐぞ!」電車マンは懐から電池を取り出して食べた「バリバリ……燃料補給完了! 乗れ!」「よし!」電車マンは電車マンに変形し、二人を乗せ発進した「死なせはしないぞ、絶対に……!」急げ……




一方その頃浮浪者が黒焦げた魔王の死体に近づいていた「おお! 新鮮な魔王の死体じゃ! 高く売……あれ?」浮浪者が胴体から真っ二つになった!


「役になってくれたな、プーカ」影から現れたその男は、片腕を失った黒衣の魔王……アドミラルだ!彼は死んだのでは!?「私に変身させ囮にしたのだ」アドミラルは床に座り込む「過剰に体力を消費させた隙を突く算段だったが……結界自体が維持できぬダメージを受けた」


アドミラルは吐血!眼から出血!「カーディナルめ、契約内容が違うぞ……」アドミラルは数本の注射器で鎮痛剤等を投薬、応急処置を行う「だが、まだだ」


「カーディナル、ハンムラビ……! この時代で勝つのは、私だ」アドミラルは眼の奥で悪意を滾らさせた……

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