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勇者は何も語らない  作者: 真地 かいな
第3章 脈動
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師匠と私



「師匠! 師匠!!」


私は師匠の姿を探す。昨日も私は寝付くまで魔術書封印の解き方を考えていた。古代遺跡から持ち帰ったあの魔術書だ。

あの魔術書には師匠ですら、見た事も聞いた事も無い封印が掛けられていた。それを何とか解けさえすれば、さらなる魔術の深淵にこの身を浸す事が出来る筈なのだ。もしかしたら、師匠と2人で探し続けている消えた歴史が紐解けるかも知れない。


私は、今朝閃いた魔術書の解印方法を師匠に伝える為に師匠にあてがわれた部屋を訪れる。


「師匠? 居ないのですか? …またかっ!」


部屋に師匠の姿はなかった。最近の師匠は、何処にいるのか分からない時間が多くなってきている。それもこれも全てはこの村の奴等のせいだ。師匠の魔術に魅せられた子ども達が馬車馬のように師匠を働かせているのだ。やれ魔法を教えろだの、やれ水を出せだの。全く…師匠を何だと思っているのだろうか。


私は、師匠が魔術講座で使っている部屋へと足を向けた。扉の前まで近づくと中から話し声が聞こえてくる。やはり、村人に連れ去られていたようだ。


「ホッブズさんも遂に出来ましたね」

「おぉ〜スゲェ! この白い光が出せたら魔法を使えるんだよな!? なっ!?」

「やったじゃねぇかよ!」


何を興奮しているのか、扉の外からでも中の様子が分かってしまう。私も初めて手の平に魔力を集められた時には興奮したものだ。ただ、古代魔法を用いる為には魔力を集められるようになっただけでは無理なのだがな。


私は、聞こえてくる興奮の声を遮るような大きな音を立てて乱暴に扉を開けた。私の視界に始めに飛び込んできたのは驚いた子ども達の顔と、師匠の楽しそうな笑顔だった。


「やぁ、セキおはよう! セキもこっちに来て座りなさい。講義を手伝っておくれ」

「…はい」


魔術書の話をしようと思っていた私だったが、師匠の無垢な笑顔には逆らえなかった。師匠がこんなにも楽しそうにしているのはいつぶりだろうか…ちょっと思い出せそうにもない。


「…師匠?」

「あぁ、私の代わりに魔術の実演をして欲しいんだよ。見ての通り、私だと手の平に魔力を集めてから色を付けて、古代魔法の発動をさせる一連の流れは見せられないからね」

「…はい」

「皆んな! セキは皆よりも幼いが、それでも魔術は十全に扱える! この子を見た目で侮ることなく、学べるものは真剣に学ぶんだよ?」

「「はい!」」


躊躇いがちに魔術書の事を話そうとしてみると、師匠は私が何をすればいいのか迷っているように感じたようだ。両腕を失くしてしまった師匠には、確かに手の平に魔力を集めてといった実演は難しい。


私は師匠の腕がある筈の場所に目を落とした。この腕は私の命の身代わりになったのだ。


「さぁ、まずは魔力を手の平に集めて見せてくれないか? 皆はセキの中に流れる魔力がどんなふうに変化しているのかを探ってみて欲しい。最初は見えない魔力の感知は難しいだろうから、手の平に顕著した魔力を感知することから始めてみよう」

「「はい!!」」


子ども達の視線が私に注がれる。私の手に視線を集めて、どのように魔力を集めるのか、それをどうやって魔法にするのかを学ぼうとしている。


私は言われるがままに、手の平へと魔力を集め始めた。


「おぉ〜!」

「スゲェ〜」

「アレ? 赤いぞ?」

「簡単にやり遂げるのですね…」


私の手の平には赤い魔力が集まった。普通は白い魔力が集まるのだそうだが、私のは赤く、すでに火の魔力が宿っている。稀にそういった属性に愛されたヒト族がいるのだそうだが、その場合、他の属性を操ることが苦手になる。代わりに、愛された属性は他者よりも巧みに扱えるようになるのだそうだ。


「これが属性変化された魔力の姿です。白の魔力は無属性と呼ばれていて、それだけでは使える魔法は限られています。属性変化させることによって様々な魔法を扱えるようになるのですよ」


師匠から手に集めた魔力を属性変化させるように促される。子ども達は、今はまだ顕著させた魔力を見ているだけで、その存在を感じ取っている訳ではない。それを感じ取れるようにしたいのだろう。


「ではセキが行う属性変化を感知してみてください。それと、セキは魔力をもう少し減らしなさい。その魔力量では部屋を破壊してしまいますよ」


控えめにしているつもりだったが、師匠にしてみると見本として見せる魔力量としてはまだ多いようだ。私はミオから教わった魔力制御を行い、集まった魔力を減らしていく。次に火の魔力を水の魔力に変化させてみた。特定の属性に愛された者が属性変化を苦手としているとはいっても、出来ないことはない。もっとも、1秒を争う戦闘中にはこういった事はあまりしないが。


「どうですか? 誰か、視覚以外で変化を感じ取れたヒトはいませんか?」


私の魔力が赤から青に色を変えると、師匠が子ども達に質問する。しかし、誰も感知出来たものはいないようだった。師匠が私に視線を投げかけてくる。私はその意を汲み取り、青から緑、緑から黄、黄から白へとゆっくりと属性変化を続けていく。


「あぅ!」

「はい、マメルさん! 何かを感じ取れましたか?」


マメルと呼ばれた幼子が奇声を挙げた。戸惑いを見せるマメルに、師匠は優しく問い掛ける。


「大丈夫ですよ、間違っても構いませんから何を感じたのか教えて下さい」


皆の視線を集めて、目を泳がせていたマメルは師匠になだめられて落ち着きを取り戻していく。自分と同じぐらいの年齢のくせに落ち着きのないその様子に少し苛ついた。


「あの…その…少しだけそんな感じがしたという程度なのですけど…」

「はい、どうぞ。どんな感じがしましたか?」

「黄色から白色に変化する時、何だか温かい気持ちになりました」

「…なるほど」

「あの…それだけです」


それだけなのか?

それが何だと言うのだ、バカバカしい。火属性が温かいのなら分かるが、無属性の魔力に温かさを感じるなどある訳が無いだろうに。魔術に適性のある者なら、土属性で感じ取れたドッシリとした安定感が、万物に変化しそうな不安定な力に変化したと答える筈だ。全く…こんな奴が私と同年代だとはな…。年長の者も何も感じ取れないようだし、こんな奴等を教えている師匠は何に喜びを感じているのだ?


「素晴らしい! マメルさんは慈愛神教に敬虔なようですが、どなたかに師事を仰がれましたか?」


なに?

師匠は何と言ったのだ?

素晴らしい?

馬鹿な、そいつがやったのは魔力感知ではない。ただの妄想から出た戯言ではないか。


「あっ…いえ、ミレーヌ様はもちろん、ハンス様も教義にはそれほど詳しくなかったので、文字だけ教えて頂いて…遺された教典を自分で読みながら…それに他の大人の方々は…」

「そうですか…失礼。ならば、マメルさんは慈愛神の教えを自身で探してらっしゃるのですね」

「…ぁうっ…」

「何も恥ずかしがる事ではありませんよ。自身で神の教えを探し求める事こそがあらゆる宗教の真髄ではありませんか? 貴方は本当の慈愛神教徒なのですね」

「ぅぅぅ…」


何が恥ずかしいのだ? 自分が行って来た事が認められるのが恥ずかしい事なのか? しかも、貴様が師匠に認められているのは神への信仰だろう? それを恥ずかしがるなど、同じ教徒達への…引いては神への冒瀆ではないか!!

師匠も、そんな奴の事など褒める必要など無いのだ!


「ぅぅ…」

「アルバートさん、そろそろ講義を続けて下さい。それに…マメルもいい加減に顔を上げろ。褒められたんだから自分の信仰に誇りを持って堂々としていれば良いんだ」

「あぅ…バミルさんゴメンなさい」

「謝らなくて良い」

「あぅ…」


バミルとやらの言う通りだ。本来あるべき姿を取れない奴など神に遣えるべきでは無い。


「ははははは。まぁ小さな聖職者さんは自分の信仰にまだ自信がないようですね」

「ぅぅ…信仰は他人と比べようなモノではありません…」

「確かに! マメルさんの仰る通りだ! ははははは」


本当に師匠は、何が楽しいというのだ…。


「さて、それよりもマメルさんが感じた温かさの事ですが…」

「そうだよ! それだよ! 何なんだ?」

「バミルさんも、落ち着いて下さいね。無属性の魔力は私達ヒト族の深淵に眠る力だと言われています。その力に温かさを感じる者は神聖魔法の適性があるのだというのが通説です。マメルさんは本当に小さな聖職者さんですね」

「「おぉ〜」」


師匠の言葉で耳まで真っ赤にさせたマメルが顔を俯かせた。古代魔法では無いが、神聖魔法に適性があると言われたのが嬉しかったのだろう。しかし、師匠もヒトが悪い。私は師匠からそんな話は聞いた事がないぞ?


「ってことは、マメルは神聖魔法が使えるようにらなるんだ!」

「スゲェ!」

「まぁ、これからも神の教えを求めていれば、遠からずそうなるでしょう。マメルさんは言われなくてもそうなさるでしょうがね」

「「おぉ〜!!!」」


子ども達が自分の事のように喜び出した。更に顔を上げられなくなったマメルの横で、何が嬉しいのか祭りのようにはしゃぎ回っている。


「それでは、続けましょうか」


ひとしきり騒いで喧騒が静まってくると、師匠が講義を続ける。私は簡単な水系統魔法を詠唱して魔法を実演した後、子ども達全員が何かしらの魔力を感知出来るまで属性変化を続けた。

全員が何かしらの魔力を感知出来れば私に出来る事は少ない。それぞれが感知出来た魔力ーー適性があるだろうと思われる魔力ーーに属性変化出来るようにひたすら訓練するのだから。

無属性の白い魔力を集められるマメルだけは、その集められる魔力量をさらに増やすように特訓する。


皆が皆、師匠の言葉に従って真剣な面持ちで訓練に励んでいた。


「そう! その調子ですよ!」


ビリーとかいう大人しそうな子どもが属性変化に成功しそうだ。師匠がビリーを励ます声にも力が入っている。


私は師匠に断りを告げて、その部屋を離れる。


何だかよくわから無いが、心の中がヤキモキする。師匠の笑顔を見れば見る程、その気持ちは大きくなった。私は今の師匠から逃げ出したかった。


こんな風に気持ちが落ち着か無い時は、魔術理論に想いを馳せる事にしている。私にはちょうどいい対象があった。

いつも師匠と魔術書について議論していた広間に着くと、雪崩れ込むように椅子へと座る。そのまま、机に突っ伏した私は……魔術書を取り出す気力が湧いてこなかった。


「よぉ、どうかしたか?」


誰だ? 私に声を掛けてくるのは。

重たい身体を無理矢理移動させてみれば、暗い表情のティムがそこに立っていた。


「何だ? 何か用か?」

「…別に用って訳じゃねぇけどよ」

「ならば去れ。私は疲れているんだ」

「何だよ、心配してやってんのに」

「うるさい!!」

「へーへー」


私はまた、机に突っ伏した。

頭の中がゴチャゴチャしている。そんな時に、ティムなんかに構っている時間はないのだ。このゴチャゴチャを制せないようでは、師匠のような立派な魔術師になど成れないだろう。早くなんとかしなくては…。


「くそっ…」


つい悪態ついてしまった。頭の中のゴチャゴチャを制する為に、何も考えないようにしようとしても、モヤモヤとしたモノが心をかき乱す。魔術理論にだけ思考を傾けてみても、横からモヤモヤが顔を出して来て、心の中座にドカンッと座る。くそっ…苛立たしい。


「何か行き詰まってんのか?」

「っ!?」


完全に油断していた。

驚愕に顔を上げられば、そこにはまだティムがいる。しかも、勝手に私の前の席に座っていたのだ。


「何だ貴様は!? 立ち去れと言っただろうが!」

「毎日眺めてる本の事かよ?」


私が声を荒げても、ティムはどこ吹く風で意に介さない。いつもなら、口喧嘩に発展するような状態なのに、ティムはまるで私の事を心配するような言葉を紡ぐ。


「っ………貴様には関係無いだろう」


くそっ…コイツは何なんだ?

私の心配をするような奴を相手に、それがたとえティムであろうと、喧嘩腰で話すのは私の興が削がれる。何がしたいんだ?


「そうかよ…まぁ、そうだよな」

「ちっ…何だ? 何か用があるんじゃないのか? 貴様がそんな様子だとやりにくくてしょうがない。さっさと要件を話せ!」

「…あぁ…まぁな。お前の師匠は何処だ?」

「師匠は今忙しいんだ!!」

「何だよ、怒るなよ」


師匠は忙しい?

何で忙しいんだ?

何故私は苛立っているんだ?

…全部コイツの所為だな。

全部、様子のおかしいティムが悪いんだ。


「ならよ、お前は分かるか?」

「何がだ? お前が知らずに私が知っている事をまとめれば書庫が出来るぞ。何が分からないかハッキリと言え!」

「ちっ…いちいち偉そうな奴だな。…まぁいいよ…あのよ…」

「くっ、何なんだっ!?」


何なんだ、焦ったい。


「どうやったら魔力を使えるようになるんだ?」

「何だと!?」

「だから、魔力の使い方を教えてくれって言ってんだよ!!」

「っ…」


何だ?

何を言っている?

魔力の使い方だと?

ティムがか?

バカなのか?

剣を振るのに、何故魔力を必要としているのだ?

剣を振りながら魔法を使っていては、自ら隙を作るようなものではないか。

ティムの剣術ならば、そんなことは必要無いだろうに。


「何故だ?」

「あん?」

「何故、魔法が必要なのかと聞いている」

「あぁ…そりゃまぁ、よ」

「…早く言え」

「アレだ、お前は覚えているか? ゴブリンキングが死んだ時の技をよ」


ゴブリンキングが死んだ時の技?

自分でやっておいて、他人行儀な物言いだな。それがどうしたと…いや、そうか。


「あの技には魔力を使っていたのか?」

「…多分な」

「多分だと? 自分でやった事なのに分からないのか?」

「いや…まぁそのよ………」

「何なんだ!? お前らしく無いぞ!」

「ちっ、もう良いよ!!」

「あっ、おい!」


ティムはいきなり立ち上がり、その場を去ろうと背を向ける。聞かれたく無い事でも聞いたのか? 私が悪いのか?


「待て!! 魔力だろ、教えてやる!」

「本当か?」

「ああ、それでお前があの技を簡単に使えるようになるのなら、リオンの為にもなるんだろう?」

「リオン? …あぁ、まぁその通りだ! ありがてぇ早速頼む!」


よほど魔力制御を求めていたのだろう。ティムは迫るように私に近付いてきた。興奮を抑えられ無いといったその面持ちは見ていて悪いものでは無いが…いかんせん、ティムに近付かれるといつもの喧嘩の事を思い出してしまう。


「分かった! 分かったからとりあえず座れ!」


何とか落ち着かせてティムを座らせた私は、まずは手のひらに魔力を集中させる方法を説明する。


「それはもう出来る」

「何?」

「だから、手のひらに集めるのは、アルバートから教わって出来るって言ってんだよ。お前は、集めた魔力が暴走しない方法を教えてくれ」

「師匠…に?」

「そうだよ、村に帰ってくるまでの間に教わったんだよ。お前がミオに魔力制御を教わってる間にな」

「…そうか」


師匠はいつの間にそんな事をしていたのだ。村人達にも魔術講義をしているし…師匠は学院生活が懐かしいのだろうか…。

そしてティム。魔力が暴走するというが、制御方法を知らない者が魔力を集めすぎると、集まった魔力が制御を失い、爆発を起こす事がある。私も最初の頃は良く起こしてしまったものだ。


「暴走しない方法か…属性変化でもやろうとしたか?」

「属性変化? 分かんねぇよ。ただ、集めた魔力を使って戦おうとすると…まぁ何だ…気絶するんだよ…」

「気絶?」

「…あぁそうだよ!! バカでもヘタれでも何とでも言え! ……くそっ、だからアルバートに教わりたかったんだ」


何だそんな事か。

ティムは気絶するという事は隠しておきたかったのだろう。特に私が魔法を使えるのに、自分が出来ないのが悔しいのだろうな。


「ふっ…まぁ気にするな。魔力を教わり始めた頃には、自分の限界が分からずに能力以上の魔力を使用してしまう事は良くあるものだ。そうすると、気絶するのだ」

「そうなのか?」

「あぁ、そしてそれは魔力の暴走とは言わない。ただ自分の限界を知れば良い。限界を超えないギリギリのところまでで使える魔法を使えば良いのだ。お前は魔法じゃなくてあの…技だったか?」

「ゴメスラッシュだ」

「ゴメ…スラッシュ?」

「あぁ、親父の使ってた技なんだよ。ゴメスは親父の名だ」

「そうか。まぁ自分の魔力量でやれば良いのだ。魔力の扱いに慣れてくれば、自然と魔力量も増えていく。そういうものだ」


まぁ、そんな事なら時間が解決してくれる。半年もすれば、気絶もせずに魔力が扱えるようになるだろうな。


「ダメだ」

「何?」

「それじゃダメなんだよ! それじゃ、ゴブリンキングに勝てねぇ!」

「どういう意味だ?」

「俺は今、ゴメスラッシュを使えるようにならなきゃいけねぇんだよ!」

「意味がわからないぞ?」

「だから、今すぐ魔力量を増やす方法を教えてくれ!」

「何故だ!?」


何が言いたい?

ゴブリンキングに勝てない? 勝ったじゃないか。私の最大威力の魔法でも倒せなかったゴブリンキングを簡単に両断したではないか。ゴブリンキングが大量に出てくる時を想定しているのか? あの規格外の化け物がそんなに大量に出てくる訳が…


「そうか…この村の惨劇ではゴブリンキングが何匹も出たと言っていたな」

「あぁそうだ! あのクソ野郎を簡単に斬れるようにならなきゃいけねぇんだよ!」

「そうか…護りたいのか」

「当たり前だ! 俺がいる限り全ての敵は俺が殺す!」

「…そうか」

「だから教えてくれよ! どうすれば良い? どうすれば魔力量は増えるんだ?」

「…」

「教えてくれよ!」


ティムの目に涙が浮かんでいる。そこまでして護りたいのか。急いているのは、ゴブリンキングとの闘いがそれほど、現実的なモノなのか。ティムは、あんな規格外の化物との戦いが当たり前の場所に行こうとしているのだな。


「師匠の助けがいる」

「教えてくれるのか?」

「魔力量の急増方法は知っている。しかしその方法は危険すぎて、私には出来ない。師匠の助けを借りるぞ」

「ありがてぇ! …恩にきる」


ティムは何をしようというのだろうか。話にきいてる仇の白服とは何者なんだろうか。私はやっとコイツに興味が湧いた気がする。




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