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翠と橙(みどりとゆず) vol.046 薫郎、「ごめんな。読書の邪魔して。」

そしてその本を橙の机の上に、笑顔で、

「はい。」


そして、教室を出ていく男子生徒に、

「おい、優斗、ぶつかっておいて、謝れよ。」

薫郎。


廊下に差し掛かったその男子、全く悪びれることなく、

「悪ぃ、悪ぃ。」

笑いながら…。



薫郎、

「ごめんな。読書の邪魔して。」

そして振り向いて、また隣の男子と話し出す薫郎。


その瞬間、橙、目をパチクリ。そして、なぜかしら、頬を赤らめて。


そして橙の前の席に戻ってきた女子生徒。

目の前の女子生徒と話ししながら、

自然に右の橙の顔を見て、思わず、

「プッ。」


橙、そんな女子を見て、唇を尖らせて、

「ふん…???」


女子生徒、笑いながら、

「ゆず〜〜。ここ、ここ。赤っ。」

おでこの右の方に右人差し指を…。

「え…???え…???」


その瞬間、その女子生徒、すぐさまポケットから携帯電話で橙をパシャリ、

そしてその画像を橙に。


橙、

「うわっ!!!!」

本の角にぶつけたオデコが、赤く。



女子生徒、

「なにやらかしたの〜〜???」


そしてその画像を削除。

「はいはい。授業、始まる〜〜。」


橙、思わず、ほっぺたを、

「ぷ〜〜。」

けれども、2つ前の席の薫郎の横顔を見て、膨らんだ頬っぺたも元通り。

そして自然に笑顔になる橙。


子供の頃からおとなしい性格だった橙。

けれども、小学生の頃から、とにかく友達も出来なく、

ひとりでポツンとしているのが多い橙。

そのためか、友達と一緒に遊ぶという時間がなく、

やることと言えば、本を読むか勉強しているかのどちらか。

その影響か。授業態度は良好。そして成績は優秀。

小学生の頃から絵を書くのが好きで、母親から中学部活動には美術部にと、

進められて、そのまま…。



熱心に美術部で絵を書きながら…。

しかも、その書いた絵も、部の顧問に褒められ、ある意味の期待をされる。

そんな中で部が早めに終わり、ひとりでぶらぶらと校内の廊下を歩いていた時に、

体育館の方から歓声が。バレー部の紅白戦である。

その中で、ネット際、真ん中でトスを上げている一人の男子生徒。

そのトスの正確さで、次々にアタックが決まる。



開け放たれた体育館の入り口をその様子を見ていて、橙の目に飛び込んできた、

そのネット際の真ん中の男子。


橙、

「へっ!!!杉浦君っ!!!」



壁際で応援している女子生徒たち。みんな一同に、アタックを打つ男子生徒に黄色の声。

けれども、アタックを打っている男子からは懸命に喜ばれている様子の薫郎。



その瞬間、橙、

「杉浦君、かっこいい〜〜。」


入口からバレー部の紅白戦を見ているのは橙ひとりだけ。


その時、瞬間に橙の頭の中で、

「私、この人、好き。」


それからである。美術部の活動が終わった後は、

必ず体育館を通って帰るという日課ができた。

教室では薫郎の姿を後ろから。そして放課後には、部活動で動く薫郎を…。

いつの間にか、誰にも何も言えない橙だったが、薫郎を見ているだけでも嬉しかった。



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