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124話

ダルスたちは野生の鹿モンスターや死霊集合体や魔王ティラニー・魔王アウトレイジを倒し町に辿り着いた……一方その頃に人間世界のマジックカンパニーでは魔王ウィザードが語りだした……

「君の見た光景はまさに一万年前の光景だ! 人類が魔法という名の特異点に到達したことで世界の定義は書き換わった! 再定義により既存の世界の破壊が起き、ほとんどの生命と文化は滅びたが、生き延びた人類は魔法を使うようになり、動物はモンスターへと姿を変えたものいた」

魔王ウィザードは自らの顔に手を触れた

「そして! 技術的特異点が発生したまさにその場所、研究所に居た1人の人間は膨大な魔力に溶かされ……新世界の基盤の存在に生まれ変わった!」

「まさか」

リッカーは戦慄した……彼の価値観が、常識が、考えるまでもなかった前提条件が、音を立てて崩れる!

「そう、魔王だよ! すべての魔王の父であり神である魔王、シンギュラリティが生まれたのだ! その余波とも言うべきか、暴走状態のシンギュラリティによって数人の研究者が魔王化され、その一人が私なわけだ……嘘だと思うかね?」

「いいえ、納得しましたから……神の果実とはその……シンギュラリティの一部……ということですね」

「うむ、その通り」

「それがダルスの中に存在したことで怪物を作り出し、精神世界に引きずり込む現象を起こした……シンギュラリティの記憶を私に見せた!」

「それで正解のはずだ、リッカー……しかし君の頭には疑問が沢山浮かんでいるだろう、『シンギュラリティはまだ生きているのか? それならば今どこにいる?』『何故シンギュラリティの一部があの男にあったのか?』『何故神の果実は鎮守の村や洞窟にあったのか?』『何故魔王ウィザードは十二神魔王の一員をしていたのか? 何故人間世界で会社の社長をしていたのか?』『なぜ魔王世界を侵略するのか? いまこの時に行うことに理由はあるのか?』『魔王世界とは何なのか?』『他のシンギュラリティに魔王化された人間は生きているのか?』……まあこんなところかな?」

「私の一番の疑問は、『何故私にこの話をしたのか?』です、社長……私は単なる雇われ人間です」

魔法狩人リッカーは油断なく言葉を出す、内心の動揺を隠すよう、表情は変えず汗も流さずに

「ほう、理由としては……知ったところでなにも変わらないから、かな」

この言葉と態度から、リッカーは眼前の男の目的を電撃的に導き出した!

魔法機械! 科学都市! 特異点!

この魔王の目的はおそらく……

「あー、それに気づいちゃ駄目だよ」

「誰だ!」

不意に声が背後から聞こえ、彼は振り向いた!

「はーい、私は魔王ラプチャーだよ!」

「子供……? いや、この感じは只者ではない!」

魔王ラプチャーは一見無邪気な少女だ、しかしその瞳の奥には尋常ではない怪しさが光る

「あなたはねー、いけないことまで気づいちゃったの、だからそのことは思い出せなくしちゃうよ」

魔王ラプチャーはその小さい腕を伸ばす

リッカーの全身に寒気が走る! この魔王は敵だ!

「対魔王毒薬ナイフを喰らえ!」

瞬間的に隠し持っていた魔王対策武器を少女に放つ!

「あはは、ドコに投げてるの?」

「グワッ!? 馬鹿な!」

なんとリッカーは投げたつもりのナイフが自分自身に突き刺さっていたのだ!

「私は脳を操るんだよっ、あなたは投げたつもりだったけど脳を操って自分に刺させたってわけ!」

対魔王毒は人間に効き目は薄いが、リッカーは倒れ動くことが出来ない

「金縛りか……?」

「正解! それじゃあ忘れて貰うよー」

魔王ラプチャーの手がリッカーの額に触れた

「待てラプチャー、記憶は完全には消去せずに切り離して思い出せないようにするのだ」

「んー? まーべつにいーけど」

そして魔王ラプチャーの手から電気のようにカラフルな光が弾け、リッカーの意識はここで一旦途切れた

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