242話(第2部4話『レイド・ア・イントリーグ』5)
リョウ暴力カーディナルとの決戦!
「なめんなよゴラァ……」
「でも所詮は人間だし」
「カーディナルの力を、財力を権力を武力を! 貴様ら愚民に見せてやんよ!!」
リョウは叫ぶ! その腕の機械……武骨な鈍色の魔法機械が作動する!
「魔法コマンド:エクイップメント!!」
「なっその技は!」
ダルス達は驚愕する……リョウの頭上に現れた亜空間から、金色の鎧――パワードスーツが出現し、一瞬で装着された!
「こいつは魔王アーマー・乱暴! 裏ルートから横流しされた秘密兵器よ!」
フルフェイスヘルメットの中からリョウ暴力カーディナルが謳い上げる!
「魔王アーマー……! マジックカンパニーは倒産したのに!」
「フン、我らカーディナルがあれほどの巨大企業の倒産をみすみす見逃すと思うか? 今もなお、カンパニーの技術、情報、財産は世界中の企業が食い荒らしている!」
魔王アーマーから蒸気が吹き出し、リョウはファイティングポーズをとった!
「このおもちゃもまた、な! 魔王の肉体を部品とし、人に魔王の力を与える鎧! この力、存分に試させてもらうぞ!」
リョウは脚部ロケットブースターを作動し、急発進する!
「天誅を下すぅ! 死に晒せぇぇぇぇぇ!」
「ダルス! あれとの戦い方は!?」
「あれは魔法が効かないぜ! ……ッ! 来る!」
「オオオオオオオ!」
リョウがジェットパンチ! ダルスを狙う!
「おっと!」
ダルスは本能的に軌道を読み回避! しかし!
「甘いんだよぉ!」
魔王アーマーはジェット噴射を正確にコントロールし、空中回転! ダルスに再度アタックをしかけた!
「ぎゃーっ!」
ダルスは吹き飛ばされた!
「ダルス!」
「ハッハッハーッ! この力ァ!」
リョウはジェットパックにより飛翔!
バチバチバチ! 腕に内蔵された魔力変換火砲が作動する!
「これは! 天に立つ者の裁きだぁ!」
辺り一面を白く染める閃光! 純粋なるエネルギー砲が発射された!
「魔法コマンド:リフレクト!」
ルーノンが魔法を発動させた! 魔力の炎が反射し、リョウ暴力カーディナルに襲いかかる!
「くらえー!」
「小細工が!」
パシュン! 魔王アーマー表面部に展開されたアンチマジックフィールドに接触すると、エネルギー砲は消滅した!
そして当然、この流れをリョウは予測済みであった!
「何度持つかーーッ!」
バリバリバリ! 再度アーマー腕部内蔵機構が唸りを上げる!
「またくる! 魔法コ……」
「いや、反射はやめておいて、ルーノン! 持久戦になればまず魔力が持たないわ!」
ネクロは思考を巡らし、戦術を選ぶ!
「またあれに頼るしかないか!」
「ぶち撒けろォ!」
爆撃! 白い閃光が地面を切り裂き、破壊する!
巨大料亭内のオブジェが弾け、人工池は蒸発した!
「フン……さっきので魔力も尽きていたか、雑魚がァ……」
粉塵が舞い散る中、リョウはヘルメット内部ディスプレイ越しに戦況を把握する……そして不意を突かれた!
「なにぃ!?」
「討つ!」
粉塵から迫りくる影は、ネクロである! その手には金色に光線……神器だ! 拾ったのだ
ネクロは魔王アーマーの首を狙い、光の刃を振り抜いた!
「チィィ!」
魔王アーマーはジェット噴射制御により、光を避けるが……
光剣はアンチマジックフィールドを無視してアーマーを切り裂いた!
「グオオーッ!?」
狙いは逸れ、リョウの足が切断された!
「外した!」
「アアアバーーーッ! 畜生がーーーー! てめぇだけは地獄に落とす! ポリスの大地を歩かせるものかぁぁぁぁーっ!」
リョウは全身の武装を展開し……ネクロをロックオンした! しかし!
「残念ね、私は囮よ」
「な」
驚愕する間もなく、リョウは背後からの衝撃を受けた!
「グワーッ! 貴様は!」
「お返しだぜ!」
そう、ダルスがリョウの背に突撃したのだ!
「うまくいったねー」
「意外にパワーあるんだな……というか私の神器が囮扱いに……」
下では、ルーノンとククが様子を見ていた……
実際の流れはこうだ、エネルギー砲をルーノンがバリアで耐え凌いだ後、素早くネクロがダルスとククを回収し、素早く指示を出したのだ!
そしてネクロとダルスが同時に空中に移動し、同時攻撃をしかけたのである!
「一応ダルスは魔王よ! 魔法を使わなくても物理攻撃はそこそこよ!」
「そこそこだぜ!」
「こ、こんな……馬鹿な……!」
レッドアラート! 魔王アーマーは異常シグナルを発し、そしてリョウは地面に落ちていく……
「ア、アラシ……さん……! スミマセン、俺は……!」
BEEP!BEEP!BEEP!
不快な警告音が満たす中で、魔王アーマーは暴走を起こし爆発した!
リョウ暴力カーディナルは死んだ……