翠と橙(みどりとゆず) vol.040 路上を歩きながら翠、「……。」
路上を歩きながら翠、
「……。」
「はは。カ~ラオケだって~~。みど。」
隣で歩いている翠に奈都。
「…ん…???みど…、どした…???」
腕組みしながらなにやら考えている風な翠に奈都。
翠、名前を呼ばれた事に気付いて顔を上げて、
「…ん…???あっ。はい…???」
キョトンとさせて、奈都に、
「…ん…???何…???」
奈都、そんな翠に、クスリと笑って、
「な~によ~。もぅ~~。鳩が豆鉄砲喰らったような顔して~~。」
翠、
「はい…???鳩が豆鉄砲…???」
「な~~に、考えてたのかな~~。心、ここに非ずって、感じ~~。」
そんな奈都に、
「あっ。ははは。いやいやいや。何々、なんでもない。な~~んかね~~。ちょっと、昔の事…思い出してたんだ~~。」
奈都、
「昔の…事…???」
「ふん。」
「みどね、昔、高校の時に…。」
万美、いきなり後ろから…。
「もぅ~~。万~~。余計な事は…言わない。」
「えっ。えぇぇぇぇ。聞きた~~い。聞きた~~い。」
他のスタッフたちと笑いながら前を歩いている薫朗、そして橙。
何かしら、懐かしいのか、微妙な距離感で会話をしている風にも…見える。
「みどね、高校の時に、交通事故で病院に入院していた事あるの。」
万美、奈都に。
奈都、いきなり、
「え―――――っ!!!」
翠、
「奈都、声おっきい。」
奈都の口を押えるようなゼスチャーで。
「その入院中に、ひとりの男性に出会った。」
万美。
奈都、
「ふんふんふん。…ん…???」
目を細めて奈都、キョロキョロと…。
「…もし…か…して…。みど…。それって…???あれ…???」
万美、
「ビンゴ~~。」
尋音、
「みどの初恋の人なりよ~~。」
「でで、どんな人…???どんな人…???名前…???」
いきなり強調する奈都。
「ユウマって…呼ばれていた…らしい…。…って言うか、呼んでたんでしょ、みど…???」
そんな万美の声に、少し間を置いて翠、
「…う…、うん。」
奈都、
「ユ…ウ…マ…。」
少し、考えた風に、奈都、
「へっ…???ユウマって…、まさか…、さっきの…ルッポラの…???えぇぇぇぇ…???」
バッグから名刺を取り出して奈都。
「確か…、巽君も…。高校生の頃…、ユウマって…???」
その時奈都、
「へっ…???なんでよ。みど…。初恋のその男性…。なんで、別れ…???はい…???」
「みどには伝えずに、その病院、退院したんだって~~。その後は、何も音沙汰なし~~。」
尋音。
奈都、
「え~~~~。うっそ~~~。」
「だから、今はもう…、どこで何をしているのやら…???」
尋音。
始終無口の翠。
「そんな訳で~~。」
万美。
奈都、
「ん~~???」
「実は…さっき、巽君直々に、聞いてみた~~。」
奈都、
「うっそ~~~。」
翠、
「えっ…。」
右後ろを向いて…。
尋音、
「なに、さっき、巽君と話してたのって…、その事…???」
「ふん。なのに、尋音、私の右手、引っ張るから、聞きそびれた~~。」
「わっちゃ~~。」
申し訳なさそうに尋音。けれども、
「いやいやいや。でも…、さっきは…。」




