翠と橙(みどりとゆず) vol.062 「会社の人たちに…ばれ…た…???」
「へっ…???ゆずと俺の事…、会社の人たちに…ばれ…た…???」
炒飯を食べながら巽。
「うん。知らず知らずに、そんな流れに…なっちゃった。」
夜8時、巽の部屋で、ふたりで夕食の炒飯を食べながら。
「うん。美味しい、さすが、巽の炒飯。」
「…って、それって、どういう流れ…???」
「うん。私が夜、ルッポラで食事してたの、営業の杉浦君から見られた。」
「杉浦…君。」
「うん。ジェシカの営業リーダー。ほら、私の歓迎会のとき、いたでしょ、矢萩ブランドリーダーと、山根営業マネージャー。」
「うん。すんごい綺麗な人たちだよね~、あの人たち。」
「その山根営業マネージャーの隣にいた男性。」
その話に巽、目をキョロキョロさせながら懸命に記憶を呼び戻して。
「山根営業マネージャーの隣に……。」
そしていきなりフィンガースナップ、
「あ~、あ~~、あの、ちょっと太った男子の隣にいた。」
橙、
「かかかか。」
笑いながら、
「うんうん。そうそうあの太った…、かっわいい~門田礼人君の隣。」
「思い出した、思い出した。なんだか凄い、若い割には場慣れ、しているって言うか…。リーダーシップ、ある人だなって印象、受けたな~~。」
そして、口を尖らせて、
「ふ~~ん。彼が杉浦君。」
「杉浦薫郎君。何と、彼、私の中学時代の同級生。」
その声に巽、
「うそ。」
「ほんと。…って言うか、私の方がびっくりしたくらいだもん。まさか、入社した会社に中学の同級生がいるなんて…。」
真ん丸の目をして橙。
その話に巽、
「かかかか。だ~~よな~~。」
「それに、もっと凄い事が判明。」
「なになに…???その杉浦薫郎君。実は、ウチのチーフ、逢坂翠とただいま、同棲中~~。」
「う~~っそ。」
「ふん。私なんて、凄いびっくり。え――――――――っ!!!!…って。ど・う・せ・い…。」
巽、
「なんと、なんと。同棲…。…って言う事は、いずれ…結婚…???」
そんな巽の声に橙、少し口を尖らせて、
「ふ~~ん。分かんない。」
「先輩たちが良く行く、焼き鳥屋さんの2階に住んでるんだって。」
「ふ~~ん。」
そしてテーブルの上に置いた自分のスマホ、歓迎会の時に撮った画像を巽に見せて、
「これこれ。この人、逢坂チーフ。逢坂翠って名前。みんなからは、みど、みどって言われてる。あっ、ほら、前に巽にも言った。」
巽、
「えっ…???あ~~。はいはい。うんうん。思い出した。」
そして橙の持っているスマホ、巽に渡して…。その画像を見ながら巽、
「ふ~~ん。この…人か…。チーフ。逢坂…翠…。みど…。」
その瞬間、
「みど…。」
一瞬、脳裏に浮かんだ10年前の病院での出来事。
そして、一瞬、
「えっ…???」
橙、
「どしたの…巽…???」
首を傾げている橙に巽、
「あ…。いや…。別に…なんでも…。」
いきなり橙、
「へへへ。」
巽、そんな橙の顔を見て、
「ふん…???」
「私の事、妹ができたって。」
「へぇ~~。良かったじゃん。」
「うん。」
そして橙、食べ終わったお皿を持ちながらキッチンシンクに。
「でも…チーフ。」
巽、
「ん~~???」




