('∀`)立候補!!
何をマニフェストにしたらいいんだよ・・・・・・
俺は学校に帰ってからずっと、他者の視線を受けることがない自室の中で考えていた。
入りたくないもない生徒会のために頭を使うのはエコじゃない。だいたい政治家といい、ああいうやつらは理想論ばかりを語り結局何もしないからな。
中学校の時も入学してから卒業するまで生徒会に立候補したやつのマニフェストのほとんどが、携帯電話の持ち込み可、自動販売機の設置、購買の充実だったからなぁ。
そら入学したてのときは信じていたよ、でも生徒会が解散になるたびに
「携帯電話などの件は、なんの成果も得られずに翌年に持ち込みになりました。」
と某調査兵団みたいにいってたっけ。
噂によると生徒会遊んでばかりいたらしいしな。
去年の選挙のときは風邪で参加してないけど、中学みたいなもんだろうな。そう思うとバカバカしくなってきた。いっそ笑いでもとりにいくか。
「1、校歌をレゲエにする。
理由、ボブ・マーリィの生まれ変わりとしてこの学校に名を残したいから。」
「2、学校をモチーフとしたギャルゲをつくり、学校のHPからダウンロードできるようにする。
理由、話題性をつくり、倍率を上げるため。」
「3、文化祭を武道館でする。
理由、楽しそうだから。」
「4、マグロを養殖し、近くのスーパーで売る。
理由、儲けたいから。」
「5、女子の体操服をブルマにする。
理由、ロマンがあるから。」
若干スベっているような気がするが気にしないでおこう、言う側も聞く側も適当だしこんな感じでいいだろう。
「おはよう、宮本君、マニフェストは考えてきたかしら?」
目にクマをつけながら美里が聞いてきた。
「まあ、一応な。」
「すごいね、一日でマニフェストを考えるなんて。
私なんか春休みの間ずっと考えていたんだから。」
目を丸くしながら美里が言ってきた、可愛いすぎるだろ。
「それは考えすぎだろ、軽く行こうぜ、軽く。」
「そうね。」
自身なさげな美里に若干の違和感を感じていると、
「生徒会選挙に立候補する生徒は、会議室まで来てください。」
放送が流れてきた。
「よしっ、行こうか。」
「うっうん。」
緊張している美少女をリードしている俺カッケーと思いながら会議室までいった。
「失礼します。」
といいながら入ると視線がものすごく飛んできた。
視線ってこんなに感じるものなんだな、物理的に感じすぎて痛みを覚え始めたよ。
「全員集まったかな?では、これより生徒会選挙予選を始めます。」
「・・・・・・えっ、予選?」
「えーっと、理解していない生徒がいるので説明すると、この予選でだいたい今の人数の三分の一に絞ります。」
そんなのがあるんだ・・・・・・
確かに立候補者が多すぎるな、参議院の民主党ぐらいいるからそらそうか。
「えーーっ
予選の内容は私についてきてください。」
俺ハンターにならないからね、うん。
「というのは冗談で、単純明快、即断即決、万物平等その名も・・・・・・」
ゴクリと俺は、固唾を呑んだ。
「ジャンケンです。」
・・・・・・じゃんけんっすか、ちょっとでも緊張した俺がバカみたいじゃないか。
「私に勝ったら突破ということで、最初はグーじゃんけん・・・・・・」
えっ、いきなりすぎるだろ。何をだそうか考えている瞬間に、小声で美里が、
「パー。」
と言ってきた。言われるがままにパーをだすと、
「グー。ということで、パーを出した生徒が予選突破です。
負けかあいこだった生徒はこの部屋からでていってください。勝った生徒は、これから進行説明にはいります。」
いや、この決め方おかしいだろ。
絶対文句を言う生徒が・・・・・・いなかった。
みんな無言ででていってやがる、その帰っている生徒の中に元副会長や元書記の姿があった。
お前ら本当にそれでいいのかよ・・・・・・
「なあなあ、なんでみんな表情を変えずに出て行くんだ?」
隣に座っている美里に小声で質問をした。
「当然じゃない。だって、校則に選挙管理委員会には口答えをしない、したものは一週間の自宅謹慎とする。って書いてあるんだもん。」
えげつないなうちの校則、これだけ選挙を重視しているってことは過去に何かあったのかよ。
「そうなのか。ところで、なんでお前はグーだすってわかっていたんだ?」
一番気になっていることをきいてみた。
「それは春休みの間にこのことも研究したからね。」
平然な顔してすごいこといってるぞお前。なにがお前をそこまでさせるんだ?
端的に選挙の流れの説明をうけると、美里が
「問題は、ここからだから。」
と言ってきた。
いや、たかが高校の選挙だろ?
と思ったが、そんなことを言えるような雰囲気じゃなかったのでいうのをやめた。