201話
魔王アーマー・無限大に突入したセーレ
「グッ……ゥアッ……」
その空間は悍ましい邪気に満ちていた
「ここは現実ではない……? 魔王結界のような」
「アッハハハハハハーッ! ようこそー!」
突如弾ける笑い声!
セーレが振り返ると背後にはカラフルなピエロじみたドレスの少女!
「貴様は……魔王ラプチャー!」
「やぁやぁまた会ったね! フフ、ここは私の力で百万体分の魔王生体部品とシンギュラリティ、そしてあの人をリンクさせている空間! つまりー?」
瞬間! ラプチャーの姿が消失!
「!」
セーレが反応する間も無く虚空より巨大な手が生じセーレの全身を叩く!
「グアーーッ!」
すり抜けが効かぬ!
「つまりここでは私が王様ということなのだぁ!」
虚空からカラフルな巨大ボールが発射される!セーレは目視回避!だが巨大ボールはバウンドしセーレはたたきつけられる!
休むまもなく地面が波打つ……水輪が生じ、ピンク色の鮫が襲いかかる! セーレ神器ハルバードを鮫の口に突き刺す! 鮫は黄金に輝きオーバーフロー爆発!
鮫の爆発から無数の「?」と描かれたジャックインザボックス(びっくり箱)が飛び出た!
セーレはペガサスを召喚し自らに体当たりさせ跳ね飛んだ! ジャックインザボックス(びっくり箱)が爆発し薄青色の爆炎! 周囲の物体がどろどろに融解!
セーレは頭上に何かを感じ即座にハルバードを突き刺した! 三つ首の肥満体ピエロが爆散!
セーレの左右から電子音の鳴き声! 真っ赤な犬人形と真緑の猫人形! 犬は青紫色の雷撃を放つ! 猫は目から圧縮空気弾丸を放つ! セーレは転がるように前に走り回避する!
だがセーレの背に鋭い痛み! 痛みに耐えハルバードで背後を斬りつける! 全身からナイフが貫通した幼児がはじけ飛んだ!
「ハハハハハハハハハハ! ハハハハハハハハハハ!」
暗黒の空洞に狂喜の笑い声が響く!
パステルカラーのクマのぬいぐるみが降り注ぐ! それから裂け、タコじみた触手が伸びる! セーレはバトンじみてハルバードを回転! 傘のようにセーレを守る! タコじみた触手はハルバードに接触した途端にぬいぐるみごと爆発四散する!
「ラプチャー本体を叩かなければ……!」
ハルバードから送られるは無限のエネルギーを取り込むことでセーレは肉体の傷を強引に癒やすが、一定のリズムを崩せば自らがオーバーフロー爆発しかねない危険行為である!「アハハハハハハハハ! もっと! 楽しもうよ!」
赤ん坊の顔、蟹の足、蛇の尾、マグロの体でチェック柄のキメラ・モンスターが突撃する! セーレはペガサスを召喚しハルバードで破裂寸前ばでチャージし走らせる! 衝突し爆散!
外部ではダルスたちがウィザードと戦闘している……それでも敵はまだここまでの戦闘リソースを残しているというのか!
「ハハハ楽しいね! 流石神話魔王の神器! それじゃあこれはどう!?」
「!」
ボコボコボコ! 虹色触手で編まれたの繭が生える! そして繭が弾け、中から粘液に塗れた魔王が生まれた!
「魔王ハピネスです」「魔王ジャグラーです」「魔王スマイルです」「魔王チアフルです」「魔王ドラッグアビューサーです」「魔王セロトニンです」「魔王ヘヴンです」
始祖魔王シンギュラリティの魔王産み能力である!
セーレは即座に近場にいた巨躯の魔王、チアフルの頭部にハルバードを刺す!
「ビャ……ウギョボォーーッ!」
ハピネスは暴走し生まれたての魔王の群れに突っ込み爆発!
「ピキーーッ!」
魔王ハピネス、セロトニン、スマイルが爆裂! 血肉が舞う!
「フォォハハハハヒャヒャヒャ!」「ニィィィィィィィ!」
ドラッグアビューサーが両手に注射器を構えセーレに走る! ジャグラーはナイフをお手玉し、回転をかけ投擲!
セーレはドラッグアビューサーをギリギリまで引きつけハルバードで爆破! 爆風でジャンプしナイフを回避し空中でペガサス召喚し騎乗! ジャグラーを横切りつつ爆破し魔王ヘヴンにハルバードを突き刺す!
「ガンギャゴッゲベーッ! ヘホーッ!」
魔王ヘヴンは突き刺さった上半身と首を切り離す! 胸部が爆発! 頭部と下半身部が合体! セーレを蹴りつける! セーレは体を捻りジャンプ回避し逆にヘヴンの頭を蹴る!「ヴァーッ!」 続けざまにハルバードをねじ込み爆散!
「クッ! クッ! アヒャ! それじゃ次は」
「次はありません!」
セーレは地面にハルバードを突き刺した!
黄金の波紋が地面を伝わる!
「しまっ……! アババババババーッ!」
虚空に黄金の電流が走り、魔王ラプチャーがはじけ飛んだ!
「魔王の繭が生えたのを見て気が付きました……3魔王要素全てが融合しているなら、この空間のどこでも貴様と繋がっている!」
セーレは苦しみのたうち回るラプチャーにハルバードを突き刺す!
「ア……ア……」
黄金の光がハルバードに吸い込まれ、ラプチャーの発光が弱まった
「あなたがこの機械を止めなさい」
セーレはラプチャーに言った
「そうすれば命は……」
言い切る前に異変に気づいた
ラプチャーが液状に魔王アーマー内部に溶けていく!
「! ハルバード!」
「ハハハ……もう遅いよ……私の役割はあの人とシンギュラリティを結びつける媒介……」
ラプチャーの声が小さくなっていく
「最後は私も生体部品のして一つに……なる……ッフハハ…ハハハ……嬉しいなぁ……」ラプチャーは完全に消えた
「クッ! どうすればいい!」
狂喜の終わり……