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184話

魔王モンクは走っていた……

「くそ、なんだ!? この馬鹿みたいな力は!」

彼女の走るその先には、ビルで覆い尽くされ全貌が見えないが赤い巨人の姿があった!

「こっちまでエネルギーが伝わってきやがる……!」

赤い巨人はかなりの速度で移動しており、モンクはそれを追う!

その道筋には破壊が刻まれ建物は破壊され、地面はえぐれ、無数の武器が落ちている……剣、棍棒、銃火器……怪しげな魔法道具の類……

「くっ! あのオッサン野郎!」

そして彼女が赤い巨人の元にたどり着いた時、見たものは

「ガッ……まさか全ての武器を出しても勝てぬとな……敵ながらあっぱれよ……ガッハッ……ハ……」

もはや武器の全てを失い、無残に破壊された魔王カタクラフトの姿であった

「戦闘能力ノ低下ヲ確認、確実ニ生命活動ヲ停止可能ト判断」

血のように赤い体、黒い右翼と白い左翼を持つ全長15メートルほどの巨人……魔王タナトスは他のゾンビよりは自然に、しかし冷徹な口調で言った

「対象ノ落命ヲ執行、死ネ」

魔王タナトスがその足でカタクラフトを踏み潰そうとした!

しかしそこにモンクが走る!

「勝手に死んでんじゃねぇ!」

モンクの周囲に青いオーラが展開! それは無数の龍の姿となり、魔王タナトスに突進した!

魔王タナトスが爆発し、肉が吹き飛んだ!

「敵性分子ヲ確認、落命執行ノ方法ヲ変更」

「ァン? 何を」

次の瞬間、魔王タナトスはロケットじみて飛んだ!

その衝撃で大地が揺れエネルギー龍が一時的に吹き飛ばされる!

「やべぇ! 逃げ……」

言い切る前に空中より巨大な質量が倒れていた魔王カタクラフトに落下した!

「グゥゥゥゥ!」

とてつもない衝撃が発生し建物の窓が割れる! モンクは吹き飛ばないように踏みとどまることが精一杯だった!

「対象ノ死亡ヲ確認」

土煙で視界が晴れぬ中、タナトスの冷徹な言葉が聞こえた

「ゾンビ化ヲ実行シマスカ?」

「フォフォフォ、よくやった! さすがワシの最高傑作じゃ……死体は損傷を修復し防腐をしておけい」

「了解シマシタ、ソレデハ実行シマス」

その時タナトスに光るエネルギーの塊がぶつけられた!

しかしタナトスは振り向きもせず足元の血だまりに手を伸ばそうとする

「てめぇ! 無視してんじゃねぇーッ!」

さらに青いエネルギー龍が次々と爆撃!

「ふーむ……一つの命令しか実行できない柔軟性の低さが課題じゃなぁ……」

奇妙な老人、魔王ネクロマンサーはつぶやいた

「どれ、命令変更じゃ! その魔王をゾンビにせよ!」

「命令ノ変更ヲ確認、戦闘ニ移行……」

タナトスは巨体に見合わぬスピードでモンクに向き合った

「別にカタクラフトの野郎の敵討ちってわけじゃねぇが……あいつをゾンビなんかにされて敵に回されたら厄介だからな、てめぇを潰す!」

魔王モンクの足元でエネルギーが弾け、大きく飛んだ!

「西方の虎!」

モンクの腕にその数倍の大きさの白い半透明のエネルギー獣の手が重なり、タナトスの顔面をなぎ払う! 顔切断!

「発動、死神ノ鎌」

しかしタナトスは動じず、黒い右翼が液状に溢れ、凄まじい大きさの鎌の形状に変形! 頭は再生!

「執行」

空中のモンクに斬りかかる!

「北方の亀!」

モンクのオーラが変化し、正面に黒いエネルギーの亀が出現! 黒い鎌を防ぐ!

「南方の鳥!」

さらにオーラが赤く変色! モンクを中心に赤く燃える鳥のエネルギー体となった!

「燃えろぉぉぉぉぉぉぉ!」

灼熱の火炎放射がタナトスに襲いかかる!

「発動、血ノ雨」

魔王タナトスの体から何本かの管が伸び、赤い血液を噴射した!

炎が消える!

「アアア気持ち悪いんだよ! 東方の龍!」

モンクのオーラが膨張し、本人よりも大きな青いエネルギー龍がタナトスに突進!

「発動、血ノ循環」

撒き散らされた血液が球状になって浮き、龍のエネルギーにまとわり付いた! さらにタナトスの体が縦に割れ、エネルギー龍が引きずり込まれ、肉の裂け目が閉じてしまった

「これじゃ打つ手無し……なんてな!」

突如タナトスを囲っていたビル群が倒壊しタナトスを押しつぶした! 突進したエネルギー龍を囮にし残りでビルの基盤を破壊していたのだ!

「……チッ」

モンクは舌打ちした

「命令実行ニ問題ナシト判断」

タナトスの白い左翼がタナトスを覆い尽くす巨大な白骨の鎧となり、ダメージを防いだのだ!

「発動、昇天ノ翼」

白骨が白い翼に戻ると液状に噴出し、無数の白い翼の生えた手という奇妙な物体に変化!

それは即座にモンクに襲いかかる!

「まとめて喰らい尽くしてやる!」

青いオーラが一気に膨張し、巨大な青い龍となった!

「ぶち殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

しかし! 青い龍が白い手の一つに触れた瞬間、一撃で消滅!

「何だと!」

大きさに関係なく触れたモノを消滅させる技であり、小規模なエネルギー体を大量に放つべきだったと気づいた時、既に遅かった

「ア」

モンクの視界は白い手に埋め尽くされた

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