翠と橙(みどりとゆず) vol.061 「ねね、私らの妹…、よろしくね~~。」
そして、翌日のお昼前、いつも通りにドアを開けて、
「毎度~~。」
笑顔でジェシカのフロアに、巽。
その瞬間に一斉に動く女子スタッフ。
「来た~~。いらっしゃ~~い。」
そして、その声に万美、尋音。そして営業ブースの面々。それぞれに…、
「しっかし…。黄色い声…。」
千慧、
「かかかか。相変わらずモテるね~~遊馬君。」
入口の巽を遠くの自分のデスクで見つめる翠、
「……。」
そして自分の頼んだものを受け取りに、橙。
巽、そんな橙に優しく、
「はい。ありがとうございます。」
巽にお辞儀をして自分の席に戻る橙。
「さてと。私のは~~。はい、これ~~。サンキュ~~。」
万美。
巽、
「ありがとうございます。」
チョコんと女性にお辞儀をして。
そんな巽に、小さな声で、
「ねね、私らの妹…、よろしくね~~。」
巽の右肩を右手でトントン。
そしてその次に尋音も…、にっこりと、
「むふ。よろしく~~。ねぇ~~。」
そのふたりの女性のその言葉に巽、一瞬、首を傾げて、
「……???」
ドアを開けて呉羽、
「お~~っと、ナイスタイミング~~。巽君、私の~~。」
巽、
「はい。矢萩リーダーのは、こちらに。」
「あら、私の名前…覚えてくれちゃって~~。」
その声に女子スタッフ、
「あ~~~。遊馬く~~ん、ずる~~い。」
巽、一瞬、
「あ。すぃません。や~~ば。」
呉羽、
「かかかか。こりゃ、やぶへびだ。」
空になったバッグを右肩に、
「ありがとうございました~~。」
一礼してドアの外に巽。
「もぅ~~。私の名前も覚えてよ~~。」
ぶすっとしている女子スタッフたち。
そんな景色を見ながら通路を、コーヒーカップを啜りながら薫郎、
「おやおや。」
廊下を出てエントランス、そしてバイクに乗りながら巽、
「私らの妹…、よろしくね~~。…って…。…???どういう事…???」
経理部に書類提出後、休憩ブースを通っての薫郎。
そんな薫郎を見掛けての休憩ブースから手招きの万美と尋音。
薫郎、
「…ん…???」
そしてブースに入って薫郎、
「どしたの…???」
万美、
「ねね、ユッキ。ニュース、ニュース。」
「ニュース…???」
尋音、
「実はさ。私たち、凄い事、知っちゃった~~。」
「凄い事…???」
万美、
「ユッキ、ゆずの彼氏って…誰か知ってる…???」
その声に薫郎、
「ゆずの彼氏…???」
「うんうん。ゆずの彼氏。」
その時一瞬頭に浮かんだひとりの男性。
「まさか…。」
万美、
「うんうん。その、まさか…。」
「あの…ルッポラの…???」
「さっすが~~。ユッキ。ご名答~~。遊馬君。」
「や~~っぱり~~。」
「なにやら、ゆず。大学時代からルッポラに通ってたんだって~~。」
「へぇ~~。それでか…。あの時、ルッポラに…いたの…。」
「全然、彼氏がいるなんて外見からは思えないゆず。」
万美。
薫郎、
「うんうん。」
「他のスタッフたちにはまだ内緒なんだけど…。」
尋音。
「私たち3人はゆず、応援しよって。」
「…って、事は、それって…みども…???」
「当~~然。」
万美。
「ふ~~ん。そっか~~。」
「今日の…お昼休みに、それが判明。」
薫郎、
「へぇ~~。あの…ゆずがね~~。」
「ねっ、応援してあげよ。」
尋音。
「だ~~ね。」
一瞬、中学時代のあのシーンが頭を過った薫郎。
「…ん…???どうした…ユッキ…???」
万美。
薫郎、
「あっ。いや…別に…。」




