158話
魔王ラプチャーは道化師めいたカラフルな薄いドレスを着た少女の魔王! その笑顔の瞳の奥は混濁した黒さ……
「いくよ精神攻撃! 踊れー!」
目には見えない洗脳信号が放たれる!
「読んでたわ! 魔法コマンドマインドディフェンド!」
シュパパパパーと光のバリアがネクロやギルドが包んだ!
「そりゃ対策してるよねー、でもだめなのだ」
ラプチャーは両腕を広げた……
「顔を喰らえー!」
空中の顔面が一斉にネクロ達を向き、笑ったり怒ったりした!
そして高速で突っ込んできた!
「グワッバォーッ!?」
ドラゴンがボーリングのピンじみて弾き飛ばされた!
「そんなのが奥の手なのかしら」
「手ぬるい!」
ネクロと剣士のリムが頭を踏み石にしてラプチャーに接近した!
「鉄手甲チョップ!」「ヘビーソード!
魔王ラプチャーを三等分にすべく斬撃!
しかし二人の攻撃は虚しく空を切った
「残念、幻覚だよ」「本物は私」「違うよこっちこっち」「どれかなどれかな」「フハハハ苦悩するがヨイ」
気が付くと空間中に何十体という魔王ラプチャーがからかってきていた!
「忍者かピエロかどっちかにしやがれ!」
「私に任せて! 影分身の術!」
ネクロが13人に分身した
ネクロの忍術と魔法を組み合わせた高等技術だ!
「そして分身全員による毎秒49の連続手裏剣よーっ!」
「ワー!」「ギャー!」「グボー!」「アバー!」
ラプチャー分身が手裏剣を受け瞬時に消え去った!
「なん」「ちゃ」「って」「ねーっ!」
「馬鹿な! 分身体が見えないのに声が!」
その声は空中の顔からであった!
「アッ空中の顔がいつの間にすべてラプチャーの顔に!」
「怖い!」
そして空中ラプチャー頭部が集まり合体していき……巨大な人型になった!
「くっ顔だけで巨人の姿に! 例えば目も顔だし手は大きな顔に3個連結した顔が5つついていたりしている不気味な姿! ありえないわ!」
「魔王結界は魔王の理想の支配領域を生み出す能力! この世界ではすべてがラプチャーの思い通りだ!」
リムが解説した
「そういうわけで死んじゃえ!」
魔王ラプチャー中の顔の口から火を吹いた!
「ファイアシールド!」
パラディンのメリーが防火スキル防御!
するとラプチャーはその巨大な手でメリーを押しつぶす!
「メリー!」
すぐさまリムが来て腕を切り落とした!
「アアハアアハハハハハハ!」
切り落とされた腕は無数の顔に分解しそれぞれが口から炎、目から電撃など多彩な攻撃を繰り出す!
「手裏剣手裏剣手裏剣クナイクナイ手裏剣魔法コマンドギガブリザード!」
「オラオラオラ火炎術雷撃術氷結術地霊術! 切りがねぇ!」
ネクロと魔術師のカームは攻撃する! しかし決定打が与えられぬ!
「ドシャーン! ゴシャーン!」
ラプチャーがもてあそぶように巨体を振りかざし攻撃する!
「くっ……もうけっこうやられた」
「こうなったら私の必殺技を使うしかないわね!」
ネクロが巻物をくわえた! するとネクロを中心に風が渦巻いた……
「へぇー、何する気」
そしてネクロが数百体に分身しぐるぐる回って巨大竜巻が起きた!
「おーおーおーおー」
無数のラプチャーの表情は驚きを浮かべた!
「スゴイ! 巨大な竜巻は数百の分身が刀などによる攻撃を高速で行い中の魔王ラプチャーの肉が削げていく!」
竜巻は血で赤くなり見えなくなった……そしてラプチャーの笑い声が消え静かになった
「倒したぜ!」
「誰を?」
おおなんということか! 竜巻が弾け消え、中で少女姿のラプチャーがぐったりネクロを掴んで浮いていた……
「す……すまない……」
「君たちもう飽きたよっ」
ネクロの体を放り投げた
「大丈夫か!」
ドラゴンがキャッチした
「そろそろ仕事もあるし遊びはおしまい!」
「ばっ馬鹿な今まで本気じゃなかったというのか」
「いえーす!」
魔王ラプチャーの頭から青白い樹状の光が広がる!
「ぐっ絡みつきやがる!」
「盾じゃ弾けない!」
樹状の光は魔王ギルド達に巻きつき拘束した!
「必殺シナプス爆導索! レッツ……脳爆破!」
「うわああああああああああ」
しかしあわや惨殺と思われたその時!
「グシャァァァァァ! タベラレルォォォォォォォォォォォ!!」
空間が裂け魔王ビザールが飛び出してきた!
「おおーういえーい面白そうなの!」
ラプチャーがジェスターの噛み付きを回転ジャンプで回避! シナプス爆導索は解除されギルド達は開放された!
「イチバンノモクテキノヤツハイナイヨウダガ……キサマモトクジョウヒンダナ!」
「あはははは、君はゾンビだねぇ! 洗脳は効かないなぁ」
「ノウガクサッテルカラナ! ソッチノマオウモナカナカ」
その時巨大戦艦が突撃した!
「グシャーッ!?」
魔王ギルドはパラディンのメリーが盾でなんとか防御した!
「みんな逃げろ!」
リムが賢明な判断!
「ありゃりゃ、ポポのやつしくじったかな?」
ラプチャーが空間を激震させる巨大戦艦スカイハイ号を見てつぶやいた……
「魔王結界解除ー」
空間が光輝き、次の瞬間ビルの屋上の景色に戻った……
一方その頃その様子を遠く離れたビルの屋上から見ている4人組……
「あのゾンビの魔王がギリギリで仕事してくれたみたいだよ」
白い石の鎧を見に包む魔王、魔王ゲートキーパー!
「ヒヒヒ当然、俺が見つけた大当たりだからな……食料庫を食い散らかして寝てた時はヒヤヒヤしたけどな」
サイケデリックアートなシャツとジーンズ、パーマがかった長髪で痩身の魔王、魔王ネイチャー!
「俺もそろそろ行かせてくれよ」
こちらは拳法家じみた服装の少女……魔王モンク!
「グオー……グオー……」
地べたに座って寝ている大男……この男の名はベンケイ! またの名を魔王カタクラフトである!
「焦らない焦らない……もうちょい見学してようぜ」
ネイチャーは仲間に言った
「今は丁度0時00分! 長い一日の始まりだぜ!」
混沌深まる……