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202話

セーレはペガサスに乗り魔王アーマー内部を飛ぶ!

「フョフョフョ……」「フィンフィンフィン……」

理屈は不明だが警備ロボの類はセーレのすり抜けスキルが有効で素通りしていた……

ドドドドドドド! 衝撃!

「これはダルスさんたちの戦闘……今は信じるしかありません!」

その時! セーレは全身に悪寒を感じた!

「「「「助けて助けて助けて助けて」」」」「「苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい」」」」

「この声は虐げられた魔王達の怨念! 魔王アーマーの材料にされた魔王の……!」

怨嗟の声がする方へ急ぐ! 

『魔王回路』と書かれた扉をすり抜け中に入ると……

「こっこれは!」

いかなる原理か、地平線が見える広大な空間!

床には何かが伝導する光のラインが張り巡らされ、その上には大量の透明カプセルが設置されている! カプセル内部には発行する液体に浮かぶ脳と脊髄、その他魔力神経系!

「これを破壊すれば魔王アーマーの性能は大幅に減らせるはず……! だけど……」

セーレは迷う!

この壮大なる魔王の成れの果て! 魔王世界の一般市民であった彼らを殺すことになるのではないのか? 百万の魔王の命を救うことはできないのか? かつての自分が救われたように!

ドガガガガガガ!

周囲の戦闘音はさらに激しく!

「アアアアアア!」

セーレは叫ぶ! 既に世界の終わりは目に見えて迫っている! ハルバードの力ならば意思なき肉塊を根こそぎ破壊し尽くすことは可能であろう、しかしそれは同胞を見捨てる行為!

「「「「助けて助けて助けて助けて……」」」」「「苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい……」」」」「「「帰りたい帰りたい帰りたい」」」

怨嗟がセーレの魂を蝕む!

「アアアアア! アアアアアア!」

セーレはハルバードを振り上げる! 床に張り巡らされる光のラインを見る! 見る!

「何で! こうなる! 魔王ウィザード! お前がぁーーッ!」

ハルバードの槍先を叩きつけた!

キュオォォォォォォ! 悲鳴じみた高音が響く! 黄金の光がラインを伝わり、円状に透明カプセルを輝かせ爆発していく!

脳や脊髄は言葉を発さない……しかしセーレは激しく燃える金色の閃光の中で、膨大な命が消えていく様を感じた

ドンドンドンドン! 生命が弾ける!

セーレは無数のオーバーフロー爆発に飲み込まれた!

視界が金に染まる

全身に熱を感じる

彼女はそれに抗うという意思は起こらなかった

この瞬間、セーレの理性は飛び、共に消えてしまおうという罪悪感が支配していた

しかしその時!

「ありがとう」

セーレは白い光の中に立ち、無数の魔王のシルエットに囲まれていた

「恨んでなんていない」「あなたは死ぬべきではない」「私達の意思を継いで欲しい」

魔王のシルエットが、セーレに吸い込まれていく……

魂が融合していく

「……わかりました」

セーレの魂に熱さが込められていく!

「共に行きましょう……これ以上の悲劇を起こさないために!」

全ての魔王シルエットが吸い込まれると、セーレの意識が減じるに戻っていった

気が付くと、彼女は破壊され尽くしたカプセルの瓦礫の中に立っていた

それは実時間ではわずか数秒の出来事であろうが、確かな現実であった

ゴォォォォォォォ……魔王アーマー・無限大の内部が悲鳴じみた咆哮を上げている

「ウ……」

セーレに魔王の力が駆け巡る!

その姿は変化し、金色の輪郭の漆黒の装甲を纏い、瞳は赤く光る!

全身に青白い魔力がスパークする!

セーレは自らを核に怨念を束ねる! 復讐の意思をその名として刻みつける!

「私は……私は、魔王ヴェンジェンスだ!」

魔王ヴェンジェンスは飛翔した!

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