(´Д` )井沢氏!!
「もう選挙が始まるし体育館までいこっか。」
今度は美里がリードする感じで体育館まで向かった。なんかこの学校選挙に力入れてるし、へまを犯したら自宅謹慎なんてざらでありそうだし、高を括る必要があるな。
「みんな体育館に集まっているね、じゃあはいろっか。」
「おっおう。」
体育館には緊迫した空気が張り詰めていた。少し咳をしただけで体育館中に響いてしまうほど静かだった、いやちょっとぐらい雑談しろよ。
こういうときは、
「あの流行りの曲かっこいい」
とか、
「あの服ほしい」
とか雑談するのが、ま、普通ですわな。
かたやこの学校は明かりのついた舞台を見て、集中してるんですわ。
it'a true school.まじめ?それ、褒め言葉ね。
そんなことを一人で考えていると、
「選挙に立候補する生徒は、舞台まで上がってきてください。」
と、選挙管理委員会長が言ってきた。
その言葉を聞き一年生から二年生の立候補者がぞろぞろと起立し始め、流れにのって俺も立った瞬間に割れんばかりの拍手が飛んできた。
いや、たっただけだからね、何も言ってないし、何もアクションを起こしてないからね。
そんなビビっている俺を尻目に立候補者が続々と舞台に上がって行った。
俺以外の全員が上がったぐらいに皆からの「はよ登れよ」という視線を感じ、急いで舞台に上がった。
「只今より第四十八回生徒会選挙を始めます。
一同起立!」
ザッ!!
「礼!」
ツッ!!
「着席!」
サッ!!
研ぎ澄まされた無駄のない動き、軍隊かよこの学校は。なにこれ、事前に練習してたの、ねえ?
「学園長からのお話です。」
「皆さんおはようございます。」
・・・・・・十五分後
「自分と同じ意思を持つ生徒に投票をするように、以上。」
なげえよ・・・・・・
それよりも誰ひとり寝ていないことに驚きだよ。
でも寝かけていた生徒は別室に連れていかれていたな。焼印でも押されて地下労働させられるのかな。
「ありがとうございました。
ではこれより立候補者の演説に入ります。
では、一年一組の鈴木君からどうぞ。」
「ご紹介に与りました、一年一組の鈴木匠です。
私が生徒会役員になった暁には、学業の楽しさを全校生徒に伝えるために、社会に成功を収めた偉人たちの言葉を毎朝放送で流したいと思います。
その言葉を励みとし、学業に専念するような日々を作りたいと思います。
夢は見るものではなく、叶えるものです。
夢の実現のために清き一票を是非私に。
以上で演説を終わります。」
なんか、カッケー。これは拍手活性だわ、と思ったが実際はギリギリふた桁いくかいかないかぐらいの大きさだった。
「では、質疑応答に入ります。
意見のある生徒は挙手を。」
挙手をした生徒は流石に少なかったが、その中に選挙予選で落ちた元副会長の姿があった。
「では、元副会長の井沢君どうぞ。」
「質問なんですが(ry。」
難しい慣用句や四字熟語ばかりで聞き取れなかったのでここは省略。
「そっそれはですね(ry。」
こっちは、緊張で上がってしまって何をいっているのかわからないので省略。
「会話になっていませんね。
僕の論破ということでいいですか?」
不敵な笑みを浮かべて井沢氏が鈴木氏に質問をした。
「はっはい。」
半泣きになりながら返事をする鈴木氏。
「ここで、論破が決まりました。
よって、鈴木君の被選挙権が剥奪され、井沢君に2ポイントが入ります。」
剥奪?ポイント?なんのことだ。そう思い、会議室で配られた冊子に目をやると、
「立候補者が有権者もしくはほかの立候補者に論破されると被選挙権が剥奪されます。
また、論破した側にはその論破の美しさによってポイントが与えられます。
ちなみに1ポイント5000円の相場となっています。」
と書いていた。
金かよ!みんなが夢中になる理由が若干わかってきたような気がした。
「では、続いて一年三組の山根君どうぞ。」
「ご紹介に(ry。」
めんどくさいからここからかなり割愛。
「井沢氏に4ポイント。
通算50ポイントになりました。」
どんだけ論破してんだよ、こいつ・・・・・・
確か論破されていない一年生は、滑舌が悪すぎて論破のしようがなかった川越君と完璧すぎた片平さんぐらいか。これは、狩られるな。
「さっきの近藤君で一年生が終わったので、次は二年生にはいります。
ちなみに、二年生が論破されると一年生が論破されたポイントの分と自分が論破された分のポイントを払っていただきます。
例え何人論破されようが論破された皆さんに最低50ポイント払っていただきます、ご注意を。」
狂ってやがる・・・・・・
そもそも井沢氏しか論破していないし。
「でも論破返しをした場合は、倍プッシュです。
つまり、100ポイントゲットできます。」
なんっだと・・・・・・
丁度ギャルゲを買ったばかりで金欠だったからこれは美味しい。ピンチだけど・・・・・・チャンス・・・・・・