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クズの鎮魂歌  作者: 叢雲@ぬらきも
第一章 始まり
8/11

覚醒

「……なるほどね」


 ヨミの診療所に移動した俺は、今までの経緯いきさつを事細かに説明した。

 フィルさんに感じた違和感については触れていないが、それは今どうだっていい。

 アニマが今どこにいるのかが先決だ。

 話を静かに聞いていたヨミは、話し終えると同時にふむ、と一度だけ肯き、デスクへ体を向けた。

 なにやら作業を行っているみたいだが、その無関心としか見えない態度に若干の苛立ちを覚える。


「何があったか、わかるか?」

「予想は着くよ。しかし、彼女がこうも早く気付くとは予想外だね」


 返答はすぐ。しかしヨミはデスク上に表示されている宙に浮かび上がった画面を見つめたまま、こちらを向こうともしない。

 その第三者視点での物言いが更に苛立ちを募らせる。実際第三者なのだから仕方ないのだろうが、私は関係ないですよって態度がありありと見えてはらわたが煮えくり返る。

 俺はアニマ、ヨミ、フィルさんの殆どの事を知らない。過去を詮索するつもりもない。知るべき時が来たら知るだろうと楽観視していた。

 その楽観さが今の現状を生み出している。気付くってなんだ。俺は知らないぞ。自分だけ知ったような風に言うな。と言うか、お前はアニマの友達じゃなかったのか。なんでそう冷静でいられるんだ。


「もういい。どこにいるかわかるんだろ?どこだ?」

「知ってどうするんだい?」


 画面を見つめたまま即答が返ってくる。分かりきった答えを聞くな。所詮お前もあいつらと同じ、上辺だけの人間か。


「行くに」

「殺されに? 君はそこまで無知ではないだろう」


 きぃ、と音を立てて椅子が傾く。ヨミがこちらに顔を向けた瞬間、ヨミの姿が煙のように掻き消えた(・・・・・)


「ぐ……あ……」

「戦闘能力の無い僕ですらこうして君を殺すことが出来る。力も無い癖にわざわざ死にに行く事を無謀以外になんて言うんだい?」


 ぎりぎりと喉元に指が食い込んでいく。息が出来ない。視界がチカチカ明滅する。じたばた暴れてみるも、地に足がついていない。

 ヨミは片腕一本で俺の喉輪を掴み上げ、更なる力を指先に込めていく。ガラス玉に映るものは殺意。お前などすぐ殺せる。

 感情のない瞳がそう物語っていた。ヨミの手を外そうと全力で腕を掴んでもびくともしない。それどころか益々締めつけが強まる一方。

 息が苦しい。意識が暗く染まっていく寸前で、ぱっと解放された。重力に従って落下した俺は床に転がり、激しく噎せ返る。


「げほっ! ごほっ! がっ……! はぁ、ごふっ!」

「たかがこの程度でもう死にそうじゃないか。君が彼女を追っても結果はわかるだろう? 死体が一つ増えるだけだ」


 死体、と言う言葉に我を忘れた。かぁっと血が上っていくのがはっきりと分かった。息苦しさなど即座に吹っ飛ぶ。

 そして力の限り叫んだ。そうすることで何かが変わると信じ込むように。


「それでもアニマは俺を慕ってくれたんだ! 見捨てることなんざ出来るわけねぇだろうが!」

「……くだらない。虫唾が走る」


 ヨミの目がスッと細くなる。そしてまた煙のように掻き消えた。

 唐突に浮かんだ赤の色。ぱぁっと広がった赤に、目を奪われる。

 視界の隅に何かが飛んでいるのが見えた。

 それ(・・)が何か理解した瞬間―――激痛が襲った。


「―――があああああああああああああああああああああああああああああああッ⁉」


 飛んでいったものは右腕。何をされたかすらわからない。視界に広がるは赤。どこを見ても赤。

 赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤一色。

 俺にできることは右肩を押さえて床にのたうち回り、絶叫を上げることしか出来なかった。

 血が止まらない。噴水のような勢いで流れ続ける。

 床で絶叫を上げながらのたうち回る俺を見下ろし、ヨミはゆっくりと近付いてきた。

 べっとりと返り血に塗れた、何一つとして感情を浮かべていない表情で。


「僕らは機械人形マテリアルを壊すためだけの存在。君を壊すことなんて造作もない。そして―――」


 こつ、こつ、と靴底が硬質な床を叩く音が近付く。それ(・・)はゆらりと右腕を振り上げ―――。


「君がどうなろうとなんとも思わない」


 ぶつん、と肉と骨が裂ける感触と音が聞こえる。そしてまた肉片が弧を描き、赤の世界が広がった。足が、足が足が足が足が足ガ足足足足脚足足足足足足あし足足足足足足足アシ足足足が無い‼


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」

「痛いだろう? 怖いだろう? 僕らにも痛覚はある。感情もある。どこを壊せば的確に痛みを与えれるか良く分かっている」


 狂いそうなほどの痛みが支配する。誰かが何かを言ってるがそれすらもう正しく認識出来ない。

 絶叫と悶絶。死にたいと思えるくらいに絶え間ない痛みが襲う。嫌だ、死にたくない。誰か助けてくれ。痛い、痛いよ。怖いよ。誰か、誰か―――‼


「ゴミ以下の存在でしかない君に、できることは何もない。そこで無様に転がっているといい」

『大丈夫。私がいます』


 脳裏に響いた、暖かな声音。痛い、苦しい、怖い、死にたい、死にたくない。あの時もそう思っていた。今もそう思っている。

 あの時あの少女は俺を抱きしめてくれた。あの温もりが何よりも大切なものだと理解した。

 血が抜け落ちて行く。このままなら死ぬのも時間の問題。それでも。それでも―――。


 やるべきことが残っているはずなんだ‼


「あああああああああああああああああああああああああああ‼」

「っ⁉」

「ああああああああああああああ‼ うああああああああああああああ‼」

「……無駄な事を」


 ヨミが何事か呟いた。知ったことじゃない。地を張ってでも行かなきゃならないんだ。

 歯を食いしばり、残った腕と足で必死に這いずる。前へ、前へと進む。

 痛い、怖い、苦しい。だけど―――アニマを失うことの方がよっぽど怖いんだ。だから、俺は行く。


「……どうしたものか。四肢を切り落として動けないようにするか……」

「行かせてやれよ。男見せてんだからよ」


 どこからともなく、男の声が響いた。若い男の声だ。

 その声の主を知っているのか、ヨミは不機嫌そうに目を細めてそれを睨みつけた。


「君は口を挟まないで欲しいな。これは僕の問題だ」

「おいおい、それが貴重な薬をタダで分けてやった恩人に対する言葉か?」

「それとこれとは話は別だ。余計な真似は控えてもらいたい」


 いつの間にかヨミの隣に立っていた男が、ずるずると血塗れになっても尚這って進む人間ひとまに目を向ける。

 男は人間ひとまへと歩いて行き、すぐ傍まで来ると顔を覗き込むようにしてしゃがみこんだ。


「なぁ兄ちゃんよ。そんだけボコボコにされてもまだ行きたいのか?」


 視界に映る、白衣を着た青い長髪の若い男。タバコらしきものを咥え、その顔には薄笑いが浮かんでいる。

 退け、邪魔するな。アニマを探さないといけないんだ。笑いたきゃ笑え。俺は死んでもアニマを探すんだ。


「……た、り……ま……だ」

「あの欠陥品になんで拘んの? もっとマシなもん腐るほどいるぞ?」


 唇を尖らせ、咥えたタバコを上に向けて肩を竦めて見せる男。

 欠陥品、と言う単語にまた怒りが込み上げた。


「ざ、けん、な……」


 声が出ない。呼吸もし辛い。視界が霞む。だんだんと寒くなってきた。


「アニマ……は……俺を……」


 助けてくれた。見ず知らずの俺の命を拾ってくれた。クズの俺を慕い、心と体も繋がってくれた。

 そんなアニマが欠陥品なはずがあるはずがない。アニマは優しい。優しい心を持っているんだ。

 俺はクズだ。自分のことしか考えてないクズだった。だが俺は、クズである以前に―――。


「人間だ……‼」


 まだ捨てちゃいない。この命はまだ消えちゃいない。アニマが俺を変えてくれる。きっとそうなんだ。

 だから俺は行かなくちゃいけないんだ。だから邪魔するな―――!


「くっく……くはっ! いいじゃねぇか! 人間上等! おめー面白いな‼」

「カイン。いくら君とは言えど度が過ぎる介入は許容しかねるぞ」

「ん? じゃあ俺とやるっての? 本気で?」


 カイン、と呼ばれた男とヨミがなにやら言い争っている。俺には関係ない。こうしている間にも、アニマが危ないかもしれないんだ。


「……なぜ肩入れをする。らしくない(・・・・・)

「面白いじゃねぇの。人間でありながら俺たちヒューマノイドを相手にしようってんだろ? 何にもねぇのによ」

「冷静な判断が出来ないだけだ。少し考えれば誰にでも分かる」

「しっかし、相手が悪ぃなぁ。嬢ちゃんでも下手すりゃ……」

「カイン」


 ヨミがカインの言葉を遮る。無表情を貫いていた顔に、はっきりとした怒りの感情が浮かぶ。


「そうならないために僕がいる。アニマは僕の希望だ」

「……そうだな。俺としても嬢ちゃんがいなくなっちまったら困る。さて、そこでだ」


 視線を感じた。カインと言う男が俺に目を向けたことが分かった。もう力が入らなくなってきている。視界がだんだんぼやけてきた。

 俺は死ぬのか? 死にたくない。まだアニマと世界を見ていない。だから、まだ死ねない。


「ヒトマ……つったか? おめー、嬢ちゃんを助けたいか?」

「カイン! 彼を巻き込むな!」

「たすけ、たい……」

「そうか。じゃあ、死ぬ覚悟があるか?」


 もう思考が回らない。指先一つ動かすこともままならない。だから俺は瞬きしか出来なかった。


「そうか。よーし分かった」


 男は満足そうに肯き、何かを懐から取り出した。


「こいつを飲んだらおめーは死ぬほど痛い目に合う。それでも飲むか?」


 声が遠い。意識が途切れかかってる。もう死んでいるも同然だ。だから瞬く。


「こいつを飲めば嬢ちゃんを助けるための力が手に入る。ただし、限りなく短い時間だ」


 瞬く。


「人を捨ててまでも、嬢ちゃんを助けたいか?」


 瞬く。


 元より俺は人間のクズだ。失うものなんざとうに無い。


「いい覚悟だ。おめーがどう成長するか、楽しみにしてるぜ」


           ◇


「やっと決心してくださったのですね……〝武神〟」

「くどいぞ。儂は戻らぬと言ったはずだ」

「では、どうして……」

異分子レイドを探していたのだろう?」


 ミッドガルズを出て少しばかり歩いた先の森林地帯。

 その奥深くに、フィルリンクはいた。

 フィルリンクと対峙しているのは厳かな装飾の付いた鎧に身を包む者たち。

 どれも武装しており、和やかな話し合い、と言った空気ではない。

 フィルリンクの足元には何重にも拘束具を重ねられた銀髪の少女が横たわっていた。


 足元に転がる少女に侮蔑の眼差しを寄越し、指で指し示してみせる。

 フィルリンクの言葉を聞いた瞬間、武装集団の頭角らしき人物の目の色が変わった。

 しかしそれも一瞬。すぐに怪訝の目に移り変わる。


「こやつはFランクであるに関わらず、儂の蹴りを受け止めた。これが何を意味するかは言わずともわかろう」


 今度こそ頭角の目がこれでもかと言うほど見開かれる。信じられない、そう言いたげに横たわるアニマへと驚愕の目を向ける。


「〝武神〟の蹴りを⁉ 馬鹿な……信じられん!」

「うむ。儂の元へ転がり込んで来たが、儂には不要じゃ。改造するなり調整するなり好きに使え」


 そう言ってフィルリンクはくるりと踵を返し、暗い森林の中を歩き始める。

 背後からそれを引き止めようと声が掛かる前に、深い闇に包まれた森林の景色がぐにゃりと歪み、歪んだ空間から人影のようなものが三つ飛び出した。


「その取引、ちょーっと待ってくんねぇかな?」

「何者だ⁉」


 飛び出した人影の一つ、青い長髪、白衣姿の男がおどけたように言う。

 突如出現した謎の人物に、その場にいた全員が即座に武装を構えて男を睨みつける。

 男はおお怖、と肩を竦めてひょいっと後ろへ飛び退く。

 前に押し出された残りの二人―――ヨミと人間ひとまが倒れているアニマを発見し、安否を確認した後でフィルリンクを睨みつける。


「〝領域〟使いか……久しいな」

「まぁ、感動の再会ってわけじゃねぇがなぁ」

「たった三人で儂とやり合おうと言うのか?」


 どうやらこのカインとか言うチャラい男と知り合いらしい。短いやり取りのあと、フィルさんが拳を握り込んで好戦的な笑みを浮かべた。

 フィルさんの他にも見たこともない武装で固めている奴らが四人ほどいる。数の上ではこっちが不利。

 だが戦いに来たわけじゃない。目的はアニマの奪還。それさえ叶えれば用は無い。


「フィルさん……」

「……ヒトマか。なにゆえ寝ておらん。体を休めておけと言ったであろうに」

「俺の大事な人に何してやがる!」


 困ったような、それでいて労わるような優しい微笑みを浮かべてこちらを見つめてくる。

 なんでこんなことをしたか問い詰めたい。だが、それよりもアニマを助けることが先決だ。

 フィルさんに向かって力の限り怒鳴る。血が沸騰しそうなくらいに熱い。

 今すぐにでも飛びかかりたいが、俺にはそんな力もない。


「……それほどまでにこやつが大事か」

「当たり前だ! アニマは見ず知らずの俺を助けてくれたんだぞ! 俺はクズだが、拾ってもらった恩を返さず見過ごすほど恥知らずじゃない!」


 僅かに俯き、表情に影を落とす。その仕草には何かに怯えているようにも見えた。

 だがそんなことはどうでもいい。アニマは俺の大切な人だ。それを傷付ける奴は誰であろうと許しはしない。


「〝武神〟」

「良い、儂ひとりで十分じゃ」


 一歩前に出た頭角らしき男に向けて手を伸ばして制し、下がらせる。

 一人で十分と言う事か。こちらとしては有難い。複数いればその分集中力を回されるが、単体であれば今の俺(・・・)に捌けないはずもない。


「こやつと儂、どこに不満がある? 儂はお主に必要な食料を持っておる。こやつはお主に何をしてやれる? 体が目的であれば好きなようにして良いと言ったであろう?」

「たとえ飢え死にしようが、死んでも守りたいもんくらい俺にだってある!」

「ほう」


 確かに言う通りだ。俺は飯を食わねばいずれ飢えて死ぬ。そんな弱い体の俺だが、命と同じくらいに大事なものが出来たんだ。

 それを奪わせはしない。絶対にだ。


 フィルさんは黙って俺の言葉を聞いていた。微かに拳が震えていた。だがそれもすぐに消える。

 獰猛な狩人の目を光らせて、殺意を剥き出しにした顔を上げて。


「では、見せてみろ。その脆弱な体で何が出来るか、な」

「ごふっ……⁉」


 腹に衝撃が走る。肺の中の空気が一気に押し出される。みちみちと骨と内臓が軋む。だが―――見えている(・・・・・)

 激しくすっ飛ばされ、硬い木の幹に激突する。体中が悲鳴を上げている。口内が鉄の味で一杯になる。

 それでも、俺は倒れるわけにはいかない。歯を食いしばり、地にしっかりと足をつけ、まっすぐ敵を視界に収める。


「……む? 力加減を誤ったか? 今ので胴と腰が二つに裂けているはずなのじゃが……」


 踏ん張って前へ進む俺を見て、フィルさんの顔が困惑で歪む。そのまま戦意喪失してくれると有難いが、そうもいかない。

 にやっ、と嗜虐的な笑みを浮かべ、腰を深く落とす。すん、と重くなった空気で察する。次は本気で殺しに来る。


「次は……そうもいかんぞ?」


 とん、と軽やかな音と共にフィルさんの姿が消える。たった一回の踏み込みで10メートルは離れた距離を詰めるその脚力は圧巻の一言。

 その膂力が込められた本気の蹴りを喰らえば間違いなく死ぬ。

 スローモーション(・・・・・・・・)で近付いてくる動きを一目見て直感する。

 直感し、身を屈めることによりその蹴りを躱す。そんな遅い攻撃に当たってやるほど俺は優しくない。


「な、に?」

「どうした? 当ててみろよ」


 ぶん、と風を切って振り抜かれる蹴擊。後を追うように吹き抜ける風圧が、いかに蹴りの凄まじさを表しているか理解出来る。

 だが、当たらなければどうということはない。

 空振りした事に酷く驚いているフィルさんに向かって、ちょいちょい、と片手で手招きして挑発する。


「っ、一度躱したくらいで図に乗るな‼」


 安い挑発のつもりだったが、効果は覿面。怒りを顕にしたフィルさんの蹴りが唸りを上げて次々と放たれる。

 それでも俺には掠りもしない。スローモーションで見える動きを躱すことなんざ子供でも出来る。

 今の俺にはフィルさんの動きがスローモーションで見える。ただし、右半分(・・・)だけ、だが。

 それでも十分だ。十分避けられる。


「なんじゃ、その特質スキルは……」


 フィルさんから声が上がる。絶対優位から崩された焦燥。未知のものに遭遇した恐怖。

 俺自身も驚いてる。なんせ右側の視界だけ灰色になってるんだから。

 灰色の世界で動くものは全てコマ送りで再生される。

 それがどんなに速い動きをしようと、灰色の世界にいる限り決して逃れることは出来ない。

 頭の中で誰かが語りかけた。ヒューマノイドにしか現れない特異な能力―――特質スキル


 俺だけが持つ特質スキル―――『千里眼』。

 灰色の世界で捉えられぬ動きはない。

 何者をも見通す神の眼は欺けない。いかに速かろうと、この眼がある限り絶対に蹴りが当たることはない。

 どんな蹴りが来ようとも、避けてみせる。


「カイン、君は彼に何を飲ませた?」

「一時的に身体能力を高めるだけ(・・)の薬だ。俺こそ聞きてぇよ。あいつはなんなんだ?」


 フィルリンクと人間ひとまの戦闘を鬼気迫る表情で眺めているヨミが、カインに声だけで問う。

 カインは空になった試験管を取り出し、ボリボリと頭を掻いて苦笑する。

 人間がヒューマノイドに勝てる見込みなど0に近い。

 それでも行くと願う人間ひとまの思いに応え、カインはドーピングを施した。

 そしてヨミが斬り飛ばした右腕と左足を縫合し、動けるようにまで処置を施した。


 そこまでは良かったのだ。

 元よりフィルリンクの目を欺いてアニマを奪還。カインの特質スキルを用いて脱出する算段のつもりだった。

 フィルリンクと対峙することなどハナから頭にない。それだけフィルリンクが強いと言うことは二人共重々承知していた。

 しかしそれが出来ていない。二人の目を釘付けにするほどに、人間ひとまの豹変ぶりが凄まじいのだ。

 ただの人間のはずだ。人間など少し小突けば容易く壊れるほど脆い存在。


 だが、あの男は掠りもしない。自分たちでさえ目で追うのがやっとのフィルリンクの動きを完全に見切っている。

 アニマであれば見切れずとも防ぐことが出来る。それだけの特質スキルをアニマは持っている。

 そう、アニマはヒューマノイドなのだ。

 凄まじい速度で繰り出される蹴擊をのらりくらりと躱しているあの男は人間のはず(・・・・・)

 あの右目は。煌々と瑠璃色に輝くあの右眼は一体なんだと言うのか。


「かかっ! 口では大層な事を抜かす割に避けるだけか! それで儂に勝とうなど笑止!」

「倒す? なんで倒さなきゃいけない。俺はフィルさんに感謝してる。それに、俺の目的はただ一つだ」


 息も切らさず、掠りでもすればバラバラにされそうな威力の蹴りが休むことなく繰り出される。

 フィルさんの口元に勝ち誇ったような笑みが浮かぶ。徐々に反応が悪くなっていく肉体に思わず舌を打つ。

 フィルさんの言う通り、避け続けても勝ち目はない。こっちももう息切れ始めた。

 だが、俺の狙いはそこ(・・)じゃあない。俺の狙いは初めから―――。


「アニマ‼」

「はい、ヒトマ様」


 力の限り、叫ぶ。即座に返事が返ってくる。良かった。声を聞いただけでもう力が抜けてくる。

 俺は涙を堪えつつ、初めての命令(・・)を下した。

 絶対に大丈夫。確信めいたものを胸に秘めて。


「主人のピンチだ! 助けろ!」

「はい、仰せのままに」


 ばきん、と拘束具を力尽くで破壊したアニマが、一回の跳躍で目の前へと降り立つ。

 ぶは、と大きく息を吐き出してその場にへたり込む。それと同時に、灰色の世界が色彩を取り戻していった。


「やはりお主、【金剛】の特質スキルか」


 地面につきそうなほどの長い髪が、内なる闘志に呼応するかのようにざわざわと波打つ。

 べきべきと骨を鳴らし、好戦的な笑みを浮かべた修羅(・・)が一歩を踏み出す。

 ずしん、と大地を揺るがすほどの一歩は、間違いなく相手の戦意を根こそぎ奪っていく。


「お主と言いヒトマと言い……久々に血が滾るわ」


 波打つ白髪が燃えるような真紅の色へと変わって行く。向けられる殺意に息を呑む。間違いなく全力で殺しに来ている、と。


「フィルリンク様の特質スキルは【修羅】。私と正反対の特質スキルです。身体能力が向上する点は一緒ですが、私は守ることに特化しています。逆にフィルリンク様は……」

「攻める事に特化してる……ってことか」


 アニマが俺を守りつつ、説明してくれる。

 衝撃をズラした(・・・・)とは言え、あの蹴りの威力は半端じゃないことは受けてみて分かった。

 それを防ぐことの出来るアニマの硬さにも驚く。俺が真似しようものなら腕をへし折られ、真っ二つにされてしまうだろう。

 それほどの威力を、あの小さな体は持っている。


「ヒトマよ。なぜ儂ではいかんのじゃ。主の望むことはなんでもしよう。主が望むのであれば世界を敵に回してもいい。なぜ―――そやつなのじゃ」


 風もないのに真紅の長い髪を波立たせながら、フィルさんが話す。

 きつく細められた視線の先は―――アニマ。


「これが最後の警告じゃ。儂を選べ、ヒトマ。そうすれば主の望む世界が手に入る」


 俺の目をまっすぐ見つめながら、小さな細腕をこちらに伸ばしてくる。

 アニマが肩越しに不安そうな目をちらりと向けてくる。世界―――なんと甘美な響きだろうか。

 世界が手に入る。そう言われて心が揺らがない人間がいるだろうか。何不自由ない暮らしを送れる、自分の思うがままに出来る。

 そんな素晴らしいものが目の前にある。誰が手を伸ばさずにいられようか?

 過去の俺であれば迷わず飛びついただろう。そんなものはいらない。今の俺にはアニマがいる。


「願ってもない申し出ですけど……俺は他人に敷かれたレールを歩くだけの人生に飽きてるんでね。それにアニマのおっぱいはまさに理想‼」


 だからはっきりと言い切った。アニマの背後で少し情けないけど言い切ってやった。


「……」

「……あの……」

「……」

「ぶわっはっはっはっはっはっはっは‼ よりによってそこかよ‼ はっはっはっはっは、腹が、腹が捩れる‼ ああいかん笑い死ぬ‼ ひぃ、ひぃ‼」


 空気が凍った。視線がすっごく痛い。え、なんで? おっぱいは世界を救うんだよ?

 顔を真っ赤にして縮こまるアニマは天使だとして、フィルさんとヨミ、変なおっさんたちが汚物を見るような目で俺を見ている。

 カインは地面に転がりながら腹を抱えて大爆笑していた。あとで殴ろう。


「ということでフィルさん、アニマは返してもらいますよ。ついでに短い間ですがお世話になりました!」


 しかし生まれた隙を見逃すつもりはない。俺はすかさずアニマの肩を叩いて逃走の意を伝え、脇目も振らず全速力でヨミたちの元へ駆け出した。

 三十六計逃げるに如かずってね!


「ぬあっ……行かせるか!」


 一瞬反応が遅れたものの、すぐに反応して俺の目の前に現れた。灰色の世界がないのでそこまでしか見えない。

 だが、俺には頼れる相棒がいる。


「っ、この、邪魔するな小娘がぁ‼」

「ヒトマ様に触れさせません。何があっても」

「くっ、この、儂の邪魔をするなぁぁぁぁぁぁぁ‼」


 音速の速さで放たれた蹴りを、アニマが片腕だけで衝撃もすべて殺して防ぎ切る。

 当然のように阻まれたフィルさんの表情がみるみる憤怒に染まっていく。

 それと同時にフィルさんの周囲に漂っていた赤い靄のようなものが一気に膨れ上がった。

 が、それも僅か一瞬で霧が散るように消え去り、フィルさんが急に支えを失った重たいもののようにがくりと倒れ込んだ。


「はっ、はっ、はっ……くぅ……もう反動が……」


 地面に両手を着いて蹲り、肩で呼吸を繰り返す。

 額には珠のような汗がいくつも浮かんでいる。

 特質スキルには強力な力を発揮する反面、制限時間や使った後の反動がある。

 アニマは良くわからないが、俺は『千里眼』を使ったあと右眼の視力が極端に落ちる。これは時間の経過で回復していくものみたいだが。

 フィルさんの場合は疲労。一歩も動けなくなった様子からそうであると予想が着く。


「儂は……儂は絶対にお主を諦めぬぞ……」


 意識が混濁しているのか、焦点の合ってない目で腕を伸ばす。

 それにさきほどまでの力はない。長い髪も今は白に戻ってしまっている。


「儂の覇道の道を……共に歩む器を……諦めて……たまるものか……」

「フィルさん」


 涙を浮かべて必死に伸ばしてくる手を、しっかりと握り締めた。

 握り返してくる力は子供のように弱々しい。

 震える手を力強く握り締め、倒れているフィルさんの傍に片膝をつく。


「儂……は……」

「俺は、あなたの人形になりたくない」


 うわごとのように呟いているフィルさんに、はっきりと拒絶の意を告げる。


「違う……儂は……」

「あなたが求めているのは、隣にいてくれる何かだ。その何かが俺なんでしょう?」


 弱々しく首を振る。大きな赤の瞳からぽろりと雫がこぼれ落ちた。

 その姿を見て、あの時感じた違和感の正体を確信する。


「儂の夢を、叶えてくれるのはヒトマ……お主だけなのじゃ……」

「それは建前でしょう。俺は機械人形マテリアルと戦ったこともないし、戦争がどんなものかも知らない」


 俺は何も知らない。この世界の事も。ここにいる全員の事も。


「フィルさん。あなたが求めているのは孤独を埋めてくれる存在でしょう? たった独りで狂いそうな時間の中、ずっと戦い抜いてきた。あなたはきっと、寄り添う存在を誰よりも欲していたんだ」


 きっと彼女は泣いていたんだ。来る日も来る日も戦い続けて、家族も友人もいない世界で、長い時間ずっと戦っていたんだ。

 敵とではなく、孤独と戦い続けていたんだ。寂しかったんだと思う。やっと見つけた拠り所だったんだと思う。


「ヒューマノイドにも心はある。それをアニマが教えてくれた。俺はそのことを教えてくれたアニマと、この先に何があるかを見たい。だから、あなたの望むものにはなれません」


 俺を拠り所としてくれるのは嬉しい。でも、俺にはもう寄り添いたいと思う居場所が見つかった。

 その居場所を奪おうとしたことは許せない。だから、ここでさよならだ。


「……待て……待ってくれ……」

「飯、美味かったです。出来ればまた、食いたいです」

「行くな……行かないで……」


 握った手を離そうとすると、縋るように握り返される。その力は簡単に解けてしまうほど、弱く、幼い。


「お前まで……儂を捨てないでくれ……」


 幼い子供の瞳から、大粒の涙がぼろぼろこぼれていく。嗚咽を上げ、泣きじゃくる姿はどう見ても小さな子供だ。


「独りは……嫌じゃ……もう独りは……嫌なんじゃ……」


 嗚咽と共にこぼれていく本音。だからといって、理解したからと言って、フィルさんを許すことは出来ない。

 だけど―――胸が軋む。俺はクズだ。聖人君子でもなんでもない。だが―――泣いている子供を放っておけるほど、腐っちゃいない。


「ヒトマ様!」

「うおっ⁉」


 アニマの怒声で咄嗟にフィルさんを抱えて転がる。

 頭を振ってかかった土砂を振るい落とし、それ(・・)を見た瞬間ぎょっとする。

 フィルさんがいた場所に、ぽっかりと大穴が空いていたのだ。

 しゅうしゅうと煙を上げる穴を凝視していると、ちゃり、と金属が擦れあう音でその存在に気付く。


「……あなたには失望しましたよ」

「……あんた、フィルさんの仲間じゃないのか」


 怒りを交えた視線を投げるも、武装した男は意に介さず侮蔑の眼差しを寄越した。

 そして腰に携えた剣に柄に手を伸ばし、


「戦う意思すら見せぬガラクタと一緒にするな」


 刹那の煌きと共に風が吹き抜けた。

 それを認知すると同時に、胸に鋭い痛みが走った。


「ぐあっ……⁉」

「ヒトマ様!」

「貴様……オウル、血迷ったか⁉」


 斬られた。と認識するには斬られた後、胸に深い裂傷を負ってからだった。

 レザースーツがあっさりと切り裂かれ、鮮血が舞う。

 アニマが庇うように前に立ち、フィルさんが困惑の声を上げる。

 なんだ今のは。フィルさんの蹴りも速かったが、いつ抜いたかも見えないどころか、鞘から抜いた音すらも聞こえなかったぞ。


「何を言うのです。私は初めから圧倒的な強さで敵を屠る〝武神〟に敬意を示していただけ。戦う意思すら見せず、のうのうと生き長らえるガラクタなどに用はない。それに、あなたの特質スキルはこんなものではなかった。こんな欠陥品一つ満足に壊せぬ陳腐な特質スキルならば必要ないのですよ」

「貴様……くっ……」


 いつの間にか抜刀した剣先をこちらに向け、尋常じゃない殺意を放つ男。

 男が動こうとした瞬間、ぱん、と手を打ち付ける音で意識を持って行かれた。

 見ると、カインがタバコの煙を吐き出しながらにんまりと意地の悪い笑みを浮かべていた。


「おーし、んじゃトンズラかますとするかぁ」

「逃すとでも?」

「おめー如きに捕まるわきゃねぇだろ。んじゃ、サイナラ」


 睨み殺さんばかりの形相で男が剣を振りかぶる。しかしそれよりも早く、周囲がぐにゃぐにゃと歪んで行くほうが速かった。

 そして、森林の景色が一瞬で消え去った。


「絶対に逃がすものか……下衆共」


 歪んで消えた空間を睥睨し、男は怨嗟の言葉を呟いた。


           ◇


 アニマを無事奪還出来た俺たちはカインの特質スキルによってヨミの診療所に戻ってきた。

 カインの特質スキルを体験するのはこれで二回目だが、どうにも慣れない。

 ぐにゃぐにゃ歪む世界を見ていると気持ち悪くなる。それを話すとカインにじっと見すぎだ、と笑われた。

 やっと一息つけたところで、アニマの安否を改めて確認する。


「アニマ、怪我は?」

「大丈夫です。それよりヒトマ様は」


 逆に心配されて少し戸惑ってしまう。見たところアニマに外傷は見当たらない。俺はと言うと一撃だけ当たってしまったが、打撲程度のものだろう。多少痛みが走るが、動く分にはまず問題ない。


「俺は大丈夫だ。それよりも、フィルさんが」


 腕の中で苦悶に喘ぐ少女の顔色は蒼白を通り越して土気色にまで変色しており、素人目からでも危険な状態だと一目見て分かった。

 縋るように見上げると、ヨミがぴくりと眉根を寄せて冷徹な眼差しを送り付けてきた。


「……彼女を助けるつもりか? 彼女はアニマを処分しようとしていたのだぞ?」

「そんなことはわかってる!」


 自分のやろうとしていることが正しいかどうかなんてわかりゃしない。フィルさんが何をしようとしたかも、それが許せない事だとも分かっている。

 罪を犯した者に罰が下されるのは当然だ。でも、それでも。


「それでも、一飯の礼がある」

「たかが食料を提供しただけで命を狙う相手を助けると? 冗談も程々にしたまえ。回復すればまたアニマを狙うに決まっている。ここで殺しておくべきだ」


 ヨミの言っている事はきっと正しい。普通に考えれば殺しに来た相手を庇い立てする義理も必要もない。

 逃した敵はまた新たな武器を持って殺しに来る。甘さを見せれば自分が殺されるかもしれない。

 だけど、フィルさんは本気で俺を殺そうとしてなかった。最初の一撃をもらったからこそ分かる。わざと(・・・)気絶する程度の力で蹴りを放っていたんだ。

 俺にはフィルさんが根っからの悪人に見えない。孤独に怯える、小さな子供だ。


「アニマ」


 アニマは被害者だ。訳も分からず連れ去られ、処分されようとした。

 アニマにはフィルさんを裁く権利がある。許さないと一言言えば、それで終わりだ。

 だから問おう。優しげに微笑むアニマの本心を。


「……はい、ヒトマ様。私はヒトマ様に従います」


 まっすぐ目を見つめて、柔らかく、優しく微笑む。その言葉で救われた。俺も、フィルさんも。

 本当にこの少女は優しいのだな、と微笑み返す。


「な⁉ アニマ⁉ 君は命を狙われたのだぞ⁉ なぜ殺さない‼」

「それでも、泣いている『子供』を見捨てて行けるほど、俺は冷血じゃない」

「……君からすれば僕らは子供だろうが……しかしだ」

「フィルさんは寂しかっただけだと思うんだ。長い時間、ずっと独りで戦ってたんだ。だから俺は、フィルさんの力になってあげたい。アニマにしたことは確かに許せない。だけど、こうしてアニマもいる。だから頼む、ヨミ。フィルさんを助けてやってくれ」


 正気の沙汰じゃない。気でも触れたかと思われても仕方ない。今の俺にはこれしか出来ないから。誠心誠意を込めて、頭を下げる。


「……正気か? 彼女は敵だぞ?」

「ヨミ、私からもお願い。ヒトマ様のお願いを聞いてあげて」


 ヨミに向かってアニマも頭を下げる。下げたままの状態で動かない俺とアニマに、ヨミが困り果てたように小さく呻いた。


「カイン! 君もなんとか言いたまえ!」

「おいおい、俺は部外者だろ。旧友のよしみで加わったが、基本俺はノータッチだぞ」


 今度はカインが困惑の声を上げる。それでも俺は頭を上げない。


「ヨミ」

「ヨミ」

「―――っ、どいつもこいつも!」


 だんっ、と苛立たしげにデスクを叩く音がした。やり場のない怒りをぶつけたのだろう。俺がヨミの立場だったらそうしているかもしれない。

 深いため息の後、視線を感じた。恐らくヨミは怒っているだろう。あとでこってり絞られる覚悟はある。


「アニマに危害が及ぶようなら君と彼女を真っ先に消す。それでもいいんだな?」

「……ありがとう!」

「っ、まだ助けるとは言ってない!」


 助ける、とは明確に言っていないが、助ける意思を見せてくれたヨミに、俺とアニマが全く同じタイミングで顔を上げた。

 ふと目が合い、なんだかおかしくなって笑ってしまった。


「こりゃおめーの負けだな。くくっ」

「何を他人事のように……カイン、さっさと手伝いたまえ!」

「おー怖。へいへい、助太刀しますよっと」


 こうして、アニマとフィルさんを巡る騒動が収まった。

 この時俺は安心しきっていて、考えが回ってなかった。

 アニマ、そして俺。二人の特質スキルが世界の命運を握る鍵になろうとは、思いもよらなかった。

次章に移ります。機械人形マテリアル登場です。(漸くとは言わないで…)

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