209話
「興味深い進化と言えよう」
魔王ウィザードだったものが頭蓋骨の一部じみたものに食われていく!
「捕食による能力のコピー……死を克服し膨大な命を取り込んだ君はもはや人でも魔王でもゾンビでも無い」
「グシャッ!グシャッ!」
ウィザードが食われるほどに頭蓋骨に肉が纏われていき……魔王ビザールの姿を形成していった!
「シンギュラリティが取り込まれることで魔王世界は維持されるだろう……だが私を取り込むこと、その意味をいつか理解する時がくるだろう」
そして魔王ウィザードは完全に食われていった……
「人が科学を捨てぬ限りまた私は現れる……ではさようならだ」
「グシャ、アア、アアアアアアアアア!」
人型に回復した魔王ビザールが咆哮する!
「アアアアアアアアアア!」
始祖魔王の1万年間の魂、それに溶けた魔王ラプチャーの狂喜、魔王ウィザードの純粋なる科学信仰がビザールと融合する!
「グシャッ…グブァ……ゴチソウ……サマ……」
バタリと倒れた……
「死んだぜ?」
「生きているようだな……見ろ、世界の消滅が戻っていく」
空や大地の空白が元に戻っていった……
「おお俺やセーレも元通りだぜ」
「これで本当に一件落着……?」
ネクロの言葉に、セーレが返す
「しかし魔王世界そのものがこの魔王ビザールに取り込まれてしまったようなものです……大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫では無いでしょうね……これからはビザールをしっかり監視するべきでしょうね」
「ま、ともかく魔王ウィザードの話は一段落ってところだぜ!」
ダルスが言った
「久しぶりに俺たちの世界に帰ろうぜ!」
「……フフ、そうね」
ダルスの言葉で、一同は久しぶりに緊張から解かれたようだ……
戦いは終わったのだ!
だがルーノンが思い出し言った
「でも魔王世界から元の世界にワープする機械が無いよ?」
「アッそういえば!」
そして彼らはどうにかして人間世界に戻ったがそれはまた別のお話……
アルティメットファンタズム 第1部 【魔王の話】完結
第2部 【アタック・オブ・ディヴァイン・キングダム!】 に続く