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231話(第2部2話『バーニング・ダウン・ザ・テンプル』8)

夜、ここはバラック小屋の密集する路地裏……その一角にある、忘れ去られた古い墓地!

炎を囲み浮浪者達は悲しみのダンスを踊っている!

「ナンマイダー! カミサマホトケサマ! アメン!」

葬式だ!

「よし葬式は終わったぜ! 行くぜ!」

「おじいちゃん……絶対あたしが仇を討ってやるからな!」

そう、ククが仲間になったのだ……


そしてダルス達は夜の街に出発した

「さて、目下怪しいのは神社だけど……」

「このワクワクには神社なんて掃いて捨てるほどあるぞ? エンシェント・エリアは世界有数の観光スポットだし、観光産業はワクワクの財源でもあんだ」

「どこでもいいから適当に奇襲しようぜ!」

「いやそれはさすがに……」

「それしかないわね、強襲よ!」

「先が心配だ……」

ククは呆れた……しかしその時!

「緊急ニュースです寺が襲われ業火に包まれています、神社軍による攻撃があったもようです……では引き続き温泉に現れたゴブリンの赤ちゃんの映像をお楽しみください」

「さっそく事件が起きてるぜ! 多分なんか関係あるに違いない!」

「あの寺はセイント・ヴァーチャー・テンプルだ! エンシェント・エリア最大の寺だ!」

「神社め! きっとなにもかも神社のせいにちがいないぜ」

「急いで急行しよう!」


そしてモノレールに乗りエンシェント・エリアに急行した!

「さすが観光地、駅から近いわね……」

「人がたくさんだぜ!」

野次馬だ!

「寺が燃え盛っているぜ……もう戦闘は終わったのかな、ん?」

ダルスは何かを察知した……

「うわっなんか嫌な感じが」

その時だ!

ギュワギュワウオーン! 暗黒のガス状巨人が突如火炎から現れ、野次馬や警備隊を薙ぎ払った!

「ウワーッ!」「ギャーッ!」「コワイ!」「ヒィーッ!」「タスケテーッ!」

「ハハハハ殺しまくり! 気分いいぜぇー!」

邪悪!

ガス状巨人には首が無く、その位置は台座となっておりその上に二人が座っている!

「この神々しさ……絢爛華麗鏡花水月! 彼らの死が最高の賽銭ですね!」

1人はアーク神主!

「ハハハおまえ詩人だな! ってアアァ!? 死を奉納しない不届き者がいるじゃねぇかよぉぉぉ!」

この邪悪存在が睨んだ先!

そこには光のオーラで守られたダルスだ!

「とっさに魔法で防御してよかったぜ!」

「いきなりボスのお出ましってみたいね!」

「ラッキーラッキー!」

「俺達はダルス達だぜ! お前達を倒すぜ!」


ガス状巨人に乗る男は蔑み笑った!

「ハン、笑わせる! 俺様は神の力を得たのよ! 今の俺には人間なんてゴミ!」

「神の力ってなんだい魔王じゃないの?」

ダルスが質問した

「魔王? 今の俺は魔王なんてもの超越した存在……天から力を受け取った存在よ!」

男を中心に周囲の空間が歪む……神社が、死体が、炎が、空気さえもが形を不気味に変形させていく……

「天の力で王をも超える! つーことでこんな名前で呼んでくれ、俺は天皇……雲煙天皇デューモスよ!」


「なっなっ……」

ダルス達は驚愕Lb3あ!"#$ f偰絈厲N5z0ェRA6! %厲&'(Rン/3x燻Ox%#垬昉)*9a$_qYiD6/雲煙天皇デューモスの周囲の物体が奇妙なノイズの光に変わっていく!

「ヤバイ! これはあれだぜ!」

「な、なんだよ、なにが起きているんだよ!?」

「この感じはあの時の、ウィザード決戦の時の感覚に似ているわ……!」


「いまさら怖気づいても遅い遅い! これが天皇の能力! 物質を俺様の望む姿に作り変える力! 名付けて天地開闢!」

さらにノイズの光は拡大し……燃え盛る寺、周囲の大地をも分解していく!


「前と違って記憶は正常だけど……まずい、煙がこっちまでき――」

ダルス達はノイズに飲み込まれた!


衝撃が襲い、そしてふと気がつくと……

「こっこれは!」

辺り一面は黒煙を吹き散らす工場地帯の姿になっていた!

さらに隙間を縫うようにレールが宙に浮いている異様な光景であった!

「魔王結界!? 別の場所に移されたの!?」

「いやー、ほらみて遠くにぶった切れてるモノレールの線路が見えるよー。つまりこれは」

「この広大な範囲を作り変えたっていうのか!?」


「ご理解いただけたかな! 怯えて震えて煙まみれになって死ね!」

近くのパイプからガス弾が発射されダルス達を襲う!

「魔法コマンドブラスト!」

ダルスは衝撃波を放ち相殺!

「オラオラまだまだいくぜぇ! さっきの僧侶共は弱すぎてこの力を試せなかったからよぉ、こんどは楽しませてくれよな!」

パイプラインからガス弾や黒煙の腕などが放たれまくる!

「魔法コマンド:シールド!」

「魔法コマンド:ショックウェーブ!」

ダルスとルーノンが連携し攻撃を相殺しながら、工場地帯を抜けようと走る!

「くっ、どこかに本体がいるはずだぜ! そいつを叩く!」

「でもこの広さ、どうやって探す!?」

「ここはあたしに行かせてくれ! こういうとこでちょこまか動くのは得意だ!」

ククが名乗り出た

「見つけ出してこの光の剣で切り裂いてやる!」

「わかったわ、ここはふた手に別れましょう! でも危なくなったらすぐ戻るのよ!」

「そっちこそ出会ってそうそう死ぬなよ! もう葬式はたくさんだからな!」

ククはひょいっと身軽に建物を蹴って飛んでいった!


「それじゃ俺は気合で探すぜ! くらえ魔法コマンド:サンダー!」

雷撃をパイプラインに放つ!

衝撃でパイプは破壊された!

「ええいサンダー!サンダー!」

ダルスは雷撃をあたりに撒き散らした!

工場が破壊される!

「くっやっぱり適当に破壊しても出てこないか!」

「やみくもに撃っては駄目よ! もうあなたは無尽蔵の魔力はないんだから……」

「ハハハハ! 馬鹿がこれでもくらいな!」

上空からガス状の巨人の腕が何本も現れ、地面にパンチを繰り出す!

「ウワーッ!」

逃げるダルス達!


一方その頃ククロメイデスは

「へへっ鈍い!」

身軽にガス攻撃を避けつつ、高所に登っていった!

「くそっ、工場化はまだ広がっていってるのか……いやまて、円状に変化が起きている……?」

ククは気がついた

「そうか、なら敵の居場所はこの中心!」

その地点にダッシュする……しかしその時!

「油断大敵一攫千金……まさかそちらから我が獲物が来てくださるとは!」

「ぐッ!?」

ククは背後から飛び蹴りを受け、吹き飛ばされた!

「その光の剣は神器……魔王オリジネイターの伝説! カーディナルへの供物! 回収させていただきますよ!」

アーク神主の男だ!

「……お前が!」

ククは華麗に身をひねり着地し、獲物を狩る獣のような姿勢でアーク神主を睨みつけた!

「お前がおじいちゃんを殺したのか!」

「ウフフフフ! カーディナルの政策に歯向かう者などに生きる価値はないのですよ! つまり生きてようが死んでようがただのゴミなのでーす!」

「外道が! お前は、お前だけは許さない!」

ククは光の剣を作動させ、アーク神主に飛びかかった!


一方その頃ダルス達はガスの拳にてんてこ舞いだった!

「まったく、スケールが滅茶苦茶すぎるわ!」

あたり一面は流星群が落ちたかのようにクレーターだらけになっている!

ダルス達は辛うじて避けていたが、魔力も既に突きかけていた!

「強すぎるぜ……万事休すか」

しかしその時!

「見て、壊れた工場が戻っていく!」

ルーノンが気づいた……

ダルスやデューモス自身によって破壊された施設は再びノイズ分解され、直っていくのだ!

「しかもほら、直っていく方向が同じなんだよ!」

「なるほどね、壊れた物は放射状に回復していく、つまり……この回復の中心の方向に敵はいる!」

そしてネクロがその一点を見抜いた!

「この方向! ダルス!」

「オーケー! 残りの魔力を一滴残らず使い切るぜ!」

「それだけじゃ足りないわ、みんなの力をダルスに集めるのよ!」

そして3人の魔力をダルスに集中させた!

「行くぜ! 魔法コマンド:デストラクション!」

純粋な闇属性の破壊エネルギーが、一点に向けて発射された!

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