226話(第2部2話『バーニング・ダウン・ザ・テンプル』3)
「ゲモモーッ! ギュギューッン!」
黒煙怪獣ケムリンが襲い掛かってきた!
「こういう黒いやつには神聖魔法だぜ!」
ダルスは魔法コマンド:ホーリーを発動させた!
しかしケムリンは無傷!
「グモモゲッシャーッ! シンセイゾクセイ……キカナイ……バカメシネ!!」
「忘れてたぜ……じゃあ適当にファイア!」
炎がケムリンを燃やすが、一度気体ボディを四散させて後すぐに戻ってしまった!
「ハハハ坊主以外の者と聞いて期待していたが所詮その程度か! くだらんな……ではサービスは終わりだ!」
ケムリンは巨大な拳の形となった!
そしてダルスに殴りかかった!
「ハハハ煙なら当たっても大丈夫だぜうぎゃあ」
激しい衝撃! ダルスは空中に突き上げられる!
「ぐわーだったら魔法コマンド:ウインド! 吹っ飛べ!」
しかし重量感のある黒い手は動じず、再びダルスを殴った!
「うわー思ったより強い!」
ダルスは錐揉み回転しながら吹き飛び寺の屋根に激突した!
「煙でも圧縮すれば重く固くなるのだ……」
黒煙の拳は再び姿を変え……刀になった!
「せいぜい弱小坊主に弔ってもらうんだな……とどめぇぇぇぇぇぇ!」
刀は屋根にめり込んだダルスに突っ込んでいった!
「肉を切り裂いてやるぜぇぇぇぇ……な、何!?」
ケムリンの動きが鈍る……そして凍りついていった!
「魔法コマンド:ブリザード……うまくいったぜ!」
「お、おのれ……オレの弱点を見抜いたというのか……」
そう、ケムリンの正体は煤の化物……闇じゃないので光属性が通用せず、煤は炎関係のなので炎属性が聞かず、煙といっても気体ではなく微細な煤が本体だったので風属性も通用しなかったというわけだ
「なんとなくだぜ……」
「こ、こんなのに負けるとは……しゅうううううん」
ケムリンは消滅した……
「おーい! やったねダルス!」
ルーノンが屋根にめり込んだダルスに叫んだ!
「おうやったぜ! 今そっち行くぜうわっ足が滑」
ダルスは地面に落ちた!
「いやーお強い! これお礼です」
ダルス達は現金を受け取った
「そしてあなた方、遠方からの旅行者なのでしょう? 少しばかりですがこれをどうぞ」
ダルス達の格差社会カードのランクが11上がり、2になった!
「なんだぜこれ?」
「格差社会カードは高ランクになると他者にランクを与えられるようになるのです、これであなた方の旅路は少し楽になると思いますよ」
「それは助かるぜ! どんどんランクをあげよう」
「また目的がズレてるわよ……でも今回はダルスのお手柄ね、ありがと」
ネクロが褒めた
「どういたしましてだぜ! でも俺がけっこう弱体化しちゃってるからこれだけで魔力がギリギリだったぜ……」
「今度からは節約して使っていくべきね……ま、いざとなれば私たちもいるから大丈夫よ」
「心強いぜ!」
そしてダルス達はお礼の金で遊びに行った……
「ククク……奴等は使えますね……」
しかし、それを見送るバード和尚は不穏に笑っていたが……?