表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/75

翠と橙(みどりとゆず) vol.063 「チーフ、お父さん…いない。」橙。

「チーフ、お父さん…いない。」

橙。


巽、

「えっ…???」


「高校時代に、交通事故で、お父さん、亡くなったんだって。」

「……。」


「救急車で病院に運ばれたとき、チーフのお父さん、間に合わなくって…。でも、その時、チーフもその交通事故で重傷。」


巽、話を聞きながら、

「……。」


「相当、精神的にも不安定だったんだって。…でも、その時、病院でひとりの男性と出会って、立ち直ったって…言ってた。」


いきなり巽、ドキン。


シンクを後ろ向きに橙、

「ふふ。チーフの初恋の人、だったんだって~~。」


その声に巽、思わず無表情に。


「ねね、巽~~。今度一緒に、その焼き鳥屋さん、行ってみない…???」


呆然としている巽、

「……。」


「ねね、巽~~。」


我に返った巽、

「へっ…???あ…あ~~。あ~~。うん。良いよ。…なんていうお店…、名前…???」


「がらくって名前。」

「がらく…???」


「うん。」


少し上目遣いで巽、

「…ん…???ん…???…がらく…???」


「うん。焼き鳥屋って…巽…???」

「い~~や~~。まず…滅多に…。うん。行くこと…ないかも…。」


「みやびに、らくと書いて雅楽。」

「あ~~~。な~るほど。あ…、いや…。へぇ~~。感じのいい名前じゃん。」


「うん。私も最初にそのお店入ったとき、おっしゃれ~~って。それほど広いお店じゃないんだけど…。おじいちゃんと若い店員さんでやってるお店なの。」

「ふ~~ん。」


「しかも、物凄い気さくなおじいちゃん。そして可愛い店員さん。」

「へぇ~~。」


「この前、チーフから連れてってもらって、初めて行った~~。」

「ほぅ、ほぅ。そのお店の2階に、そのチーフ、と、杉浦君、住んでるって。」


「うん。そう…みたい。」


未だに橙のスマホの画像を見ている巽、頭の中で、

「…あの…ときの…。」

そして、

「…完璧に、思い出した~~。そうそう。…みど。逢坂って言うんだ~~。そしてみど、翠…。翡翠のすい…か…。」


「巽も~~。食べ終わったね~~。洗っちゃうよ~~。」

目の前から皿を持ち上げる橙。


「おっと、サンキュ~~。」

そして今度は画像をスワイプして、

「それにしても、この人、かっこいいよな~~。」


皿を洗いながら橙、

「誰~~???」


「かかかか。ブランドマネージャー。橙のおじさん。」

「あ~~。うん。かっこいいよ~~。奥さんもね~~。」


「この隣の人…奥さん…???」

「うん。菫さん。綺麗でしょう~~。ときどき、ラインしてる~~。」


「ふ~~ん。」

そして、

「しっかし、みんな、良い顔、してるよね~~。」


その巽の声に橙、

「当然です。あの…ロンドの仕事、してるんだもん。」


「ロンドって…、あの…、大型の総合デパートの…???」

「うん。営業マネージャーの山根千慧と、杉浦薫郎君が取ってきた仕事~~。」


「へぇ~~。」

「よそではなかなかできない商品、やっちゃったって、メーカーさん大喜び。」


「ふ~~ん。」

「え~~。まだ画像見てんだ。かかか。」


巽、

「えっ…???あ~~。はは。なんだか、ついついね。」


「巽も、ウチの女性スタッフに、かなり人気じゃん。リーダーも言ってる。イケメンだって。」


そんな橙のオデコを突っついて、

「な~に、言ってんだか。」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ