↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
49/259

翠と橙(みどりとゆず) vol.049 中途半端の出来上がりのマフラーを引っ張り出して…。

2階への階段を…途中からは…駆け足で。

そして部屋に戻って、クローゼットの中に仕舞っておいた中途半端の出来上がりのマフラーを引っ張り出して、ベッドに腰掛けて、また編み始める。


橙、

「お姉ちゃん、ありがと。」


そして遂に、あの日、もう会える事はない、杉浦薫郎に、

チョコレートが入った箱と、マフラーの入った紙袋、渡せたのであった。

その後、杉浦薫郎が、どうなったのかというのは、全くわからないまま。


つまりは橙の完璧なままの片思い。







月曜日の朝。

コーヒーカップを持ちながら薫郎、営業の自分の席へと向かう途中…。


橙、

「あっ、おはようございま~~す。」


薫郎、

「お~~っとっとっと。はは、おはよう~~。ゆず、早~~。まだ誰も来てないのに。」

そして、

「しっかし…、それにしても、ゆず、歌…上手いよね~~。凄いよ。初めて聞いた、ゆずの歌。」


「いえいえ。とんでもない、私なんて。」

橙。


「もしかして…、ウチの5本指に入るかも…。かかかか。頑張れよ、仕事。」

「はい。ありがとうございます。」


「いやいや。そんな丁寧な言葉、いいよ。」

「いえ、いえ、杉浦さん。私の大先輩ですから…。ふふ。」


その橙の笑顔に、一瞬薫郎、

「ドキン。」

その時、いきなり頭の中に何かしら過った、記憶。

薫郎、

「あ~~れ~~???」

顔を顰めて。


橙、そんな薫郎を見て、目をパチクリと、

「…???」


薫郎、

「あ、いや…。あ~~れ~~???」

そういいながら、自分の席に歩き出す。


橙、

「ふふ。」


「あ~~っと、ゆず~~。」

振り向いて薫郎。


こちらも振り向いて橙、

「あっ。はい。」


「ロンドの例のヤツ。JC365PK…。今日から分納だよね~~。」

「はい。工場から、今日から、分納になります。」


「頼むよ~~。向こうさん、何やら、期待してるみたいだから。ヤマチも鼻、高々。かかかか。」


橙、

「はい。ねね、杉浦さん。」


薫郎、

「ん~~???」


「山根マネージャーも、矢萩リーダーも、かっこいいですよね~~。それに、凄い綺麗~~。」


薫郎、

「はは。ま~~ね~~。ボスとヤマチ、そしてコバちゃんいれば、会社ひとつ、出来ちゃうって言われてるからね~~。」


「ふ~~ん。そうなんだ~~。」


「それにしても…ゆずだって、凄いじゃん、東大って。」

コーヒーを飲みながら薫郎。


橙、そんな薫郎に、手を振って、

「いやいや。そんな事…ありませんよ。」


「ま~た、またまたまた~~。結構…凄い戦力って、噂だけど~~。」


橙、

「ありがとうございま~~す。お世辞でも、嬉しいです。」


「お世辞じゃないよ。」


ドアを開けてスタッフたちの出社である。

「おはよ~~。」


橙、

「おはよ~ございま~す。」


スタッフ、

「ゆずちゃん、早っ。もう仕事、してんの~~???」

「いえいえ。今来たばかりです。はい。」

「先日は、どうも~~。ゆずちゃん、歌、上手い~~。」


そんなスタッフの声に、薫郎、にっこりと、

「ほ~~ら、や~~ぱり。」

そして、スタッフに、

「でしょ、でしょ。僕も今、ゆずちゃんに、そう言ってたんだ。」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。