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244話(第2部4話『レイド・ア・イントリーグ』エピローグ(完))

「報告をさせてもらう」

男は低い声で言った

「現在調査中だが……タッツェルブルム、ディッパー、クランチ、コンシートは通信を絶ち、おそらく死亡……ドラゴンスレイヤー、ブッチャーも任務を達成できず、ルイ食料カーディナルとリョウ暴力カーディナルはバイタルサイン消滅……」

男は一呼吸おき、厳かに口を開く

「これはいったいどういうことかな? ハンムラビよ」


男の声は、宙に浮かぶ立体魔法水晶から発せられている……無線通信技術!

その場所は、石造りのホール……円形大理石テーブルを囲み4人の魔王が座している……部屋の奥には、太陽神が人に叡智を与える図のレリーフが飾られている

その中で最も巨大、10メートルを超す巨躯を持ち、皮膚は鱗に覆われ、顔は竜そのものである、魔王が返答した

「どうも、ヒデトシ軍事カーディナルさん……我輩は魔王ティラノサウルスREXである」

驚異! その姿は直立二足歩行する恐竜である……!

「すまないが、我らのリーダー、ハンムラビの創設者が今不在であることをまず謝罪する……そしてこちらから派遣した魔王がご期待通りの働きが出来なかったことを謝ろう」

「ふん……契約があるから、特にペナルティなどは課さないが……こちらの資金も無限ではない、結果を出せぬならば今後の連携はできなくなるぞ?」

水晶の向こう側の男……眼帯をし髭を生やす壮年の軍人は、異形の怪人にまったく怖気づくことなくプレッシャーをかけた

「承知しておる……ウィザードによって荒廃したこの魔王世界、我々も余裕はない……! 全力を出させてもらおう」

魔王ティラノサウルスREXは瞳に力を込め、言った

「魔王タッツェルブルムに振られていた任務があったな?」

「ああ、天皇捕獲ミッション……これまでの護衛や雑魚狩りとは比べ物にならん大仕事だ」


「私が直接行こう」

その恐竜の言葉に、その場の空気が変わった

「待て」

四人の魔王の一人が言葉を遮った

「その決定には、王の許可がいるはずだろう?」

「構わん! 自主的に行動し、ハンムラビを支えることが我ら四天王の使命のはず! さらば我輩が戦場に出ることは王の意だ!」

「は、いいのかねぇ……責任は自分でとんなよ」

その魔王は呆れた様子だ


「そういうわけだ……我輩が行く! 天皇とやらを打ちのめしてくれようぞ!」

「ふん、いいだろう……我らとしては天皇さえ処理できるなら、貴様らハンムラビのルールなどしったことではないのだからな」

ヒデトシ軍事カーディナルは冷たく言った……



そして、夜……ダルス達が戦闘した料亭に、武装集団が入っていた……

「死体確認……ハンムラビ所属魔王、警備兵……ああ、なんということだ……リョウ様までも……!」

人工池の水は干上がり、美しいシャンデリアやテーブルなどは燃え、砕かれ、辺り一面に死が広がるのみであった……

「アレクサンド情報カーディナル様! やはりあなたの予想どおりになっています」

武装集団、銀色の強化服と航空機パイロットめいたフルフェイスヘルメットを纏うカーディナル・トルーパーは無線で報告を行った

「チッ、やはりか……! 途中戦闘の余波でカメラがやられてしまわなければ……いや、暴力カーディナルの気質上、避けられぬことか……! 敵の力量を見誤った私の責任……!」

アレクサンド情報カーディナルは悔しがる

「だが、しかたあるまい……トルーパー! 手筈通り証拠隠滅と現場調査を……」


しかしその時、ブツリと通信が切断された

「あれ? おかしいな」

トルーパー達が疑問を浮かべた、その時……!


ギャギャギャギャギャギャギャ!

「アバババババーッ!」

トルーパーが爆散!

「何ぃ!?」

驚愕して目を見張る……そこには、黒い流体的ボディに青い光のラインが走る電子バイクが哀れな尖兵を轢殺した姿であった!


「だ、だれだ貴様はーー!」

「撃て! 撃って殺せ!」

ZAP! ZAP! ZAP! ZAP! カーディナル・トルーパーは侵入者に銃型魔法機械ビーム射撃!


「無知の蝿どもは黙っていろ!」

おお、みよ! 電子バイクから発せられたバリアはビームを完全に跳ね除けた!


「そんな、馬鹿な……!」

トルーパー達は狼狽する……


「我らがマジックカンパニーの……ウィザード様の技術を盗掘する野蛮人共!」

電子バイクが変形し、中から現れたのはライダースジャケットを纏う美女である……


「マジックカンパニーだと!?」

「そうだ……ああ! なんと無残なことだ!」

その女……キャサリンは床の死体……大破した魔王アーマー・乱暴を見て、嘆いた

「量産前の試作機、愛しき我らが科学の結晶! 貴様らは奪い去り、崇高なるテクノロジーを侮辱した!」


キャサリンは叫び、腕の魔法機械に手を触れた!

「魔法コマンド:トランスフォーメーション!!」

ギガガガゴガガガ! 漆黒の電子バイクが憤怒の如く赤色に発光し、変形! それは鎧の形状を取り、キャサリンに装備された!

「魔王アーマー・機敏! 偉大なるマジックカンパニーのipをロイヤリティも払わず使おうとする無知蒙昧のジャンクども! 裁きを下す! デリートされて永遠に消えてなくなれええええええ!」


「う、おおおおお!」

カーディナル・トルーパーは奮い立ち、勇敢に戦いを挑む!


……しかし、数分後……その場所は跡形もなく吹き飛ばされ、トルーパー達は死体すら残さずこの世から消え去ったのであった……

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