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230話(第2部2話『バーニング・ダウン・ザ・テンプル』7)

ククメロイデスの話……

「あたしの祖先は昔から神を信仰する神社の一族で、この光の剣も神から授かり先祖代々受け継いできたものだといわれている……」

神社の壁には古めかしい絵が貼られており、そこには光の剣とそれを持つ人間も描かれている

「でも、ワクワクが発展してくると都市の偉い奴等が光の剣を狙ってきて、剣はなんとか守り抜いたけど私たちは迫害され強制的に身分を落とされた……山と城壁に囲まれたこのポリスの出口は厳重に警備されて逃げることもできねえし、まともな職にもつけないから捕まらないように逃げ隠れながら盗みでもやるしかない……」

部屋にある家具なども盗品やゴミであろう……修繕や掃除をしても隠しきれない損壊がそれを物語る……ばらばらなデザインも、奥ゆかしい神社には似つかない光景だ

「じいちゃんは公権力に見つかった度に、代々の伝統を守るためってことでスラムの奥深くに簡易的に神社もどきを作ってたんだ……遷宮ってやつだ」

神社自体は粗悪な木材や廃材で作られた、ほとんど小屋だ

「で、光の剣はあたしの泥棒道具に成り果てたってわけだ」

ククは光の剣を懐中電灯じみて光らせた


「これであたしからの説明は以上だけど、あんたらは何か知ってるんだろ? なんでも良いから教えてくれ!」

話を聞いたネクロが答える

「私の知るところによれば……神話魔王と神器の事もあるんだけど今はそこは置いておいて、さっきの敵は前に寺で戦った奴と同じタイプ……寺の住職によれば犯人は別の神社……」

「なんで光の剣を神社が盗むんだぜ?」

「光の剣は伝統あるからー飾れば神社が大人気になるからとかー?」

ルーノンが予想した

「そんなことのために人殺しをしたってのか!?」

ククは憤った

「でも光の剣を知ってるのは国の上層部のはず……でもポリス上層部が剣を狙う理由もわからない……大手神社とポリスになんの関係があるのかしら……まさか!」

ネクロがはっとした

「ポリス上層部が神社を支配下に置いていて自由に操れるんじゃ!?」

「そういえば俺達の学校もポリスの悪いヤツに操られていたぜ」

「カーディナル……そうよ、ポリスの上層部がカーディナルだとしたらそんな横暴もあり得るわ……それにカーディナルは魔王ウィザードも知っていた、つまり神器についてもなにか情報をエている可能性が高い!」

「じゃあ、カーディナルは神器でなにか悪いことを企んでるに違いないってわけだぜ!」

「カーディナルは私たちが思っていたよりも、ずっと巨大な組織なのかもしれないわ……」


「なぁ、そっちだけで盛り上がってないであたしにもわかるように説明してよ!」

そしてククに説明をした……一万年前の文明崩壊後、神話魔王が民を救ったことやそれぞれの魔王が作った神器のこと……支配者魔王ウィザードの存在とその死……カーディナルという新しい敵のこととダルス達がこの場に来た訳を話した


「そんなことが……にわかには信じられないけど、だがわかった!」

ククが決心した

「あたしも戦う! 着いていかせてくれ! 仇を討ちたいんだ!」

「おうよろしく! それじゃ一緒に倒しに行こうぜ!」

握手を交わした……




一方その頃……エンシェントシティ最大の寺セイント・ヴァーチャー・テンプルでは……

「フォフォフォ……今回のゲームはワシ達、寺の勝ちとなりましたの……」

「ええ、そのとおりです……信者共と観光客のコントロールはいつもどおり正常ですね……賽銭係数は問題なくプラス成長です」

仏像型囲炉裏から燃える紫色の炎……それを囲んで大僧正と神主が会話をしている……

「ところで都合の良い駒を見つけての、そいつらに今回そちらが用意した魔物を倒させたのじゃが、これは今後の役に立つとおもっとるんじゃが」

「ああいや、今後その必要はありませんよ」

神主が否定した

「ほ、なんでじゃ? 長年に渡り寺と神社は争いを起こすことで信者の心理を操作し信者の競争心と観光客からの人気を集めてきたのじゃないかの」

「なぜなら……本当の神が我々に味方したからですよ、そして」

神主は立ち上がりお祓い棒を振り上げた!

「今日で長年の対立は終わるのです! さあ偉大なる煙神デューモス様お願いします!」

闇から突如として新たな人間が現れる!

「だ、誰じゃ貴様はァー!?」

大僧正は狼狽した!

「俺は神に選ばれた……俺こそが神!」

その男は、ブスブスと燃えて煙を吐く黒いフード付きジャケットを来た一見普通の青年……

「俺の名を讃えよ! デューモスの名に敬意を払え! そして死ね!」

デューモスからもくもくと大量の煙が上がり……無数の黒煙の獣が発生した!

「裏切ったな神の犬があああ! 来い僧兵ーッ! お釈迦様の力を見せつけるのじゃ!」

床や天井、壁の隠し扉から僧兵がなだれ込んできた!

「取るに足らない猿ども! 神たるこの俺に叶う道理はねぇんだよ! 大人しく俺への供物になりやがれ!」

僧兵と煙神デューモスの戦いが始まった!

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