241話(第2部4話『レイド・ア・イントリーグ』4)
乱戦!
「おおおーッ!」
タッツェルブルムは渾身の力を込め、ククにストレートパンチを放つ! しかし!
「今!」
「グワーッ! なんだと!」
魔王は体勢を崩し、地面に叩きつけられた!
「これは……ロープ!?」
そう、今の一撃の直前、ロープをくくりつけ、引いたのだ! 結果タッツェルブルムは自らの力を加えて床に激突!
「小癪な! 真似を! 卑怯な手を使って!」
怒りを叫ぶ!
「アタシは泥棒だぞ! ずるさで生きてきた! この街で!」
ククは神器、光の剣の出力を最大にした!
「貴様! やめろ!」
「終わりだ、カーディナルの手下!」
閃光! 光の剣は魔王タッツェルブルムの鱗で守られた体を紙のように切り裂いた!
「アババババババーーーッ!」
タッツェルブルムはとうとう爆散した!
しかしククは膝をついてしまった
「つ、疲れすぎた……立てない……!」
強敵タッツェルブルムとコンシートに与えられたダメージが深いのだ
「あと2人が戦って……!」
「キュオオオオオオ! 串刺しにしてくれる!」
水面から魔王ディッパーが回転突進!
「読めた!」
ネクロは先読みし回避した! しかし!
「魔法……」
「すっとろいんだよォ! びしゃーん!」
「逃した! また!」
鳥人の魔王の執拗なヒットエンドラン戦法にネクロは苦戦していた!
「らちが明かない! もう!」
ネクロは思考を加速させる! 打つ手は!
「試してみましょう!」
突進する魔王ディッパーを三角飛び回避すると、別の戦闘エリアに高速移動する!
「ぎゃばばばばーっ!」
「うおー」
ルーノンは巨顔の怪物、魔王クランチと苦闘していた!
「魔法コマンド:ギガシールド!」
魔法機械が作動し堅牢なるエネルギー防壁が顕現する!
「ギギギギギギ!」
シールドが噛み砕かれた!
「ハゴタエバツグン!」
「おいしいの?」
魔王クランチの破壊力は、ギガ級魔法すら突破しルーノンを追い詰める!
「むー! 歯がやばいから、後ろから攻撃できればー」
「ムダムダ! 必殺ーパワー噛み砕き!」
魔王クランチは胴体に空いた大口を開き、ルーノンに飛びかかる!
その時だ!
「キュルルルルルルーーッ!」
回転する魔王ディッパーのくちばしがクランチを貫いた!
「ババババババアバ!?」
「なっ!」
血肉が舞う! ディッパーは驚愕に目を見開いた!
「謀ったな! 女!」
「あなたがあほなのよ」
そう、ネクロは逃げるフリをして敵のフレンドリーファイアを狙ったというわけだ!
「ギャガグオッパバホ!」
魔王クランチは爆死!
「ウオーーッ! クランチぃ!」
爆風に吹き飛ばされ、白鳥の魔王は壁に叩きつけられる!
「グアアア! こ、こんなところで……こんな、基盤固めの段階で! 死んでたまるかよぉ!」
ゴゴゴゴゴ! ディッパーの体が激しい光に包まれる!
「来るわ! 鴨が葱を背負って……ルーノン任せたわよ」
「おーけー! 魔法コマンド……」
バシュン! 閃光の瞬きと共に、魔王ディッパーが猛烈高速超回転突撃!
「リフレクト!」
寸前、ルーノンが反射壁を創り出した!
「グワワワワワバババババオオオオーーーッ!!」
魔王ディッパーは渾身の自爆特攻を倍の力で跳ね返され、辞世の句を詠む暇もなく塵と化した!
「さぁ、全滅よ!」
「やっぱりふたりともすごいぜ!」
ダルスが合流した
「そっちも終わったの?」
「うん、ククのおかげだぜ!」
「頼もしいわね……さてと、それじゃあ」
ネクロ達は残る一人……静かに怒りを蓄える男、リョウ暴力カーディナルを見た
リョウは静かに口を開く
「よくも……テロリストめが……」
「年貢の納め時だぜ、カーディナル! 年貢って何」
「あなたを守る魔王はもういないわ! おとなしくやられなさい! 税金のことよダルス」
「ふざけるなよオラァ! カーディナルを! なめるなよ!」
リョウ暴力カーディナルが襲いかかってきた!